愛車を最高のガレージで眺めたい! ガレージハウスのコンテスト受賞作品はすごかった。
クルマ好きなら一度は憧れるのがガレージライフ。夢を実現したオーナーたちは、いったいどんな家で暮らしているのだろうか。カーライフ、デザイン、構造のプロが選んだ、究極のガレージハウスを紹介しよう!
理想のガレージとは?
クルマユーザーの中には、実用的な機能を超えてクルマを「愛でる」「眺める」「大切な相棒」という視点で捉える人が増えてきているという。そこでエヌ・シー・エヌは、ガレージハウスを建築とライフスタイルの双方の視点から審査するコンテスト「重量木骨の家 ガレージハウスコンテスト」を開催。1月20日にグランプリを含む受賞作品7棟を発表した。
選考は、全国のSE構法登録施工店から選ばれた優良工務店71社から「建築」と「ライフスタイル」をテーマに作品を募集。2022年8月1日から9月30日までに、応募があった42棟から行われた。SE構法は、体育館やスポーツ施設など、大規模な木造建築物の技術を住宅に応用するために開発された技術。柱や壁を減らした空間づくりが可能で、耐震構法を用いている。
審査員は、日本自動車ジャーナリスト協会理事の吉田由美さん、インテリアデザイナーの君塚賢さん、建築構造の第一人者で構造家の池田昌弘さんが務めた。ガレージだけではなく、住宅全体としての巧みさ、デザインの美しさ、ライフスタイルとの調和、愛車とのパートナーシップについてそれぞれの視点からガレージハウスを厳選したという。さっそく見ていこう。
ガレージハウスコンテスト・受賞作品7棟
「ビンテージカーが主役の家」/設計、施工:東産業
【評価】好きなものに囲まれて充実したカーライフを送っていることがイメージできる素敵なガレージハウス。内側の壁もユニークで、趣味の空間を完全に切り離したまさに「秘密基地」のようなところが素敵。
「S:house」/設計、施工:コージーライフ
【評価】ガレージの配置が生かされた、住む楽しさが想像できる住宅。基盤となるガレージの段差を生かし、リビングからライブラリー、その奥にある子供部屋まではステップフロアでつながっている。プライバシーを確保しつつ、豊かな空間を創出している。
「平日はリビング、休日はアウトドア。くつろぎ遊ぶガレージハウス」/設計、施工:ホープス
【評価】インナーガレージのある木造住宅を構造設計するときにお手本とすべき住宅。ガレージの入り口は、スパンが大きくなってしまうと問題も起こる。安全面では、地震などの天災や車が衝突する人災にも注意が必要。経済面では、スパンの大きさと耐震壁のバランスの悪さがコストアップにつながる。この作品は外観からは想像もつかないさりげない玄人の技で、それらの問題を見事に解決している。
「東豊中の家」/設計、施工:伊田工務店
【評価】下層階のガレージはコンクリート造で、上層階の木造居住部分は伝統工法のような仕上がりになっている。この選択は本質的にとても理にかなっており、かつとても美しい。どうしても賞を出したくなった作品。
「S様邸」/設計、施工:星野建築事務所
Instagramでは、2022年10月21日~11月20日の期間中に一般投票が行われた。ガレージハウスコンテスト全体では約7000件の投票があり、一番多く票を獲得した「S様邸」が「Instagramいいね!賞」を受賞した。
「A様邸」/設計、施工:星野建築事務所
【評価】前面の一枚壁は、絵画のように切り取られたガレージ空間とそこに置かれた車を引き立たせている。インナーガレージとは違う、外に開かれた魅せるガレージは魅力的。またこの壁は、プライバシーの守られた中庭やエントランスを作り、室内から望む美しい庭の背景にもなっている。用と美を兼ねたプランも秀逸。
家のどこからでも愛車を見たいという要望に応えた「ガレージハウス」/設計、施工:星野建築事務所
【評価】オーナーの要望である「開放的でかつプライバシーを守りながら愛車を鑑賞できること」という願いを叶えている。前後や横からだけではなく、ガレージの上の床と階段がガラス張りになっていることで、上からも愛車を見ることができる。また、クルマ側から見ても楽しめる高いデザイン性を評価した。
ガレージハウスコンテスト受賞作品は、どれもガレージとライフスタイルが調和した住宅ばかりだった。そしてどの住宅にも、クルマと向き合いたいというオーナーの想いが感じられた。あなたなら、どんなガレージで愛車を眺めたい?