クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2023.05.28 公開日:2023.05.28

バイクの内燃機関を未来に残す! 大手二輪メーカー4社が水素エンジンを共同研究!

カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハの4社は、5月11日に水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合(HySE、ハイス)設立の認可を取得したことを発表。脱炭素への取り組みとしてさまざまなエネルギー研究が進められる中、国内の大手バイクメーカーが一丸となって世界に挑戦する。

文=くるくら編集部

記事の画像ギャラリーを見る

HySE(ハイス)設立の背景

HySE設立説明会に登壇した4名。左から、ヤマハ発動機 代表取締役社長 日髙祥博氏、カワサキモータース 代表取締役 社長執行役員 伊藤浩氏、スズキ 社長 鈴木俊宏氏、本田技研工業 執行職 二輪パワープロダクツ開発生産統括部長 塚本飛佳留氏。写真=ヤマハ発動機

 カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハの4社は、小型モビリティ向け※水素エンジンの基礎研究を目的とする組合「HySE(Hydrogen Small mobility & Engine technology)」の設立に向け、経済産業省の認可を得たことを発表した。HySEの設立は2023年6月を予定している。※二輪、軽四輪・小型船舶・建設機械・ドローンなど

 脱炭素社会の実現に向け、モビリティの分野ではさまざまな内燃機関の研究が求められている。中でも次世代エネルギーとして水素エンジンを搭載したモビリティの研究開発が加速している。水素は燃焼速度が速く、燃焼が不安定になりやすいため、バイクのように燃料搭載スペースが狭い小型モビリティへの応用は技術的な課題が多いとされている。

 そこで、HySEではこれまでガソリンエンジンの開発で各社が培った知見や技術をもとに、4社が連携して小型モビリティ用水素エンジンの設計指針の確立も含めた基礎研究に取り組むという。

 各社が担当する研究・開発については以下の通り。
・ホンダは水素エンジンのモデルベースを開発
・スズキは機能・性能・信頼性に関する要素研究
・ヤマハは実機研究に加え、水素充填系統および水素タンクの小型モビリティ向け要求検討。
・カワサキは実機研究に加え、燃料供給システムおよびタンクに付随する機器や、タンクからインジェクター間に配置する機器の検討。

国内メーカーが一丸となって世界に挑む!

 HySEには二輪メーカー4社に加え、特別組合員として、川崎重工とトヨタ自動車も参画する。川崎重工は、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)の主幹事としてHySEの運営を推進。トヨタは、四輪車用大型水素パワーユニットのノウハウをもって、HySEの研究成果の最大化を推進する。

 なお、HySEの理事長候補にはヤマハ発動機の執行役員である小松賢二氏が選ばれ、先人たちが創り上げてきた内燃機関を未来に残せるよう、使命感を持って活動に取り組む、と意気込みを語っている。

 国内大手二輪メーカー4社がこうして協調して世界に挑もうとする姿勢は頼もしい限りだ。それだけ難しい研究でもあるのだろう。私たちにとっても、ガソリン、電気以外の新しい選択肢の追加は大歓迎なので、素晴らしい成果が出ることを祈るばかりだ。

2022年秋のミラノショーでカワサキが発表した、水素エンジン搭載バイクのイメージ。ニンジャH2がベースで、2030年の前半に市場への投入を計画している。画像=カワサキ

イメージ映像では、パニアケース内に水素燃料タンクを搭載している。

カワサキのトップエンドモデルであるNinja H2のスーパーチャージドエンジンをベースに直噴化し、圧縮気体水素を燃料とする研究用エンジン。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(1月5日まで)
応募はこちら!(1月5日まで)