次世代グリーンCO2燃料って何!? トヨタやスズキなど6社が研究を開始
トヨタやエネオス、スズキ、スバル、ダイハツ、豊田通商の6社が、燃料を “つくる” プロセスでの効率化を研究するため、「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を福島県大熊町に設立した。カーボンニュートラル社会実現のために欠かせないという、次世代グリーンCO2燃料とはいったいどのようなものなのだろうか?
食料と競合しないバイオエタノール燃料製造などを研究
カーボンニュートラル社会の実現に向け、自動車会社や、エネオスなど6社が会社の枠を超え、7月1日に「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を創設した。同研究組合では、バイオマスを利用し、生産時の水素や酸素、CO2を最適に循環させて効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術などの研究をスタートさせる。
カーボンニュートラルとは、政府が2050年までに目指している目標で、「温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引いて合計を実質的にゼロにすること」を意味する。同研究組合では、実現のためには多様なエネルギーの選択肢を提供することが重要だと捉えており、再生可能エネルギー由来の電力を基にした水素や合成燃料、植物の光合成によりCO2を削減できるバイオエタノール燃料も有力な選択肢であるという。
一方で、水素や合成燃料、バイオエタノールのいずれの燃料においても、原料調達だけでなく、製造工程におけるCO2排出量の低減や社会実装に向けた課題を明らかにし、その解決方法を探る必要があると同研究会では説明する。
具体的な研究としては、主に4つが挙げられている。一つ目は、食料と競合しない第2世代バイオエタノール燃料の製造技術向上を図ること。二つ目は、こちらもエネルギー源として注目される水素製造時に副生成物として発生する高濃度酸素や、バイオエタノール燃料製造時に発生するCO2の活用法について研究することだ。
三つ目は、バイオエタノール燃料を自動車に使用した際の課題を明らかにした上での、解決方法についての研究。また、原料栽培の生産量から製造される燃料量までを予測可能とするモデル式も検討していくとのこと。
四つ目には、バイオエタノール燃料の原料確保のため、収穫量の最大化と作物の成分の最適化を目指し、栽培方法を提案するシステム開発が挙げられている。当該研究では、土壌の成分調査などを通じて収穫後の予測精度の向上を目指すとしている。
会社の枠を超えて研究する「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」は、カーボンニュートラルな未来の礎となってくれそうだ。