ANA×キャンピングカー。車泊しながらリモートワークする実証実験を開始。
昨今の働き方改革により、自宅や旅先にいながらインターネット回線を通じて仕事をする「リモートワーク」という働き方に注目が集まっている。そんなリモートワークを、キャンピングカーで車中泊しながら行うというユニークな実証実験を紹介しよう。
九州周遊観光活性化コンソーシアム(代表機関:トラストパーク株式会社)は5月14日、ANAホールディングス株式会社、テルウェル東日本株式会社と連携し、キャンピングカーで移動・滞在しながらリモートワークを行う実証実験を実施すると発表した。(※)
※九州周遊観光活性化コンソーシアムは、総務省の「IoTサービス創出支援事業」を委託され、地域の観光振興を目的として活動する団体。テルウェル東日本株式会社は、全国にWi-Fi対応自販機を展開する企業。
ANA×キャンピングカー実証実験
同実証実験は6月1日~30日の1か月間、東京都内在住者からモニターを募って実施。ANAの航空券、キャンピングカーの貸し出し、車中泊スペースの3つがセットになったプランを提供する(キャンピングカーの定員は2名)。飛行機で現地に移動し、現地でキャンピングカーを貸し出す。そのキャンピングカーで仕事をしながら生活をしてもらい、地域移住の促進と観光振興への可能性を実証することが狙いだ。
モニターには、車中泊スペースとして、Wi-Fi、100V電源、防犯カメラが設置された遊休地や不稼働時間帯の駐車場が4か所用意される。その中から自分の好きな場所を選んで、リモートワークをしながら過ごす。もちろん、モニターはキャンピングカーを運転して別の車中泊スペースに移動してもいい。参加する期間も、モニターそれぞれで定めるのだという。
上写真のような、自然の中でリラックスしたり、島原城を見上げたりできるロケーションで自由に過ごし、Wi-Fiを通じて旅先にいながらにして仕事ができるのだ。
まるでホテルの寝室のようなキャンピングカー
今回貸し出されるキャンピングカー「TR500 C-LH」は、「ホテルの寝室空間」をコンセプトとした車両。車両開発をしたRVトラストによると、眠ることに特化するために、常設ベッド2人分を大胆に設置。アスリートなどが使用するような特殊立体構造のマットを採用した。また、テレビやエアコン、キッチン、冷蔵庫、クローゼットなども装備されている。
キャンピングカーで地域のグルメ巡りをしたり、温泉に行ったりと、普段の行動圏ではなかなか実現できない生活をしながら、ゆっくりと眠り、Wi-Fiネットワークを通じて仕事も継続できる。そう想像するとかなり魅力的である。
九州周遊観光コンソーシアムは同実証実験の結果をもとに、地域移住の促進と観光振興への可能性を検証。同プランのサービス化を検討していくという。
実証実験概要
実証期間:6月1日~30日
車泊場所:福岡県三潴郡大木町「道の駅おおき」、熊本県玉名市「草枕温泉てんすい」、熊本県球磨郡錦町「道の駅錦」、長崎県島原市「島原城」
車泊スペース設備:Wi-Fi、100V電源(使用可能時間は地域で異なる)、防犯カメラ
車種:キャンピングカー「TR500 C-LH」