信号機に黄色い矢印!? あなたは意味が分かる? 路面電車との交通ルールを解説
8月26日、栃木県の宇都宮市と芳賀町を走るライトレール(LRT:次世代型路面電車)が開業する。ライトレールは路面電車なので、一部は道路上を走行する。これに伴い、クルマと路面電車で併用する信号が設置されるが、そこで登場するのが「黄色い矢印」だ。あなたは黄色い矢印の意味を知っているだろうか?
ライトレールがいよいよ運行開始!
栃木県の宇都宮市と芳賀町で、2023年8月26日から新しい公共交通機関であるライトレールが運行を開始する。ライトレール(LRT:次世代型路面電車)とは、道路上も走行する路面電車だが、従来の路面電車とは異なり、騒音や振動が少なく、快適な乗り心地とスムーズな乗り降りを実現した次世代型の路面電車のことである。
ライトレールは路面電車なので、道路上を走る際は、クルマやバス同様、信号表示に従って走る。ちなみに、こういった路面電車は、現在、北海道から鹿児島まで全国で18の事業者が運営しており、そういった地域ではクルマと路面電車が信号機を併用するのは日常の風景だ。しかし、路面電車のない地域で暮らすドライバーにとっては見慣れないもの。特に黄色の矢印は、いきなり出会うと戸惑うかもしれない。
黄色の矢印は路面電車用! クルマはいつも通りの運転を!
道路交通法施行令第2条によると、信号機における青色の矢印の意味は「車両は、黄色の灯火又は赤色の灯火の信号にかかわらず、矢印の方向に進行することができる」であり、対して黄色の矢印は「路面電車は、黄色の灯火又は赤色の灯火の信号にかかわらず、矢印の方向に進行することができる」とある。つまり、黄色の矢印は路面電車専用の信号表示と覚えてしまえば大丈夫だ。ちなみに、今回開通する芳賀・宇都宮LRTの場合は、ルート上にある信号機には「電車用」と表示があるので、より分かりやすくなっている。
ただし、ライトレールと並走する道路では、赤信号と青の矢印、黄色の矢印の組み合わせ次第などで、判断に迷うケースもあるかもしれない。実際に起こりやすい組み合わせについてあげたのが、次の画像である。
他には、ライトレールが走行する交差点では、クルマで右折または左折した際に、レール上を通過することがあるが、その際、レール上で停車したり、電車のレール上を走行するのは禁止だ。ただし、危機回避のためや、やむを得ない場合はレールを通行・通過できる。
また、クルマのドライバーとして注意したいのは、歩行者の存在だ。路面電車の停留場は道路内に位置するため、歩行者は常に歩道を横断して停留場に入る、あるいは停留場から出てくる。そのため、ドライバーは横断歩道の両端だけでなく、停留場にも横断する人がいないか確認することを怠らないよう、気を付けたい。
黄色い矢印をはじめとした路面電車との交通ルールは、運転免許取得時には必ず学ぶ内容だが、路面電車がない地域では忘れてしまっていることも多いと思う。ライトレールは都市の代替交通手段として期待されており、今後増えていく可能性もある。これを機会に路面電車との交通ルールを思い出しておきたい。
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