旧車の重課税には、 7割以上のユーザーが負担を感じていた!
新車から13年経つと高くなる自動車税。その制度を旧車に乗る人はどう感じているのだろうか。買取サービスを運営するカレント自動車は、旧車に興味のある175人を対象に、旧車の税金に関するアンケートを実施した。そこからは、予想以上に多くのドライバーが重課税を負担に感じている実態が見えてきた。
旧車への重課税が負担になっている
秋に行われた政府税制調査会にて、自動車に対して新たに走行距離に応じた課税をする「走行距離税」の導入意見が上がったことは、まだ記憶に新しい。
自動車には、すでに多くの税金がかけられている。種類は次の通りだ。
・取得時:環境性能割、消費税
・保有時:自動車重量税、自動車税、軽自動車税
・使用時:揮発油税、地方揮発油税、軽油引取税、石油ガス税、消費税
このうち、自動車税と軽自動車税、それから自動車重量税は、毎年4月1日時点の自動車所有者に支払い義務が発生する。
アメリカやヨーロッパでは、旧車に対して優遇措置が取られているが、日本では古いクルマに乗り続ける場合、さらに税を重くした重課税の措置がとられている。初年度登録から13年経過した車(ディーゼル車は11年)に対し約15%の自動車税が上乗せされる。ここまでの税金を課す国は、世界的に見ても珍しいようだ。
その制度を、旧車に乗る人はどう感じているのだろうか。「旧車にかかる重課税に負担を感じているか」を尋ねたアンケートでは、次の結果になった。
7割以上の75.4%が、旧車にかかる重課税を「負担に感じる」と回答した。「負担に感じない」の11.4%を大きく上回った。
旧車の自動車税、実際にいくら支払っている?
旧車所有者の7割が高いと感じている自動車税だが、彼らは実際に年間いくらの自動車税を支払っているのだろうか。 「毎年支払う旧車の自動車税はいくらか」を尋ねた質問では、次のような結果になった。
実際に支払っている旧車の自動車税の金額で、最も多かったのは「4〜5万円」32.2%。2位は「4万円以内」22.4%、3位は「5〜6万円」18.4%だった。
高い税金を毎年支払い続けることは、痛い出費だ。なぜ旧車所有者は新車に買い替えないのだろうか?
この疑問に対して、同じアンケートから興味深い結果が出た。それは、1位の「4〜5万」の自動車税を支払っていると答えたほとんどの人が、クルマを1台のみ所有していると回答したのだ。
旧車を持っていると聞くと、ヴィンテージの高級車を趣味で複数台所有しているようすをイメージしてしまいがちだが、そうではないのかもしれない。
所有台数から見える旧車への想い
では実際のところ、旧車所有者は何台の旧車を持っているのだろうか。彼らに「何台の旧車を持っているか」を尋ねたアンケートでは次のような結果になった。
最も多かった回答は、「1台所有している」と答えた73.4%。次に多かったのは「2台所有している」13.7%、続けて「3台所有している」と答えた10.5%。「その他」と答えたのは2.4%だった。
アンケートでは、旧車を所有している人のほとんどが「1台の旧車を所有している」という結果に!
旧車所有者は、趣味のためにヴィンテージの高級車を複数台所有しているのでは? という当初のイメージを裏切り、複数台の旧車を所有している人ばかりではないことがわかった。そこから、自動車税を高いと感じながらも、1台のクルマを大切に乗っている現状が見えてきた。
長く乗ったクルマほど、愛着が湧いてくる。気に入って購入したクルマなら尚更だろう。税金に関するアンケートからは、新しいクルマを買い替える余裕がないという経済的な理由以外にも、「やっぱりこのクルマが好き」というドライバーのクルマに対する愛情が透けて見えた。
「旧車に興味のある175人を対象にした旧車の税金に関するアンケート」
・調査機関:カレント自動車
・調査対象:旧車に興味のある男女175名
・調査期間:2022年11月17日〜2022年11月28日
・調査方法:インターネット調査