クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2020.08.20 公開日:2020.08.20

「小学生自動車相談室」に寄せられた奥深い質問とは?小学生はクルマに興味津々!

三菱自動車の「小学生自動車相談室」は、28年の歴史を誇る。そこで、過去に寄せられた質問内容について取材をすると、エネルギー問題に切り込んだ社会派、クルマ開発のノウハウに突っ込んだ技術系などがあり、小学生たちがクルマの奥深い部分に興味津々なことがわかった。

記事の画像ギャラリーを見る

小学生らしい視点のユニークさ。そして近年は環境問題へも興味津々

小学生たちは自動車の開発・製造に興味津々。写真:三菱

 三菱自動車(以下三菱)は、「2020年 小学生自動車相談室」を720日から開設した。自動車産業に関する質問を小学生から受け付けるもので、受付期間は1210日まで。この相談室の歴史は長く、1993年から三菱が取り組んでいるもので、今年で28年目を迎える。

三菱自動車は「2020年 小学生自動車相談室」を開設(写真は昨年以前のものです)。提供:三菱

 28年もの間、小学生たちは自動車メーカーにどんな疑問をぶつけてきたのだろうか。三菱自動車広報部に取材してみた。まず「面白い質問」について聞くと、「電気自動車はアクセルを踏むとなぜ動くのですか?」「エアバッグは1度開いた後、再び元に戻すことはできますか?」を挙げてくれた。

 電気と聞いて、電池とモーターで走るおもちゃのクルマがスイッチのオンオフで動くのに対し、本物はアクセルを踏むと滑らかに発進するのは「なぜ」と思ったのだろうか。それとも走るおもちゃの内部を見た後に、クルマのカタログ写真にある内部構造イラストを見て「なんで、こんなにいっぱい部品があるの?」という疑問が湧くのかもしれない。

 一方、エアバッグは、ハンドル内部などに収納されているため実物を見る機会は少ない。小学生は使用後にしぼんでいる写真などを見て、風船のようにまた膨らませられる?と思ったりもするのだろう。いずれも小学生ならではのユニークな視点や発想力を感じさせるものだ。

三菱アウトランダーPHEVの内部構造を示したイメージイラスト。小学生の目にはどのように映るのだろうか?写真:三菱

 また近年の傾向としては「クルマはどのくらいリサイクルできますか?」「未来の環境のためのどのような工夫をしていますか?」「電気自動車など環境にやさしいクルマは年間どのくらい生産されていますか?」などの環境に関する質問が増えているそうだ。

 車のリサイクルできる部品とできない部品を正確に峻別できるのは、自動車メーカーや部品サプライヤーなどだろう。また環境にやさしいクルマの生産数の回答者も同様だろう。的確な回答者へ疑問をぶつけているなと感心した。

 このような環境問題に関する質問は、2018年の相談室では全体の11%だったが、2019年度に21%へと割合が伸びたそうだ。その要因は特定できていないそうだが、環境問題に関する質問は年々増える傾向にあるとのこと。小学生たちも環境問題を自分たちの将来に関わる身近なものと感じ始めているのだろうか。

時間をかけて関係部署と連携して対応した奥深い質問とは

 さまざまな質問の中には、長年の知見を蓄積した相談室であってもすぐに回答できず、時間をかけて関連部署と連携して対応した質問もあったそうだ。例えば「なぜ水素自動車は環境に良いのに水素ステーションが増えないのですか? 水素自動車は便利なのになぜ値段が高いのですか?」という質問。これを回答するには、石油と水素の採掘・生産コスト、流通コスト、スタンド建設などの設備投資と順を追って比較する必要があるので、すぐに回答することは難しい。

 ほかにも「風洞テストの時の風の力はどのくらいですか? 風洞テストの時に車は動きますか?」といったクルマ開発の専門知識に切り込んだ質問も。運転免許を取得している人でも「風洞テスト」という言葉を耳にすることはそう多くないはず。風洞テストとは、室内に大型送風機などで空気の流れ(風)を作り出し、そこへクルマの縮小模型や、実物のクルマを置いて、車体表面を流れる空気の様子を確認することだ。この風洞テストに加え、走行テスト、コンピューター解析などの結果を踏まえて、クルマの空力性能は開発されていく。

 ちなみにクルマが時速40kmで走行すると、風の力はおよそ10㎏の力になるそうだ。これが時速100kmになると50㎏、時速200kmなら200kgとどんどん大きくなっていく。このように高速走行となれば、風の力は影響力を増していくことになる。その風の力を、クルマの形状を工夫して、いかに受け流すかがクルマの空力性能になる。

 さらに「クルマは動きますか」という質問は、この風の力を知っていないと思い浮かばないものでは……。風洞テストでは、風の力でクルマが動かないように固定しているそうだ。小学生はどのような体験や想像から「風の力とクルマ」という専門知識に疑問を抱いたのだろうか。

三菱デリカの空力性能を表したイラスト。これを見て風洞テストに興味がわいた? 写真:三菱

 今回、小学生自動車相談室に寄せられた質問を取材してみると、クルマは今も小学生の興味をそそる存在であることを再確認した。クルマはエンジン、ミッション、サスペンションなどのようにさまざまな装置と部品の集合体であり、それぞれの役割や形に理由がある。それに対して「なぜ?」という疑問を抱く小学生たちの視点は素直であり、鋭くもある。それに答え続けてくれるような場所は、今後も長く続いてほしいと思う。


2020年 小学生自動車相談室の窓口

(1)電話でのお問い合わせ
フリーダイヤル:0120-175-250
受付期間:720()から1210()
平日9時~12 / 13時~17時(新型コロナウイルス対策で受付時間が変更になる場合があります)
※電話で問い合わせた場合には、質問と回答を記載した「学習ノート」が質問者へ送付されます。

(2)手紙やはがきでのお問い合わせ
108-8410 東京都港区芝浦3丁目121
三菱自動車「小学生自動車相談室」宛

(3)Webサイトでのお問い合わせ
こども向けWebサイトの「質問コーナーQ&A」に設置
URL:https://inquiry.mitsubishi-motors.co.jp/kids/RegisterInit.do

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(12月1日まで)
応募はこちら!(12月1日まで)