お値段14億円‼ ブガッティ究極の1台、ラ・ヴォワチュール・ノワールって何だ!?
ブガッティが3月のジュネーブ・モーターショーで発表したワンオフモデルがスゴイ! 車両本体価格は、なんと1,400,000,000円だという。ラ・ヴォワチュール・ノワールって一体どんなクルマ?
ふたつの110周年記念
先日、フェラーリのワンオフモデル「P80/C」をご紹介したばかりだが、今度はブガッティから極めつけのワンオフモデルが登場した。
「La Voiture Noire(ラ・ヴォワチュール・ノワール)」と名付けられたそのクルマは、ブガッティの創業110周年と、その創業者であるエットーレ・ブガッティの長男、ジャン・ブガッティの生誕110周年を記念したワンオフモデル(1台のみの生産)だ。
初お披露目となったのは、去る3月に開催されたジュネーブ・モーターショーでのこと。ブガッティは並み居るスーパーカーブランドを相手に、その圧倒的存在感と驚愕の金額で、見る者の度肝を抜いた。
お値段はなんと、税抜きで1100万ユーロ(邦貨換算約14億)‼
モチーフは伝説の「タイプ57Cクーペ・アトランティーク」
このクルマのモチーフとなったのは、かつてジャン・ブガッティが1930年代後半にデザインした2ドア・スポーツ「タイプ57Cクーペ・アトランティーク」だ。タイプ57の超高性能版として4台が生産され、いまも3台が現存。200psのスーパーチャージャー付きエンジンを搭載し、最高速度は200km/hに達したという。当時このクルマが、黒いクルマ=ラ・ヴォワチュール・ノワールの愛称で呼ばれていたことから、今回車名として採用された。
現代に甦ったラ・ヴォワチュール・ノワールもスペシャルな1台だ。漆黒のボディはオールカーボンファイバー製。最新モデルの「シロン」ベース車両にすべてハンドメイドで組み立てられており、現代ブガッティの名工たちの手によってタイプ57Cクーペ・アトランティークのエッセンスが随所に散りばめられている。
公開された写真を見ていただければお分かりのように、ボンネットからリアエンドにかけて続く”背びれ”は、かつてのタイプ57Cクーペ・アトランティークを彷彿とさせ、テールエンドにずらりと並んだ6本のエキゾーストがオマージュであることは一目瞭然だ。
最高出力1500ps、最大トルク1600N・m
パワーユニットはシロンと共用であり、8リッターW型16気筒+4ターボエンジンをミッドに搭載。最高出力1500ps、最大トルク1600N・mを叩き出す。ラ・ヴォワチュール・ノワールは、名声も性能もそしてプライスまでも、まさに超一級のスーパースポーツなのだ。
近年、ラグジュアリーブランドはかつての名車を再解釈したモデルの開発に積極的だが、それを可能にしているのはモナコGP3連覇(第1回~3回)といったモータースポーツでの輝かしい歴史や、伝説があるからこそ。フェラーリもアストンマーティンも、そしてブガッティもまた然り。スポーツカーメーカーの天上界には、今も昔も驚くべき世界が広がっている。