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最終更新日:2021.11.02 公開日:2021.11.02

「SUPER FORMULA NEXT 50」始動。デロイト トーマツ参画&エンターテインメントの充実

2021年10月25日に日本レースプロモーションは、全日本スーパーフォーミュラ選手権の今後50年に向けたプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT 50」の始動を発表した。そのプロジェクトには、次世代フォーミュラカーの開発や、デロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザー合同会社と協力してエンターテインメント性を充実させるためのデジタルシフトなどが盛り込まれている。

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ドライバーズファースト&ファンに新しいモータースポーツ体験を

左から発表会に出席した、トヨタの佐藤恒治、日本レースプロモーションの中島悟、ドライバーの山本尚貴と小林可夢偉、日本レースプロモーションの上野禎久、ホンダの渡辺康治 写真=小林祐史

 2021年1025日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(スーパーフォーミュラ)を開催する日本レースプロモーション(JRP)は、今後の50年に向けたプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT 50」(SF NEXT 50)の始動を発表した。

 日本のフォーミュラカーレースの最高峰であるスーパーフォーミュラの歴史は、1973年の全日本F2000選手権が始発点である。つまり来年、2022年は創設から50年目という節目のシーズンを迎えることになる。それに伴いJRPは、脱炭素社会などの現状の社会環境に真摯に向き合いながら、今後の50年へ向けてサステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的としたプロジェクトであるSF NEXT 50を始動させる。

モビリティとエンターテインメントの実験場

2022年からテストが始まる次世代のスーパーフォーミュラカーのイメージイラスト 写真=小林祐史

 SF NEXT 50は、「ドライバーファースト」「モビリティとエンターテインメントの実験場」「デジタルシフト」という3つのテーマを軸に展開されていく。

 「モビリティの実験場」とは、エンジンサプライヤーであるトヨタとホンダが協力して、エンジン(パワートレイン)、シャシー、タイヤ、素材、燃料等のあらゆる面で、カーボンニュートラルの実験場とすることだという。例えば、燃料はe-FuelやバイオFuel、シャシー素材はバイオコンポジットと呼ばれる植物由来の天然素材などを実験することになる。また、それらを実験するための次世代のスーパーフォーミュラカーのテストを2022年から開始。そのテストも、2022年シーズンのスーパーフォーミュラ各戦が開催されるサーキットで、レースウィーク前の木、金曜日に行われる。木、金曜日に行うことで現在のスーパーフォーミュラカーとの性能差を比較しやすくなる。

 さらにJRPは、テストでのプロセスなどの情報も開示していくそうだ。この情報開示に対する関係者やファンの反応を見ながら、次世代マシンの姿を定めていきたいとしている。

ファンに新しいモータースポーツ体験を

ファンへのエンターテインメント面でデジタルシフトを進める 写真=小林祐史

 「エンターテインメントの実験場」に関しては、「デジタルシフト」とリンクしており、ファンへの情報発信やデジタルコンテンツの充実を図ることになる。これに関してはプロジェクトのストラテジーパートナーであるデロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザー合同会社と共同で進められていく。

 具体的には、レースのライブ中継で、全ドライバーの車載カメラ映像の配信、各マシンの車速や位置情報、オーバーテイクシステムの残量などの情報開示、ドライバーとチーム間で交わされる無線音声などを配信する。レース当日以外にも映像コンテンツを配信して、ファンへスーパーフォーミュラを楽しめるデジタルプラットフォームを構築する。このデジタルプラットフォームの詳細は、20221月ころに発表される予定だ。

 これらテーマによるSF NEXT 50を通じてJRPは、2022年以降のサステナブルなモータースポーツ業界づくりに貢献するとともに、世界中のモータースポーツファンへ自信をもってスーパーフォーミュラの魅力を発信できるように努めていくそうだ。

左から会見の第二部で登場したドライバーの山本尚貴と小林可夢偉 写真=小林祐史

 余談だが会見では「ドライバーとチーム間の無線音声やマシンデータが開示されると、ライバルに手の内がバレて困るのでは?」という質問が小林可夢偉と山本尚貴に向けられた。しかし両者ともウェルカムという答えだった。

 それらが開示されることによって手の内が明らかになっても、ライバルがすぐには同じことができるとは限らないし、ファンにドライバーの能力やチームの戦略の凄さが伝わりやすくなりレース展開により興味を持ってもらえるはずだから、と述べていた。深読みすると、自分のドライビング・マシンセッティング能力は、無線を聞いたくらいでコピーできるほどたやすくないゼ、というトップドライバーの矜持を漂わせるコメントだ。

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