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最終更新日:2020.11.16 公開日:2020.11.16

ペダル付き電動バイクが、自転車として公道走行可能に

ペダル付き電動バイク「glafitバイク GFR-01」に、自転車として公道を走行できる新機構が設定されることとなった。この新機構によって、ナンバープレートが覆われていれば、法令上も自転車(軽車両)としての扱いとなるという。この特例が認められたのは日本で初めてのこと。

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原付バイク扱いのペダル付き電動バイク

出典:glafit株式会社

 2017年にクラウドファンディングで1億円超えという驚異的な支援を集めた、折りたたみ電動バイク「glafit GFR-01」、通称glafitバイクが新たな展開を見せた。1028日、glafitバイクを製造しているglafit株式会社(以下、glafit)は、このglafitバイクが、法令でも自転車として公道走行が認められるようになったことを発表した。

 このglafitバイクは、いわゆる「モペット」と呼ばれるペダル付きバイクだ。かつて日本でも流行ったこのバイクは、「バタバタ」「ペケペケ」と呼ばれることもある。エンジンを切っても、自転車のようにペダルを漕いで走行することができるバイクだが、道交法上は原付バイク扱いのため自転車モードであっても、原付バイクの交通ルールを守り、免許やヘルメット着用が必要である。

 従来のモペットよりも小型で、折りたたみも可能な電動バイクglafitバイクも、これまでは原付バイク扱いであることに変わりはなかった。そのため、充電切れなどにより電動走行ができない場合でも、原付バイクとして走行しなければならなかった。しかし、新機構を搭載することで、特例として道路交通法上、普通自転車としての公道走行も可能になる。こうした区分をまたぐ登録が可能となった原付バイクは、同社によると日本初だという。

ナンバープレートを覆う新機構

 今回の特例は、20191017日に認定された内閣官房の新技術等実証制度(規制のサンドボックス制度)を用いて、同年11月から同社が行ってきた実証実験を経て実現したもの。実験には一般ユーザーも参加し、ニーズや意見の収集等も行ってきた。その結果、「glafitバイクを自転車専用道や自転車走行可の歩道の走行を認める規制緩和をすべき」という声が8割を超えたという。その理由として、「ペダル走行での速度は自転車程度のスピードであり、車道を走行すると運転者の身に危険が及ぶ」「他の交通主体とある程度速度をあわせないと危険」などが挙げられ、これが同社の新機構開発を後押しした。

出典:glafit株式会社

 その新機構は、まず、モーターが駆動しないことを電子的な制御のみではなく、電源をカットすることによって担保するというもの。そして、自転車として走行中であることを分かりやすくするために、ナンバープレートを覆うカバーを備える。カバーには、視認性を高めるために、交通標識デザインに沿ったピクトグラム(自転車マーク)がデザインされる予定で、一見して「自転車モード」であることが第三者にも判別できるようになる。このナンバープレートカバーの切り替えは、電源をオフにした状態で、停車中にのみ行える仕組みにもなっているが、これは、自転車走行を装った電動駆動による走行を防ぐためであるという。

 商品化は2021年夏を目途に、現在製品開発が進められている。また、現在販売しているGFRモデルに後付けできるよう、新機構単体の販売も視野に入れるとのことだ。販売前には、警察庁が改めて確認をした後、各都道府県警に通達を発出して運用が開始されるという。ただし、対象はglafitバイクのみで、ほかのモペットは対象外である。

 ヨーロッパを中心に世界中で普及している電動バイクだが、日本国内では安全面や、道路交通法などの交通法令が絡み、公道走行の普及には多くの課題があるのが現状だ。今回の「glafit GRF-01」の特例が、今後ほかのモペットタイプのバイクでも認可されることを期待したい。

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