JR東に続き京王、小田急も混雑状況を公表。各社は座席指定列車の運転再開・増発
緊急事態宣言解除に伴い東武鉄道、東急電鉄、西武鉄道、京王電鉄、京成電鉄、小田急電鉄は、運休や一部運休などを行っていた座席指定列車や特急電車の再開・増発を始めている。また京王と小田急では、前週の通勤時間帯における主な駅の乗降者数などを公表する。この公表を時差通勤など際に活用してほしいと両社は告知している。
S-TRAIN、スカイライナーなどの座席指定列車・特急列車が通常運行再開や増発
首都圏の緊急事態宣言が解除されたことに伴い東武鉄道、東急電鉄、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄では、運休もしくは一部運休していた座席指定列車や特急列車の再開・増発を決定した。
今回再開される座席指定列車・特急列車の多くは全席指定となっている。またデッキなどの客室以外に立ったままで乗車することを禁じているものがほとんどだ。このため乗車率が100%を超えることがない。つまり座席指定は乗客数が少ないので輸送能力は低下するものの、通常列車より密集率が低下することになる。
鉄道各社の座席指定列車・特急列車の運行予定
東武:6月6日(土)より特急列車の通常運行を再開。
東急:6月6日(土)より土休日の「S-TRAIN」運行を再開。
西武:6月1日(月)より特急列車、S-TRAIN、拝島ライナーの運行を再開。
京成:6月1日(月)より青砥駅に停車するスカイライナーを上下線各6便から各14便に拡大。スカイライナーの一部運休は継続。
京王:6月1日(月)より平日朝間の京王八王子発新宿行き京王ライナーを2便、橋本発新宿行き京王ライナーを1便増発。夜間の京王八王子・橋本行き京王ライナーを1本ずつ運休。土日祝日の京王ライナーは引き続き運休。
小田急:6月6日(土)より土休日の特急列車の運行を再開。
時差通勤の目安となるリアルな「利用状況」を発表
鉄道各社が本来の運行に復帰しようとする一方、同時に感染の再拡大を防ぐ対策も必要だ。そのような背景から各鉄道会社では「withコロナ時代」に対応したサービスも始めている。たとえば、すでにJR東日本がウェブサイトとスマートフォン用アプリ「JR東日本アプリ」にて、首都圏の主な線区の車内混雑状況の情報提供を開始しているが、京王と小田急でも駅や電車内の混雑状況などの「利用状況」をウェブサイトもしくはアプリで公表することとなった。
京王はウェブサイトで新宿駅、渋谷駅の降車人数を公表
京王では、6:00から11:00までの時間帯について、京王線新宿駅と京王井の頭線渋谷駅の降車人数を同社のウェブサイトで公表する。6月1日時点では、5月26日(火)の降車人数を発表しており、6月3日(火)15時ころに新たな情報への更新が予定されている。
小田急はウェブサイトで前週データを公表。アプリではリアルタイム情報が確認可能
一方、小田急では同社ウェブサイトの「重要なお知らせ」にて当面の間、毎週火曜日に「主な駅のラッシュ時間帯ご利用状況」を公表する。公表される情報は、平均的な平日の利用状況となる木曜日の6:00~11:00、16:00~21:00の小田急線新宿駅、新百合ヶ丘駅、町田駅、本厚木駅、藤沢駅それぞれの改札入場・出場人数だ。
また公式スマートフォンアプリ「小田急アプリ」では、小田急線各駅(※一部駅を除く)における改札口付近の混雑状況を、グラフィック化した画像によるリアルタイム情報を配信する(配信画像では個人情報保護の観点から、人物はアイコンに置換して表示されている)。
加えて同アプリでは、5000形、4000形などの一部車両での車内混雑状況も配信。なお運転見合わせなどが発生している際には、一部機能が利用できなくなる場合がある。
2月下旬に政府が時差通勤を奨励した際には、利用者がリアルタイムあるいは直近の通勤時間帯における混雑率を知る術は多くなかった。今回紹介したようなサービスを今後、各鉄道会社が拡充させれば、利用者もwithコロナに対応した通勤スタイルを確立しやすくなるだろう。