ドアパンチの被害者は泣き寝入り?やった&やられた際の対処法を含めて徹底解説
ドアパンチをしてしまった、またはされてしまったとき、どうすればいいのだろうか。日常的に起こり得るドアパンチのトラブル。被害者になって泣き寝入りしないためにも対処法を知っておこう。
ドアパンチは立派な交通事故!
当時、トヨタのヴィッツに買い替えたばかりだった筆者の知り合いは、スーパーの駐車場を利用したとき、左隣の軽自動車からドアパンチを食らった。加害者は高齢の男性。クルマの窓を開けるなり「ぶつけてねえからな!」「ぶつかってねえからな!」「なんもなってねえからな!」と声を上げて逃げ去った。そしてドアパンチを食らった箇所を確認してみると、そこにはエクボ(小さな凹み)ができていたという。
このような、駐車場に停車しているクルマとクルマの距離が近い状況で、ドアの開け閉めが想像以上に大きくなり、隣の車のドアにぶつかってしまうことを「ドアパンチ」という。
ドアを開けるときに力が入りすぎてしまった、ドアを開けた瞬間、風に煽られしまった、保護者が目を離した隙にこどもが助手席のドアを勢いよく開けてしまったなど、ドアパンチの発生する状況は故意であってもなくても起こり得るものだ。だが、ドアパンチの修理費の相場は5~10万円といわれている。逃げたりすると、当て逃げという犯罪にもなりかねない。
ドアパンチは立派な交通事故=物損事故であることも覚えておいてもらいたい。道路交通法(72条1項)では些細な交通事故でも警察に報告しなければならないと定めている。もし、加害者が警察に報告せず立ち去れば、それは当て逃げになり、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金を科せられることもある。
ドアパンチを食らった! どうすればいい⁉
駐車場でドアパンチを食らってしまった。ドアパンチされてすぐに気が付くこともあれば、数日後に気が付くこともあるだろうが、気が付いた時点で警察に通報してほしい。保険会社から保険金を受け取るためにも、必ず、交通事故証明書をもらうようにしよう。
また、ドアパンチをされたとき、現場に加害者がいる状況であれば、加害者の車両情報を控え、連絡先を交換する。このとき、トラブルを避けるためにも、加害者と直接、示談交渉するのは避けたい。その場では、車両情報を控えて連絡先を交換するだけにして、あとは保険会社の担当者に任せるのが賢明だ。
警察から交通事故証明書を受け取ったら保険会社に連絡しよう。車両保険で修理できるかもしれない。
冒頭のドアパンチ被害に遭った筆者の知り合いのケースは非常に悪質だが、ドアパンチの加害者に逃げられることは、決して珍しいことではない。加害者を特定できないと、修理費自己負担の泣き寝入りになることもあるが、保険金が請求できる可能性もあるので、警察へは通報するようにしたい。
ドアパンチをしてしまった……。当て逃げは論外!
もし自分がドアパンチをしてしまったら……。ドアパンチの加害者となり相手の車両に傷や凹みを付けてしまったら、車両の修理費と修理期間中の代車費用の損害賠償責任を負わなければならない。加害者になったとき、そのまま立ち去るのは当て逃げである。
ドアパンチをしてしまったとき、被害者が車内にいたり、近くにいたりしたときは、まずは謝罪して、名前、住所など連絡先を交換する。そのうえで警察に通報して物損事故として対応してもらおう。もし、被害者が車内にいない、もしくは、すぐに戻ってこないときは、被害者を待たず警察に通報してその後の対応を確認してほしい。
警察の実況見分後、保険会社に連絡をしよう。契約の内容によっては保険金を受け取れる可能性もある。
ドアパンチ対策をしておいて損はない!
ドアパンチの被害者になって泣き寝入りしないためにも、駐車場で車を停める際は、傾斜のない駐車マス、広い駐車マス、端の駐車マスを選ぶといいだろう。ドアパンチの被害に遭う確率を減らすことができる。また、傷だらけの車両にも要注意だ。なぜなら、ドアパンチすることも、されることも気にしない運転者かもしれないからだ。隣に駐車をするのは避けたほうがいいだろう。
さらに、ドアパンチ対策グッズを使用するのもおすすめだ。「ドアディフェンダー」など、ドアの側面にカバーやモールを取り付けることで、愛車をドアパンチの危険から守ることができる。
いつ起こり得るかわからないドアパンチ。日頃からのちょっとした工夫で、パンチを食らう確率を下げることはできる。