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最終更新日:2019.07.29 公開日:2019.07.29

N-VANなど、19夏の新型軽キャンパーをピックアップ!

7月20日・21日に開催された「東京キャンピングカーショー2019」。2日間合計で約2万3000名が来場した首都圏で開催される三大キャンピングカーショーのひとつだ。今年は東京ビッグサイトの青海展示棟で開催。リポートのその1では、軽キャンパーを題材とし、新車およびこれまで当サイトで紹介していないモデルを取り上げる。

 定年退職後に夫婦ふたりによる旅行の足として、一時期はキャンピングカー市場を牽引するほどの大人気だった軽キャンパー。しかし、ここ1年ほどは高級志向でグランピングも含めたひとつ上のクラスのバンコンがまた注目されるようになってきており、軽キャンパーは落ち着きつつある。そのためか、各社従来モデルは出展しているものの、今回、あまりニューモデルはなかった。

 また軽キャンパーのトピックとしては、2月のジャパンキャンピングカーショー2019でベース車としてブームの兆しを見せていたホンダ「N-VAN」。しかし今回はホワイトハウスが出展したのみ。「N-VAN」はキャンピングカーとして架装するには構造的に難しい車種で、大きく改造された本格的な軽キャンパーが各ビルダーから発売されるにはもう少し時間が必要なのだろう。

今回唯一の「N-VAN」ベース軽キャンパー「N-VAN COMPO POP CABIN」(ホワイトハウス)

ホワイトハウス「N-VAN COMPO POP CABIN」。「N-VAN」の乗用モデル「+STYLE FUN」をベースとしている。車両本体価格は390万1000円(税別)で、オプションなどを加えた合計は454万4000円(税別)。乗車・就寝共に定員は4名。

 今回、唯一「N-VAN」ベースの軽キャンパーである「N-VAN COMPO POP CABIN」(N-VANコンポポップキャビン)を展示したのが、愛知県のオートプラネット名古屋に本社を構えるホワイトハウス。同社はジャパンキャンピングカーショー2019の初日に「N-VAN COMPO」を初披露、会場で大人気となっていた。ただし、同日より予約受付を開始したとはいえ、「N-VAN COMPO」は参考出展に近い、プロトタイプ。細かい装備などもまだ発表されていなかったが、今回は「N-VAN COMPO POP CABIN」と名を改め、装備や価格もきっちりと明記されていた。

 「N-VAN COMPO POP CABIN」は「N-VAN COMPO」と基本的には同一の装備。ポップアップルーフを装備し、同ルーフ内の就寝スペースは前後1800×左右1020mmを確保。ここを利用することで最大4名が就寝可能だ。ちなみに上画像の車体助手席側の側面上部に備え付けられている白いパーツは、サイドオーニング。そのまま天幕を引き出せるようになっている。

標準装備:ポップアップルーフ、家具、ベッド、全窓プライバシーカーテン
電気系標準装備:CTEK昇圧走行自動充電システム、サブバッテリー、DC室内ソケット、スマートレコ、室内照明、エアヒーター
展示車両のオプション装備:ボルトメーター、サイドオーニング、電子レンジ、冷蔵庫、開展シート(運転席)、スライド&リアゲートネット、外部電源&AC室内コンセント、サイクルキャリア

「N-VAN COMPO POP CABIN」の車内。通常は設定されていない、キッチンシステムと給排水タンク、シャワー、モニターなども装備されていた。

電気系が充実したパワーアップモデル「Colega α」(朝倉自動車商会)

朝倉自動車商会「Colega α」。展示車両は「エブリイ JOINターボ」がベース。車両本体価格が234万8000円(税別)で、オプションなどを加えた合計は258万2658円(税別)。乗車定員は4名、就寝定員は2名。

 熊本県のキャンピングカービルダー・朝倉自動車商会は、スズキ「エブリイ」をベースとした従来の「Colega」をパワーアップした「Colega α」(コレーガ・アルファ)を出展した。同車の特徴は、外見がいたってノーマルなこと。普段使いを念頭に置くユーザーが多いのが軽キャンパーであり、まさに理想的な1台といえるだろう。

 その一方で、車内は大人2名が寝られる前後1820×左右950mmという就寝スペースが用意されており、キッチンシンクなども設置されている。マットの下に収納スペースが設けられているのは多くの軽キャンパーで見られるが、特徴は天井側にも収納スペースが用意されていること。3段階でスライドし、好みのサイズの収納スペースにできる仕組みが用意されており、車内空間を有効活用できるようになっているのだ。

標準装備:ベッドマット(4枚)、シンク、給排水タンク(各5L)
電気系標準装備:インバーター(400W)、サブバッテリー(105Ah)、サブバッテリー電圧計、外部充電装置、外部電源、走行充電装置、エアコン、LED照明、液晶TV、100Vコンセント
展示車両のオプション装備:カーテンセット、フロアマット、サイドバイザー、フロントガーニッシュ、スライドドア用網戸、バックカメラ、カーナビ、ETC

朝倉自動車商会「Colega α」の車内。4枚のベッドマットが敷き詰められている。このベッドマットをどかすと収納スペースがあり、天井にも収納スペースが設けられている。

バンクベッドにより大人2名+子ども2名で就寝可能「ラ・クーンII type D ベンチタイプ」(AZ-MAX)

