N-VANなど、19夏の新型軽キャンパーをピックアップ!
7月20日・21日に開催された「東京キャンピングカーショー2019」。2日間合計で約2万3000名が来場した首都圏で開催される三大キャンピングカーショーのひとつだ。今年は東京ビッグサイトの青海展示棟で開催。リポートのその1では、軽キャンパーを題材とし、新車およびこれまで当サイトで紹介していないモデルを取り上げる。
定年退職後に夫婦ふたりによる旅行の足として、一時期はキャンピングカー市場を牽引するほどの大人気だった軽キャンパー。しかし、ここ1年ほどは高級志向でグランピングも含めたひとつ上のクラスのバンコンがまた注目されるようになってきており、軽キャンパーは落ち着きつつある。そのためか、各社従来モデルは出展しているものの、今回、あまりニューモデルはなかった。
また軽キャンパーのトピックとしては、2月のジャパンキャンピングカーショー2019でベース車としてブームの兆しを見せていたホンダ「N-VAN」。しかし今回はホワイトハウスが出展したのみ。「N-VAN」はキャンピングカーとして架装するには構造的に難しい車種で、大きく改造された本格的な軽キャンパーが各ビルダーから発売されるにはもう少し時間が必要なのだろう。
今回唯一の「N-VAN」ベース軽キャンパー「N-VAN COMPO POP CABIN」(ホワイトハウス)
今回、唯一「N-VAN」ベースの軽キャンパーである「N-VAN COMPO POP CABIN」(N-VANコンポポップキャビン)を展示したのが、愛知県のオートプラネット名古屋に本社を構えるホワイトハウス。同社はジャパンキャンピングカーショー2019の初日に「N-VAN COMPO」を初披露、会場で大人気となっていた。ただし、同日より予約受付を開始したとはいえ、「N-VAN COMPO」は参考出展に近い、プロトタイプ。細かい装備などもまだ発表されていなかったが、今回は「N-VAN COMPO POP CABIN」と名を改め、装備や価格もきっちりと明記されていた。
「N-VAN COMPO POP CABIN」は「N-VAN COMPO」と基本的には同一の装備。ポップアップルーフを装備し、同ルーフ内の就寝スペースは前後1800×左右1020mmを確保。ここを利用することで最大4名が就寝可能だ。ちなみに上画像の車体助手席側の側面上部に備え付けられている白いパーツは、サイドオーニング。そのまま天幕を引き出せるようになっている。
電気系が充実したパワーアップモデル「Colega α」(朝倉自動車商会)
熊本県のキャンピングカービルダー・朝倉自動車商会は、スズキ「エブリイ」をベースとした従来の「Colega」をパワーアップした「Colega α」(コレーガ・アルファ)を出展した。同車の特徴は、外見がいたってノーマルなこと。普段使いを念頭に置くユーザーが多いのが軽キャンパーであり、まさに理想的な1台といえるだろう。
その一方で、車内は大人2名が寝られる前後1820×左右950mmという就寝スペースが用意されており、キッチンシンクなども設置されている。マットの下に収納スペースが設けられているのは多くの軽キャンパーで見られるが、特徴は天井側にも収納スペースが用意されていること。3段階でスライドし、好みのサイズの収納スペースにできる仕組みが用意されており、車内空間を有効活用できるようになっているのだ。
バンクベッドにより大人2名+子ども2名で就寝可能「ラ・クーンII type D ベンチタイプ」(AZ-MAX)
埼玉県越谷市のキャンピングカービルダー・AZ-MAX(オートショップアズマ)。同社は展示場も擁しており、多数のキャンピングカーを実際に見ることが可能だ。「ラ・クーン」シリーズは、軽トラックをベースとしたキャンピングカーで、スズキ「キャリィ」およびOEM車のマツダ「スクラム」などをベースとする。そして、今回の”type D”はダイハツ「ハイゼット トラック」がベースであることを表している。そして、それらベース車のモデルチェンジに合わせて登場したのが「ラ・クーンII」である。
「ラ・クーン」シリーズは軽キャンパーの一種だが、同社では世界最小のキャブコンバージョン(軽キャブコン)と位置付ける。運転席上のひさし=バンクベッドがあることがキャブコンの条件のひとつとされ、同シリーズもそれを備える。バンクベッドという名称から想像がつくように、この内側にはベッドがあり、同シリーズの場合は子どもが最大2名までなら就寝可能。これにより、就寝定員は4名となっている。
「 ちょいCam『豊』」(ユーズネット)
軽キャンパーは低価格が魅力だが、ユーズネットの「ちょいCam」はその中でもリーズナブルなひとり旅・ふたり旅向けのシリーズ。車中泊を行える程度のシンプルな装備にすることで車両価格を抑えられている。
ちなみに「ちょいCam」シリーズは4種類あるが、今回展示されていたのは「豊」。収納を重視した設計となっている。そのほか、車内空間を広く取った「歩」(あゆみ)、2段ベッドを標準装備した「葵」(あおい)がある。また、以上の3モデルはバンベースだが、ワゴンベースにした「梓」(あずさ)もある。
迷彩柄がオシャレな「MEISAI(インディ108)」(東和モータース販売)
キャンプの本場ドイツのビルダーDethleffs社製大型モーターホームの輸入販売から、キャブコン、バンコンなどさまざまな自社製キャンピングカーの開発も行っている東和モータース販売。2月のジャパンキャンピングカーショー2019で披露されたばかりの同社の軽キャンパー「MEISAI(インディ108)」が、再び展示された。軽キャンパー「インディ108」の迷彩柄特別仕様車である。「インディ108」はバンクベッドを備えることから、同社では”軽キャブコン”という位置付けだ。
2月の時は青系の迷彩柄だったが、今回は赤系が展示された。「MEISAI(インディ108)」はボディカラー(キャンピングシェルの側面パネルなどのカラーリング)を4色から選べるのが特徴で、今回はベースの「ハイゼット トラック」のボディカラーのライトローズマイカメタリックに合わせられる赤系となっている。