ドキュメント・オブ・日本レースクイーン大賞2019 新人部門グランプリ発表!
日本レースクイーン大賞2019『新人部門』とは、ファン投票によって新人レースクイーンのナンバー1を決定する総選挙イベント。今年度のスーパーGTに初登場した62人の新人レースクイーンの頂点に選ばれるのは誰なのか。本記事では新人グランプリ授賞式の様子を、最終候補者として選ばれた3人に迫ったドキュメンタリー形式でレポートしよう。
日本レースクイーン大賞2019『新人部門』グランプリの最終候補者。左から澤田実架、高橋菜生、橘香恋。この中から頂点となるグランプリに選ばれたのは?
ついに訪れたRQ大賞・新人部門グランプリ発表の日。
7月7日。霧雨が降り続く中、東京・秋葉原でレースクイーンとファンの親睦会である「ギャルパラ七夕祭り」が開催された。会場には熱心なファンが100人近く集まっている。梅雨の蒸し暑さも相まって、熱気に包まれる会場。しかし、熱さの理由はそれだけではない。このイベントが日本レースクイーン大賞の新人部門グランプリ発表会も兼ねているためだ。
日本レースクイーン大賞の新人部門は、インターネットで発表されたファイナリスト10人の中から、ファン投票でグランプリが決定する。ファンが投票できるのは1日1票。ファンになってもらい、毎日投票をしてもらうべく、ファイナリスト10人は日々、自分自身を精一杯アピールし続けてきた。そしてついにこの日、その結果がすべて明らかになるのだ。
RQ大賞・新人部門グランプリ、発表直前の3人の心境を追った
親睦会には、新人賞候補のファイナリスト10人以外にも多数の人気レースクイーンが七夕祭りらしく、ゆかた姿で参加している。サーキットでの雰囲気とはまた違う、とても和やかな雰囲気だ。だがこの日、誰もが気になるのが新人部門グランプリの行方だ。
親睦会の途中、ファイナリスト10人が壇上に上がり、グランプリ発表前今の心境をスピーチする場面があった。
この後、グランプリ候補として名前を呼ばれることになる澤田実架、高橋菜生、橘香恋の3人は、何をどんな表情で語ったのだろうか。
澤田 実架(さわだ みか) 発表直前スピーチ
自己紹介に続いてファンのコールが飛び出した。澤田の人気ぶりがうかがえる。ファンの歓声に照れ笑いを浮かべつつ、改めてマイクを両手でしっかりと握り返すと「泣いても笑っても、もう結果は決まっているので最後は笑顔でいきたいと思います」と心情を口にした。
前向きで潔いスピーチの内容とは裏腹に、こみ上げる感情を抑えつつ泣き出さないようにこらえていることがうかがえた。そんな初々しさも澤田の魅力なのかもしれない。プレッシャーに押しつぶされないよう、必死に言葉を選んで話していた。
高橋 菜生(たかはし なお) 結果発表直前スピーチ
マイクを受け取ると、満面の笑みを浮かべ「私ができることは全力で頑張れたかな」と語った高橋。まるで、もう結果発表が済んだかのようなあっさりとしたコメントを残した。
その上「これが終わっても、サーキットにはこれからも行くので応援よろしくお願いします」と、結果発表を目前にしながら、早くも肩の荷を下ろしたかのような言葉が飛び出した。
この日までやるべきことをやり尽くしたという自信からなのか、それとも諦めからなのか。どちらとも受け取れるような淡々とした印象のスピーチだった。
橘 香恋(たちばな かれん) 結果発表直前スピーチ
このステージに上がる前の橘は、他のレースクイーンたちが華やかなゆかた姿でファンと交流している中、その輪から離れ終始うつむいていた。周囲の仲間やファンも橘のことを心配そうに見守っていたのだが、ステージに立った橘の姿もまた周囲をヒヤヒヤさせるものだった。
「今、ここに立てているのも、私を応援してくれたみなさんのおかげです。これからもよろしくお願いします」
そんなシンプルなスピーチをするだけでも体をわなわなと震わせる橘。今にもしゃがみ込んで泣き出してしまいそうな姿を、隣にいた同じくファイナリストの津田 知美が心配そうにずっと見守っていた。
彼女たち3人を含むファイナリスト10人は、結果発表直前の心境を語り終えると一旦ステージから降りていった。
→ 次ページ:
グランプリ候補の3人が発表に! 再び登壇した彼女たちの表情は?
