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最終更新日:2023.06.19 公開日:2019.07.04

京都をクルマで観光するための8つのポイント【後編】

雨輝・松本葉子

クルマで訪れて京都を朝から晩まで堪能したい人も多いはず。

 幅の狭い道や一歩通行が多いなどの道路事情や混雑する観光スポットが多いことから、クルマで訪れると苦労するといわれる京都。それでもやはり「クルマで京都に行きたい!」という人のために、普段から京都市内でクルマを運転している筆者がまとめた、知っておくと便利なポイントの【後編】を紹介する。

5.「碁盤の目」の中には極力クルマで入らないようにする

町中の細い通は名前を覚えるだけでも大変。

 京都市街は東西南北に道が直行し、「碁盤の目」といわれる町並みであることはよく知られている。住所も町名と番地ではなく、(「富小路三条」などの道の交差場所)西入ル/東入ル(西か東へ進む)、下ル(南へ進む)、上ル(北に進む)というように表記されることが多い。

「碁盤の目だからわかりやすい」といわれる反面、クルマでの走行にはこれがなかなか厳しいのである。

結論からいうと、京都の町中走行に慣れていない人は、東:鴨川 西:大宮通 北:御池通 南:五条通で囲まれた碁盤の目エリアの中には進入しないのが吉である。

なぜならば、まず道が細い。体感的には地図で見るより狭い。しかも両側に植木鉢が細々と並んでいたり、辻には立派なお地蔵さんの祠があったり、古い石道標があったりするのでその狭さは際立つ。

そしてその細い道のほとんどが一方通行なので、慣れていないと目的地に到達するまでに迷路のようなルートをとるはめにも。碁盤の目の中をぐるぐる回っているうちに一方通行を逆行してしまう危険性もある。

さらに、細い道が直角に交差しているため見通しが悪く、右左折が困難。頻発する交差点での鉢合わせのたびに微妙な駆け引きが必要だが、これがまた難しい(地元民は営業車を優先させることが多いような気がする)。

スピードが出ていないので大きな事故になることは少ないが、春・秋の観光シーズンは、碁盤の目に惑わされて逆走するクルマや、カーナビに導かれたものの道が細すぎて立ち往生する人が後を絶たず、あわや正面衝突という場面も起こり得る。これを「碁盤の目の恐怖」と筆者は勝手に呼んでいる。

6.広い道路でも要注意!

花見小路通の様子。これでも人は少ない方。

 それでは「碁盤の目の恐怖」を回避して、碁盤の目の外の、広い道を選べば走りやすいだろうと思いきや、そうでもないのが京都である。地元民でも嫌がる広い道があるのだ。

そのひとつが堀川通。東西に走る有用な幹線道路だが、右車線を走行していると、いつのまにか右折専用レーンになり右折を強いられる場所がいくつかある。運よく左車線を走っていたとしても、右折したくない車が強引に進路に入ってくることもしばしば。直進したい時は交差点ごとに要注意だ。これは地元民でもうっかり「またやっちゃった…」が多いので、観光で訪れた人は重々注意が必要だろう。しかも希望に反して右折してしまうとまた一方通行地獄にはまることもある。

まだある。岡崎の琵琶湖疏水沿いの道、四条より南の花見小路、嵐山渡月橋あたりもできれば通りたくない。どこも道幅は広いが車両通行禁止区間ではないにも関わらず、観光客が道いっぱいに歩いていて、非常に危険だ。カメラやスマホを構えて道の真ん中に立っている人も大勢いるので、迂回した方が良いかもしれない。

たとえば、花見小路四条下ルにある「建仁寺駐車場」は結構広いが、花見小路の人波をかき分けて走行しないと行き着けないので難易度が高い駐車場だったりする。これは、地図を見ているだけでは分からないことだ。

7.バスとタクシーをあなどるべからず

バス、タクシーが多い京都市街の様子。

 京都市内の公共交通の主役はバス。本数が多く観光にも便利だが、「クルマで京都」の時には要注意。左車線はバスレーンになっているが、とにかく本数が多いため、バスが数珠つなぎで走行していたり、2車線を横並びで走行していることも多々ある。そのまま停留所に停まるので、片側2車線の道路がバスでふさがれてしまったりもする有り様だ。

 また、バスの系統によって同じ名前の停留所でも停車場所が異なるので、バスに後続して走行している時は気をつけたい。

上写真のような混雑した状態でも定時運行するため、他府県から訪れた人はバスの運転が強気であると感じることも多いようだ。

そしてタクシー。観光都市だけに数が多いが、競争も激しいので、手を挙げる人を見つけたら強引に寄せることも多い。タクシーの後ろや左車線を走っている時は注意したい。

観光シーズンのタクシードライバーは抜け道を通ることで渋滞を回避しているので、後ろをついていくと正解のこともある。しかし、運よく同じ目的地に行けるかも分からないし、道幅が狭く難易度が高い道を通ることもあるので、あまりお勧めできない。

8.京都市内へのパーク&ライドに便利な路線は…

京阪京津線沿線でパーク&ライドして、琵琶湖もあわせて観光するのもおすすめ。

 ここまで読んできて「京都の町中や観光地周辺の運転には自信がないので近くにクルマを置いて公共交通機関で入りたい」と思うに至った方も多いだろう。そんな時は、次の路線・駅周辺の駐車場をおすすめしたい。郊外になるほど1日駐車料金の設定も安価だ。

・東山エリアを観光するなら「地下鉄東西線・京阪京津線」

 東山エリアを観光するなら滋賀県の大津と京都を結ぶ京阪電車京津線。御陵駅から京都市営地下鉄東西線に乗り入れているので、二条エリアに行くのにも便利である。東山区より山科区、山科区より大津市と、三条駅から東に向かうにつれて沿線の駐車場は停めやすくなる。

 京津線終点のびわ湖浜大津駅-三条駅間の所要時間は22分。途中、路面を走る部分もあり鉄道マニアにも人気だ。

・嵯峨野・嵐山エリアを観光するなら「阪急京都本線・嵐山線」「JR嵯峨野線」

 阪急嵐山駅を拠点にするなら、京都本線・嵐山線の桂駅周辺や嵐山線沿線などの駐車場が便利だ。ただし駐車台数は決して多くないので注意が必要だ。JR嵯峨駅を拠点にするなら嵯峨野線の「梅小路京都西駅」「丹波口駅」近くの大型駐車場が便利だ。

・JR京都駅周辺を観光するなら「JR琵琶湖線・湖西線」

 京都駅周辺の駐車場は高額な上に混雑度が高く、停められないことが多い。JRで1駅ないし2駅の「山科(琵琶湖線、湖西線)」「大津駅(琵琶湖線)」「大津京駅(湖西線)」周辺駐車場がおすすめ。所要時間は、京都-山科は4分、京都-大津は9分、京都-大津京は11分。

 クルマで京都を訪れたい人のために2回に分けて8つのポイントを紹介してみた。京都に着いてから「クルマで来なきゃよかった…」と後悔しないよう、しっかり読んで対策を立てていただければ幸いだ。

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