アンケート調査で中古車価格の高騰が明白に。車とバイク、今は買い時?売り時?
オークファンは、ネットショッピング・オークション市場における車とバイクについて、2020年の10月から2年間の取引推移を調査。車両の供給不足に加えて歴史的円安の影響で、価格が高騰している実態が浮き彫りとなっている。新車の平均販売価格の推移と並べて、現状を俯瞰してみた。
莫大な商品売買データから見る中古市場情報
オークファングループはBtoB卸売市場・リバースロジスティクス(返品物流)市場の活性化を目指した事業を展開している。相場検索サイトのオークファンでは約700億件を超える商品売買データを生かし、中古・オークション市場の流通情報や、世の中のトレンドを発信している。その一環として、2020年の10月から2年間のネットショッピング・オークション市場における自動車・オートバイの取引推移を調査し、発表した。
【調査概要】
データ抽出期間:2020年10月~2022年10月
対象カテゴリー:①自動車、オートバイ>中古車・新車
②自動車、オートバイ>オートバイ>オートバイ車体
調査方法 :オークファンプロPlus(https://pro.aucfan.com)
車とバイクの取引推移
日本国内の取引において、車は2020年10月から2022年10月までの間で平均落札額が約12万円も高騰する結果となっている。また、取引数は21%減少していることから、需要に対して供給が追い付いていないことが考えられる。
バイクは車と異なり、取引数は右肩下がりにはならなかった。それでも価格は約6万円ほど高騰し、2020年と比較すると約26%増となっている。2021年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、人との接触を避けつつ、旅やキャンプも可能なバイクは非常に多くの人気を集め、一気に市場が活発化したようだ。
そして、これらの価格高騰は円安の影響も大きい。海外のネットショッピング・オークションユーザーが日本の車とバイクを割安で購入できることから、全体的な価格を押し上げたことも要因のひとつとオークファンは考えているようだ。
参考までに、2020年の10月は、「Go Toトラベル」の対象に東京都発着の旅行が追加されたころで、新型コロナワクチンが開発された際に、全国民が無料で接種できる方針を厚生労働省が示した時期だ。また、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が10月16日に公開され、公開から3日間で約342万人を動員し、興行収入が約46億円に達したことで話題となっていた。
2021年の10月は、政府が19都道府県に対して発出していた緊急事態宣言と、8県のまん延防止等重点措置を全面解除している。また、臨時国会で自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に指名され、岸田内閣を発足している。
新車の平均販売価格の推移
次に、小売物価統計調査で軽自動車の1年間の平均価格を確認してみると、2020年では約153万、2021年では約158万円で約5万円の高騰、普通乗用車では2020年が約306万円、2021年が330万円で約24万円の高騰となっている。条件が異なるため、今回のアンケート調査結果での中古車取引推移と比較はできないが、平均落札額が49万円の中古車市場は2年間で12万円の約25%増の高騰と考えると、中古車市場のニーズがどれほど高まっているのか感じ取れるのではないだろうか。
いつ売るか、いつ買うか
新車の供給が不足している原因は、コロナ感染の拡大と、世界的な半導体部品不足によるものだが、この供給不足の状態がいつまで続くのかはわからない。すっかり感覚が麻痺しているが、新車が手に入らないために、中古車両が新車の販売価格を上回る車種も散見されるのが現状である。もっともこれは自動車やバイクに限った話ではない。売り手としては、高値がいつまで更新されるか分からない以上、売り時を判断しづらいのが悩ましいところだ。
ひとつの目安として、トヨタ、ホンダ、スバルなどでは生産遅延に基づく工場出荷時期目処について発表をしており、工場出荷予定が遅れる車種は市場でも希少性が高まり、値上がりが予想されるので、欲しい、あるいは所有している車種が該当する場合は参考にしたい。
◆トヨタの工場出荷時期目処
◆ホンダ(四輪)の10-11月工場出荷時期目処
◆スバルの工場出荷時期目処
また、少しずつだが日本でもEVオーナー優遇キャンペーンの動きが活発化しつつあり、予想だにしない速度でEV車の普及が進む可能性もある。そうなれば、市場価値も大きく変動することだろう。物価高を誰もが実感している今日、大きな買い物の代表格とも言える車やバイクの売買は、感度を高めて検討したいところだ。