いよいよRQ大賞2019新人部門受賞者3人が決定!
いよいよ新人部門の結果発表である。レースクイーン大賞の新人部門は、最初にグランプリ候補となる上位3人が発表される。ここで名前を呼ばれたのが澤田・高橋・橘の3人。3人はグランプリ候補として改めて登壇した。
グランプリ候補として登壇した3人の中で、一番複雑な表情を浮かべていたのが澤田だ。上位3人に選ばれた瞬間、喜びで満面の笑みを見せたかと思うと、次の瞬間には戸惑いの表情に。なるべく笑顔を見せようと気丈に振る舞いつつ、内面では極度の緊張と必死に戦っている様子が、ありありと表情に現れていた。
先ほどのスピーチでは淡々とした印象だったものの「できることは全力で頑張れた」と言っていただけに、やり切った結果として名前が呼ばれたことに、達成感に満ちた笑顔を浮かべていた高橋。涙ぐみながらも、コツコツとここまで登り詰めたという実感を噛みしめているかのような表情で、じっと目の前を見据えていた。
結果発表直前スピーチでは、周囲を不安にさせるほど動揺していた橘だが、上位3名に選ばれたことで自分自身を取り戻したかのように喜びの笑みを浮かべた。「もし無冠で終わってしまったら」ー。橘を襲っていたプレッシャーが、ここで一気に跳ねのけられた。改めて壇上に立った橘はしっかり目を見開き、むしろこのプレッシャーを楽しんでいるかのような表情へと一転。思いもよらぬメンタリティの強さを発揮して、周囲を驚かせた。
3人がグランプリ候補として登壇した際、早めにステージに上がった澤田と高橋は、目を合わせるとそのまま抱き合って喜びを称え合った。このステージ上で互いはライバルだが、それ以上にここまでたどり着くことができた仲間であり、2人はその絆を確かめ合っているようにも見えた。
上位3名に選ばれた喜びを称えあう澤田 実架と高橋 菜生。
→ 次ページ:
いよいよ新人部門グランプリが発表に!
3人の中から新人部門グランプリがついに決定!
そして表彰式も佳境へ。上位3人の中からついにグランプリとなる1名が発表される。
グランプリ候補の3人は一旦舞台袖に下がり、先ほどまでのゆかた姿からレースクイーンのコスチュームに着替えて再登壇。3人がいつものコスチュームで登場すると、会場も空気が一変し一気に緊張感に包まれた。
3人がステージに横一列に並んだ瞬間、もはやコスチュームは戦闘服のようにすら見えてくる。そんなピリピリとした空気の中、いよいよ62人の新人の頂点となるグランプリが発表される瞬間が訪れた。
レースクイーンのコスチュームに着替えて再び登壇した3人(左から澤田 実架、高橋 菜生、橘 香恋)。
場内にドラムロールのサウンドが流れる中、顔を覆う澤田、手を合わせる高橋、そして唇を噛みしめる橘。表情は異なるが、3人の思いはたったひとつ。それぞれがグランプリとして自分の名前が呼ばれることをひたすら願っている。
3人にとってこのドラムロールの流れる時間はどれだけ長く感じたことだろう。会場中が、ただただ固唾を飲んで結果発表を見守る。
「グランプリは、高橋 菜生さんです!」
どよめきと拍手に包まれる会場。 近年、キャラクターに扮したコスチュームなどが台頭してくる中、久しぶりに正統派コスチュームでファイナリストとなった高橋 菜生が、新人レースクイーンの頂点に輝いた。
「信じられない」といった表情で顔を覆う高橋。残る2人もそれぞれの複雑な感情を胸に秘めつつも、高橋のグランプリ受賞に熱い拍手を送った。
RQ大賞2019新人部門・準グランプリ 澤田 実架 コメント
「グランプリ獲れなくてごめんなさい!」
澤田の口から最初に飛び出したのは、そんな悔しさに満ちた言葉だった。
「グランプリしか見えてなかったけど、グランプリしか見てなかったけど。結果は結果なので心から喜びたいと思います。これからも上を目指して頑張っていくので応援してください。お願いします!」