AZ-MAX「ラ・クーン II type D ベンチタイプ」。ベンチタイプとは室内レイアウトのことで、横長のベンチシート型ソファが用意されている。リアベッドタイプと2種類から選べる。画像のベース車両はダイハツ「ハイゼット トラック」で、車両本体価格が328万4000円(税別)、オプションなどを加えた合計は348万5000円(税別)。乗車・就寝共に定員は4名。

 埼玉県越谷市のキャンピングカービルダー・AZ-MAX(オートショップアズマ)。同社は展示場も擁しており、多数のキャンピングカーを実際に見ることが可能だ。「ラ・クーン」シリーズは、軽トラックをベースとしたキャンピングカーで、スズキ「キャリィ」およびOEM車のマツダ「スクラム」などをベースとする。そして、今回の”type D”はダイハツ「ハイゼット トラック」がベースであることを表している。そして、それらベース車のモデルチェンジに合わせて登場したのが「ラ・クーンII」である。

 「ラ・クーン」シリーズは軽キャンパーの一種だが、同社では世界最小のキャブコンバージョン(軽キャブコン)と位置付ける。運転席上のひさし=バンクベッドがあることがキャブコンの条件のひとつとされ、同シリーズもそれを備える。バンクベッドという名称から想像がつくように、この内側にはベッドがあり、同シリーズの場合は子どもが最大2名までなら就寝可能。これにより、就寝定員は4名となっている。

標準装備:シンク、調理器具(カセットコンロ)、給排水タンク(各10L)、アクリル窓(押出)
電気系標準装備:エアコン、サブバッテリー(105Ah)、外部電源
展示車両のオプション装備:ベンチレーター、アナログボルトメーター、FFヒーター、ポータブルトイレ、冷蔵庫、ワイドタイヤ一式、バックアイカメラ、10Aサブバッテリー充電器、延長ベッドマット

「ラ・クーン II type D ベンチタイプ」の車内。ベンチタイプは入口の正面にベンチ型の横長ソファが用意されている。

「 ちょいCam『豊』」(ユーズネット)

ユーズネット「ちょいCam」シリーズ「豊」(ゆたか)。ベース車両はスズキ「エブリイ」(画像)かダイハツ「ハイゼット カーゴ」。展示車両本体の価格は203万3500円(税別)で、オプションなどを加えた合計価格は284万9600円(税別)。乗車定員4名、就寝定員2名。

 軽キャンパーは低価格が魅力だが、ユーズネットの「ちょいCam」はその中でもリーズナブルなひとり旅・ふたり旅向けのシリーズ。車中泊を行える程度のシンプルな装備にすることで車両価格を抑えられている。

 ちなみに「ちょいCam」シリーズは4種類あるが、今回展示されていたのは「豊」。収納を重視した設計となっている。そのほか、車内空間を広く取った「歩」(あゆみ)、2段ベッドを標準装備した「葵」(あおい)がある。また、以上の3モデルはバンベースだが、ワゴンベースにした「梓」(あずさ)もある。

標準装備:常設ベッド(取り外し可能)、収納庫
電気系標準装備:特になし
展示車両のオプション装備:サブバッテリー(105Ah)、ソーラー充電システム(150W)、外部電源、フリップダウンモニター、カーナビ、ドライブレコーダー、ETC、バックカメラ、大型LEDライト、フロアマット、サイドバイザー、サイドオーニング

「豊」の車内。シンプルな内装が特徴。「ちょいCam」とは、気楽に出かけられる軽キャンパーといった意味を持つ。

迷彩柄がオシャレな「MEISAI(インディ108)」(東和モータース販売)

東和モータース販売「MEISAI(インディ108)」。展示車両はダイハツ「ハイゼット トラック」をベースとしており、展示車両本体の価格は298万円(税別)で、オプションなどを加えた合計は335万1800円(税別)。乗車・就寝共に定員は4名。

 キャンプの本場ドイツのビルダーDethleffs社製大型モーターホームの輸入販売から、キャブコン、バンコンなどさまざまな自社製キャンピングカーの開発も行っている東和モータース販売。2月のジャパンキャンピングカーショー2019で披露されたばかりの同社の軽キャンパー「MEISAI(インディ108)」が、再び展示された。軽キャンパー「インディ108」の迷彩柄特別仕様車である。「インディ108」はバンクベッドを備えることから、同社では”軽キャブコン”という位置付けだ。

 2月の時は青系の迷彩柄だったが、今回は赤系が展示された。「MEISAI(インディ108)」はボディカラー(キャンピングシェルの側面パネルなどのカラーリング)を4色から選べるのが特徴で、今回はベースの「ハイゼット トラック」のボディカラーのライトローズマイカメタリックに合わせられる赤系となっている。

標準装備:ポップアップルーフ、水道ポンプ付き小型シンク、給排水タンク(各13L)、カセットコンロ式調理器具、アクリル二重窓、遮光シェード、アルミパネル、強化リアスプリング
電気系標準装備:サブバッテリー(80Ah)、100V外部電源、走行充電システム、LED照明
展示車両のオプション装備:FFヒーター、外部充電(12A/25A)、インバーター(300W)、助手席エアバッグ+ABS、寒冷地仕様、バックカメラ、リアバゲッジドア

「MEISAI(インディ108)」の車内。賑やかな表の迷彩柄に対し、中は落ち着いた配色の家具などが配されている。

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