日本科学未来館「工事中!」に日本初のユンボ「Y-35」が登場!
日本科学未来館(東京都江東区)で、油圧ショベルやブルドーザーなどの「はたらくクルマ」が大集合する企画展「『工事中!』~立ち入り禁止!?重機の現場~」が5月19日まで開催されている。展示された重機の迫力とスケールに圧倒されること請け合いだ。
日本初の油圧ショベル「ユンボ Y-35」など3機が展示
同展の都市における大規模工事現場を紹介するエリアに、油圧ショベルが3機展示されていた。そもそも油圧ショベルとは、エンジンから得た動力を油圧ポンプで油圧力に変換し、油圧力を用いて走行・旋回およびブーム、アームの操作を行う重機である。先端に付けるアタッチメントによって、土砂山地の掘削や整地、ビルの解体などさまざまな用途に使用することができる。
・ユンボ Y-35
「ユンボ Y-35」は、シカム社(フランス)と新三菱重工 (現:三菱重工業) の技術提携により開発され、1961年に出荷された国産初の油圧式ショベルである。高度経済成長期の日本国内において、高速道路や新幹線をはじめとするインフラ工事のほか、ビル、ダム、ホール、体育館に至るまでさまざな建設現場で活躍した。
商品名の「ユンボ」が油圧ショベル全般の代名詞になるほど全国に広く普及した名機で、2016年9月に国立科学博物館重要科学技術史資料(未来技術遺産)に選定された。通常は、キャタピラージャパン明石事業所で保管されていて、なかなかお目にかかれない貴重なモノだ。
銀色の塗装のインパクトが大きいが、これは発売当初の塗装ではなく、サビ止め塗装だという。ちなみにしっかりとメンテナンスが続けられていてエンジンなども健在、展示会場に自走で入場する様子が同展公式Twitterで披露されている。
・「Cat 314F」と「Cat 308CR」
キャタピラー社の「Cat 314F」と「Cat 308CR」は中型の油圧ショベル。操縦席の後部が小さいので、旋回時にクローラーからはみ出す部分が少なく、狭い場所での作業効率が向上した。
大地を切り拓く大迫力の重機
土砂をすくい上げたり、大地の形を整えたりすることのできる重機を紹介するエリアには、大迫力のブルドーザーとホイールローダーが展示されている。
・ブルドーザー「Cat D3K2」
ブルドーザーは、牛(bull)と眠らすもの(dozer)という単語の表す通り、かつて牛馬を用いて行われてきた開墾、整地の作業を受け持つ重機である。前方のブレードで土砂や岩を押し出し、地面を整えながら前進する。展示されている「Cat D3K2」は全長4.3mで、大きなものだと全長10m以上にもなるブルトーザーの中では小型機。それでもかなりの迫力を感じる。
・ホイールローダー「Cat 910M」
ホイールローダーは、土砂をすくってダンプトラックなどへ積み込む重機。除雪や畜産業の現場でも使用されているので、割と身近な存在である。展示されている「Cat 910M」は全長6.2mとホイールローダーの中では小型機だがタイヤも大きく存在感抜群。ちなみに鉱山などで使用される大型のホイールローダーは、全長17.9mにもなる。
解体現場で活躍!さまざまなアタッチメント。
解体工事を紹介するエリアでは、油圧ショベルの先端に付ける解体用のアタッチメントが展示されている。アタッチメントといえどもそのサイズは巨大で1400㎜~2500㎜もの大きさ。
・ガジラ大割機D D-211A
「ガジラ大割機D D-211A」は、ビル解体などに活躍するアタッチメント。コンクリートを破壊しながら、内部の鉄筋を切断することができるアタッチメント。
・ガジラDSカッター DSX-300A
「ガジラDSカッター DSX-300A」は、鉄骨や鉄筋を含んだコンクリート構造物を切断、圧砕することのできるアタッチメント。
・ガジラ小割機 MC-201BDM7A
「ガジラ小割機 MC-201BDM7A」は、ビル解体などで出るコンクリート片などをさらに細かく砕くことのできるアタッチメント。上部の円形の部分は油圧発電式のマグネットになっていて、破片の中から鉄筋や鉄骨などを取り除くことができる。コンクリート片は道路工事などの資材として再利用されるという。
・マグ・ゴン GM-200
「マグ・ゴン GM-200」は、油圧発電式のマグネットで鉄筋や鉄骨などの鉄くずを効率的に分類することに特化したアタッチメント。分類された鉄くずは再利用されるという。
科学未来館によると重機のクローラーや展示物の重さで床が破損しないよう、1枚800kgの鉄板を約400枚も敷き詰めたそうだ。重機の大きなスケールと迫力を展示会場で体感してみてはいかがだろうか。