彼女のグランプリ受賞に対する思いが、いかに大きかったかが伝わってくる。
スピーチを終えると、大きな拍手と祝福の歓声が会場にこだました。澤田はそれに応えるように、凛とした表情を見せたかと思いきや、今にも泣き出しそうになった。彼女の中で感情が目まぐるしく変化していたのだろう。ここまで辿り着いた喜びと、グランプリに届かなかった悔しさが背中合わせとなり、澤田の表情にはその感情すべてが滲み出ていた。
受賞コメントの後、泣き崩れてしまった澤田を慰める高橋。
RQ大賞2019新人部門・準グランプリを受賞した澤田 実架。
RQ大賞2019新人部門・準グランプリ 橘 香恋 コメント
「準グランプリをいただきましたー。正直グランプリを目指していたのでくやしいですが、私のことを応援してくれるみなさん、そして地元の愛知県岡崎市が応援してくれたことが本当にうれしくて、自分に自信がつきました! 以上でーす」
結果発表前までは、プレッシャーに押しつぶされそうになっていたはずの橘だったが、マイペースなコメントで会場を笑わせた。驚くべきこのギャップに、彼女の精神的な強さが垣間見えるかのようだった。
あれほど周囲を心配させた、発表前までの不安そうな表情は見る影もなく、コスチュームに着替えた後は本領をフルに発揮。いつものペースに戻り、表彰式の壇上で常に満面の笑みを浮かべていた橘を見て、ホッと胸を撫でおろしたファンも多かったことだろう。
同じく、RQ大賞2019新人部門・準グランプリを受賞した橘 香恋。
RQ大賞2019新人部門・グランプリ 高橋 菜生 コメント
「グランプリ獲りたい獲りたいって、ずっと言ってたんですけど、本当に獲れるとは思ってなくて。まだ現実味が湧かなくて実感がないんですけど、ここまで支えて応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。まだまだ今年度、レースクイーンとしての活動が残っていますので、これからも応援よろしくお願いします」
62人の新人レースクイーンの頂点に立った高橋は、涙と笑顔で顔をクシャクシャにしながら喜びを語った。
結果発表前、高橋は「できることは全力で頑張れた」と淡々と語っていた。上位3人に選ばれた際には、積み重ねてきた努力の成果を噛みしめるかのような表情を見せた高橋。そんな彼女を待っていたのは、グランプリというゴールだった。
これまで決して貪欲な姿は見せてこなかっただけに、まるで夢の中にいるかのような表情でトロフィーを抱えていた高橋。だが、レンズを通して見た高橋の表情からは、勝者としての自信とプライドが感じられた。
日本レースクイーン大賞2019・新人部門でグランプリを獲得した高橋 菜生。
RQ大賞2019新人部門・表彰式を終えて
こうしてRQ大賞2019の新人部門・表彰式は幕を閉じた。会場ではファイナリストに選ばれた10人だけでなく、応援のために駆けつけたチームメンバーらも一緒になって勝利を称え合い、時には一緒に悔し涙を流す。
そんな中、印象に残ったのがファイナリスト同士がお互いを称え合う姿だった。お互いライバルであるはずのファイナリスト同士が手を取り合って喜んだり、抱き合って慰め合う姿があちこちで見られた。
過去の新人グランプリでは、チームメンバーが一斉に悔し泣きする場面もあった。しかし、今回は誰かが涙を流した時、それがライバルであっても別チームのメンバーであっても、同じステージで頑張っている仲間同士として支え合っていた。
日本レースクイーン大賞2019新人部門
●グランプリ/高橋 菜生
●準グランプリ(2名)/澤田 実架、橘 香恋
●クリッカー特別賞/水瀬 琴音
●実行委員会特別賞/有栖 未桜