通信障害でスマホがつながらないときに車がトラブル! どうする?
2022年7月2日に発生した通信障害では、auなどの携帯電話や、クルマのコネクテッドサービスの一部が利用できなくなった。万が一、通信障害発生時に車にトラブルが発生したら、どうすれば救援を要請できるだろうか?
スマホやコネクテッドカーのサービスなどが利用できなくなる
2022年7月2日未明に発生したKDDIの通信障害は復旧までに62時間以上かかったという。この通信障害によって、auの携帯電話がつながりにくくなり、スマホやタブレットなどの端末が利用できなくなった。また、携帯回線を利用したトヨタ、スズキ、マツダなどのコネクテッドカーでも、一部サービスが利用できない状態になった。このような通信障害は今回だけではなく、2021年10月には復旧まで29時間以上かかかったNTTドコモの事例もある。
それでは、万が一、通信障害が発生した時にクルマのトラブルが発生し、救援を要請しなくてはならなくなったら、どうすればよいのだろうか?
高速道路なら非常電話を
高速道路や自動車専用道路には、非常電話が約1km間隔(首都高速では約500m)、トンネル内では約200m間隔(首都高速では約100m)で設置されている。故障等の非常時には、この電話が使える。
非常電話は受話器をとったらすぐに管制センターにつながり、どの非常電話からかけているかも通知される。また音声通話が使えない状況も想定し、「故障」「事故」「救急」「火災」のボタンでおおまかな状況を管制室に伝えることもできる。まさに非常時に備えた機能を持った電話だ。
ちなみに、車を非常電話のすぐ近くに停められなかった場合は歩いて移動することになるが、その際はガードレールの外側を歩くこと。ガードレール内側の路側帯を歩くことは非常に危険だ。
公衆電話の使い方は知ってますか?
一般道で救援を要請するには、公衆電話などの固定電話を利用することになるだろう。かつてはどこにでもあった公衆電話だが、携帯電話の普及でその数はかなり減ってしまった。最近の若い世代になると、公衆電話の使い方が分からない人も少なくないという。念のため説明しておくと、公衆電話から電話するには、10円もしくは100円の硬貨かテレホンカードが必要だ(警察、海上保安庁、消防・救急を除く)。今となってはテレホンカードを持ち歩いている人も少ないと思うので、利用の際には硬貨を忘れないように。
電話番号が0120から始まるフリーダイヤルならかけられるかというと、こちらも硬貨やテレフォンカードを入れないと利用できないので念のため(フリーダイヤルはかけ終えた後に硬貨が戻り、テレフォンカードはそのまま戻ってくる)。
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住所をスマホ無しで調べる方法
公衆電話ボックス、自販機で住所がわかる
公衆電話からクルマの救援依頼をする際に、住所はどうやって調べればいいのだろうか。普段ならスマートホンの地図アプリですぐに分かるが、通信障害があると地図アプリも利用できない、そこで探してほしいのが、公衆電話ボックス内の住所表示だ。必ずとはいえないが、多くの公衆電話ボックスには住所表示があるはずだ。
ほかには車載のカーナビで現在位置の表示を確認してみる。番地などの詳細まで分からなくても、周囲のランドマークとなる建物や交差点の名前などを調べ、「◯◯町の〇〇公園の南側」などと伝えれば概ねの位置は伝えられるだろう。
さらに、そのカーナビも使えなかった場合は飲料の自動販売機が助けになるかもしれない。じつは全国消防長会から自販機業界に依頼があり、2005年から一部で住所を表示しているものがある。すべてではないが、探してみる価値はある。
スマホ、ネットの代わりになるものはある?
このように都市部ではなんとかなるものの、人口の少ない地域で公衆電話や自動販売機を見つけることは至難だろう。もし近隣に民家なども見当たらない場合、救援要請が困難となる。今回のスマホを使わない連絡手段をいろいろと調べてみたが、代わりになるものが非常に少ないことを実感した。
山間地域などをドライブする際は、基本に立ち返って車の日常点検もしっかり行っておこう。