くらしと測量・地図展
6月3日は「測量の日」。国土の利用や整備などに重要な役割を果たす『測量』における知識の普及・啓発を図るため、1989年(平成元年)に定められたものだ。日々スマホなどで見ている地図も『測量』がなくては作ることができない。そんな『測量』にクローズアップした企画展を紹介しよう。
「くらしと測量・地図展」が開催される、新宿駅周辺の地理院地図。ちょうどこの地図の中央が新宿駅西口広場となる。出典:国土地理院
6月5日~7日開催「くらしと測量・地図展」とは?
毎年「測量の日」の週末にかけて、新宿駅西口広場で開催されているイベントが「くらしと測量・地図展」。今年は6月5日(水)~7日(金)に開催される。入場は無料。測量と地図調整を「見て・体験して・知る」ことができるイベントだ。
2019年は、1869年(明治2年)に国土地理院の前進組織が設置されてから満150年。「近代測量150年」を迎えた記念すべき今回は「150年間の測量・地図調整技術の変遷」と、平成元年に「測量の日」が制定されてからの「平成の31年間」を測量と地図の視点から振り返ることができる。
今年の展示で注目したいのが、平成の31年間にデジタル技術への革新で大きく変わった測量機器・技術の変遷についての展示。会場では他にも、毎回子どもたちにも人気の高い実機を使った測量体験など開催される予定だ。
測量技術は、災害の防止にも貢献!
地震や台風などが多い日本は「災害大国」とも呼ばれている。平成の間にも2011年(平成23年)の東日本大震災や、2016年(平成28年)の熊本地震、2014年(平成26年)の8月豪雨など多くの災害が起きた。
測量と地図調整は、被災状況を地図に反映し救援や復興に役立てることはもちろん、災害原因の調査や災害に強い街づくりなどの防災施策にも大きく貢献している。会場では、災害発生時の航空写真や地殻変動図、浸水推定段彩図など、救援や復興支援にも活躍した貴重な資料を多数展示。2018年を象徴する漢字に選ばれた「災」をキーワードに、平成の31年間を振り返る。
記憶にも新しい2018年(平成30年)7月に中国地方を襲った豪雨での浸水箇所を推定した図。出典:国土地理院
こうした図を実際に目にすると、測量と地図調整により被害状況が可視化されるのがよくわかる。また、このような情報が地図上に表されることで救援や復興支援に役立つこともおわかりいただけるだろう。
満員必至のトークショー『地図カフェ』の中身とは?
本イベントで展示以外にもぜひ注目してほしいのが、立ち見が出るほどの人気企画「地図について熱く語るトークショー『地図カフェ』~新宿西口 出前編~」。実はとても身近でありながらも難しそうな印象もある地図の魅力を楽しく分かりやすく、時にディープに伝える全10回のトークショーが開催される。こちらは開催期間中の毎日午後から開催されるのだが、いずれも思わず足を運びたくなるようなプログラムになっている。
トークショー『地図カフェ』では測量・地図のエキスパートたちが連日登場。わかりやすくおもしろいトークを繰りひろげる。
トークショーのオープニングに登場するのは、折りたたみ式地図やコンビニで売っている缶チューハイの折り目模様になっている「ミウラ折り」の考案者、東京大学名誉教授・三浦公亮氏。他にも、今話題の谷根千エリア(東京都台東区・文京区)をはじめ東京に数多く存在する「スリバチ地形」の考案者、東京スリバチ学会の皆川典久氏をはじめ、測量と地図のエキスパートたちが次々と登壇する。
そんな注目の話題が盛りだくさんのトークショーの中から、以下に具体的なテーマをひとつ紹介してみたい。
サングラスがトレードマークの司会者による深夜番組で、一躍脚光を浴びた「赤色立体図」の箱根。芦ノ湖は何処でしょうか? 出典:国土地理院
みなさんは上の真っ赤な地図「赤色立体図」をご存知だろうか。テレビの深夜番組を発端に「地形が直感的にわかる!」と地形好きの間で密かなブームを呼んでいるものだ。よりディープな楽しみ方を知りたい人はぜひトークショー『地図カフェ』へ!
平日のみの開催ではあるが、期間中に新宿を訪れる機会があれば是非、足を運んでみてはいかがだろうか。なお、トークショー『地図カフェ』に関しては、毎日立ち見が出るほどの盛況となるので、早めに足を運ぶことをオススメしたい。
「くらしと測量・地図展」【開催概要】
開催場所:新宿駅西口広場イベントコーナー(東京都新宿区西新宿)
開催期間:2019年6月5日(水)~7日(金)
開催時間:10:00~19:00(最終日の7日は17:00まで)
入場料:無料 ※詳細は、国土地理院 関東地方測量部の下記リンクをご参照ください。
http://www.gsi.go.jp/kanto/kanto40002.html