ミニ四駆 超速グランプリにゲーム初心者が挑戦したら、幼少期の情熱がよみがえった。
スマートフォンのゲームアプリ『ミニ四駆 超速グランプリ』にゲーム初心者の編集部員が挑戦! 組み立て、肉抜き、パーツ選びなど、自分だけのマシンセッティングを完成させてレースに勝つことはできるのか? 友人たちと一緒にミニ四駆を走らせた幼少期の情熱が今、よみがえる。
「来月の特集はeスポーツに決まりました」
9月某日、くるくら編集部にて開かれた企画会議で、10月はeスポーツを特集することが決まった。最新の本格レースシミュレーター、スマホのレースゲーム、レトロゲームなど、かつてはゲーマーでもあった他の編集部員たちが企画をスイスイと通していくなか、目の前に出された課題に思い悩む男がいた。そう、私のことである。
私は、ゲームをほとんどせずに人生を過ごしてきたという珍しいタイプの人間。「これはヤバイ」と頭を抱えていると、見かねた同僚が「ミニ四駆 超速グランプリっていうゲームアプリがあるよ」と教えてくれた。「それは良い!」とすぐにその案に飛びついたのだった。
何を隠そう、私は、幼少期にミニ四駆を走らせた『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』世代である。当時のことを思い浮かべると、最速マシンへの憧れがよみがえってくる。パーツを組み換え、コースを走らせる、あの高揚した気持ちがスマホの中で楽しめるなら取り組まない手はない。早速、スマホに『ミニ四駆 超速グランプリ』をインストールした。はたしてゲーム初心者の私は、オリジナルのマシンセッティングを完成させてレースに勝つことはできるのだろうか?
ミニ四駆 超速グランプリとは
ミニ四駆 超速グランプリとは、タミヤが発売している四輪駆動の小型自動車模型「ミニ四駆(※)」をカスタムしながら、レースに参加するというミニ四駆ライフシミュレーションゲーム。
タミヤと小学館のコロコロアニキ編集部によって監修されており、『ダッシュ!四駆郎』、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』といったコロコロコミックで過去に連載され、アニメ化もされた大人気ミニ四駆コミックのレーサーたちと対決できるゲームだ。
ゲーム内で選択できるミニ四駆のシャーシやボディ、モーターなどパーツの描写は、実物をスキャンして作られた3Dモデルを採用。パーツの細かな部分までリアルに表現されている。さらに走行音やパーツの装着音なども実際の音が収録されており、ゲーム開発スタッフのこだわりを感じるリアルなミニ四駆ライフの世界観が描かれている。
まずはチュートリアルから
普段全くゲームをしない私は、不安に思いながらミニ四駆 超速グランプリを始めた。すると「シャーシちゃん」というミニ四駆のシャーシをモデルにしたオリジナルキャラクターが現れた。彼女はゲームのチュートリアルを担当してくれるキャラクター。ゲームの使用方法を丁寧に案内してくれるので、初心者の私でもスムーズにゲームを進められた。
シャーシちゃんはゲームの説明だけでなく、時折、「キミは世界一のミニ四レーサーになる素質を十分にもっている」などとほめてくれるので、なんだか嬉しい気持ちになってしまう。
チュートリアルの途中で、「ダッシュ1号・皇帝(エンペラー)」、「アバンテJr.」、「マグナムセイバー」の3台のミニ四駆から自分の使うマシンを選ぶ場面になった。私は迷わず、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の主人公「星馬豪」の1台目のマシン「マグナムセイバー」を選んだ。幼少期に、このミニ四駆を持っていたからだ。
パーツの付け替えでセッティング
ベースのマシンが決まったらボディ、シャーシ、タイヤ、ホイール、モーターなど、さまざまなパーツを付け替えてセッティングしていく。パーツには、スピード重視、コーナリング重視、パワー重視など、それぞれの特性があるので攻略するコースに合った組み合わせを考えながら付け替えていく。
これは実在するミニ四駆でも同じである。私も幼少期は、おこづかいを持っておもちゃ屋に行き、さまざまなパーツを買って付け替えたものだった。そんな経験を思い出すだけでも、懐かしさから思わず涙がにじんでくる。
ちなみにゲームを始めた直後は、1つもパーツを持っていない。しかし、チュートリアル中にパーツが抽選できる「ガシャ」が10連続で引けるという初心者に優しいシステムがあったので、そのガシャで当たったパーツを使ってセッティングしてみた。
その後、マシンの軽量化のための肉抜き、メッシュシート貼り、モーターの改造などを一通り済ませ、現時点でできる限り万全なマシンを仕上げた。ひとまずこのマシンでレースに参加してみよう。マシンの名前は「くるくらマグナム」と名付けた。
ミニ四駆 超速グランプリのレースの走り方
レースの参加方法は2通りあり、ミニ四駆コミックのキャラクターなどのライバルたちと戦う「ミニ四ワールド」と、全国のプレイヤーとオンラインで戦う「超速グランプリ」から選ぶことができる。私はひとまずミニ四ワールドにて、コミックのキャラクターたちと戦うことにした。
レースを開始すると、まずミニ四駆の下面がアップになって表示される。そこにあるモーターのスイッチを入れるとレースが始まるのだ。一見必要なさそうな動作だが、これがとても懐かしく、スイッチを入れると聞こえてくるモーターの駆動音で興奮して胸が高鳴った。ゲーム開発スタッフのこだわりを感じる部分である。
レースのスタートは、画面下のボタンを長押しして、スタートシグナルが青に変わるタイミングを見計らって指を離す。シンプルな操作だが緊張の一瞬である。レース中に操作をする必要はなく、ミニ四駆を追尾する目線のカメラ、コース全体を見渡せるカメラから、目線を切り替えながらリアルなレースを見守るように楽しめる。
最初に戦ったキャラクターは『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の「星馬豪」。私がベースにしているマシンの持ち主のキャラクターだ。幼少期に憧れていたキャラクターと戦う時が来たのだ。それだけでも嬉しさと懐かしさで、身体中の細胞がわき立つような昂ぶりを覚えた。
スタートシグナルが青に変わり、レースがスタート。若干、指を離すタイミングが遅かったため、くるくらマグナムは遅れをとった。しかし、コーナー重視でセッティングしたパーツが功を奏したのか、そこから巻き返して勝利することができたのだった。
その後も、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の「星馬烈」。『ダッシュ!四駆郎』の「南進駆郎」と対決。全てのレースで勝利を収め、最初のステージ「MAP1」をクリアしたのであった。しかし、これは序盤中の序盤。これから良いパーツを集めて改造し、さらにレベルの高いレースへと挑まなければいけない。しかし、業務中にプレイするには時間が足りなかった、原稿も書かねばならない。仕方がない、ここから先はプライベートで楽しもうと心に決めたのであった。
ミニ四駆 超速グランプリのAR撮影
ところでミニ四駆 超速グランプリには、マシンをARで表示して写真を撮影する機能もある。パーツを付け替えてカスタムしたオリジナルマシンが、現実の世界に実在するかのように撮影するという楽しみ方ができるのだ。
実際にカスタムしたマシンがパソコンの上にあるように撮影してみると、本当にそこに置いてあるように見えるほどクオリティの高い写真が撮れた。ちなみにSNSなどでは、ARのマシンに自分が乗っているかのように撮影する人、駐車場に停めた実車の横に並べて撮影する人などがいて話題を呼んでいる。この機能だけでもかなり楽しめそうだ。
近頃、ミニ四駆 超速グランプリを通して、ミニ四駆の楽しさを再認識し、実物のミニ四駆作りに復帰する人が大勢いるのだとか。今回プレイしてみた結果、私にもその気持ちがよく分かったのであった。この秋、「ミニ四駆 超速グランプリ」でパーツの付け替えや改造など、本物さながらのミニ四駆ライフが楽しめそうだ。
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※ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。