7月から始まる道路法改正の規制緩和をどう思う? マイクロモビリティに関する意識調査
ネットリサーチを提供するモニタスは、一都三県在住16~69歳の2400名を対象に「マイクロモビリティに関する意識調査」を実施。サービスの認知度や利用経験、電動自転車や電動キックボードに関する意識への回答から、今後の普及への課題が見えてきた。
アンケート調査実施の背景
国内の大都市や観光地で電動自転車や電動キックボードを目にする機会が増えた。設置ポートへの乗り捨て利用が可能なマイクロモビリティは、脱炭素やカーボンニュートラルという観点からも次世代の移動手段として普及が促進されている。一方、交通ルールの整備や浸透が追い付かず、利用者の危険な運転も問題視されている。
そのような中、電動小型モビリティ(マイクロモビリティ)の車両区分を新しく定める改正道路交通法が2023年7月1日から施行される。これにより、今後はサービス利用・個人所有の両面でマイクロモビリティの利用拡大が予想されるという。
そんなマイクロモビリティに着目し、現在の利用状況や法改正に伴う意識変化について、株式会社モニタスがアンケート調査を実施した。果たして回答者はマイクロモビリティの利用についてどう思っているのだろうか? さっそく確認してみよう。
マイクロモビリティ利用の有無と、その理由
■マイクロモビリティの利用経験はどれくらいある?
電動車椅子や超小型車、電動キックボードなどのマイクロモビリティの利用経験を聞いた結果、「乗ったことがある」が16.0%、「乗ったことがない」が84.0%だった。近年、空きスペースを活用してマイクロモビリティのポートの設置を行うコンビニ等施設が増加したように感じる一方、利用経験は2割に満たず、まだまだ発展途上のサービスであることがわかった。
■マイクロモビリティを利用した理由 TOP5
マイクロモビリティの利用経験者に理由を聞いたところ、「楽しそうだから」が39.6%、「電車やタクシーに乗るほどではないけど徒歩だと遠い移動があったから」が29.2%、「気持ちよさそうだから」が28.9%、「自転車や自動車を持ってないから」が16.1%、「終電を逃したから」が10.4%との結果に。ここからは、楽しい、徒歩より便利な中距離移動、終電を逃したから、というような代替手段など様々なニーズがあることがわかった。
■マイクロモビリティを利用したことがない理由 TOP5
では、マイクロモビリティを利用したことがない人にはどのような理由があるのだろうか。上位は、「今の交通手段で十分だから」が32.1%、「近くにないから」が20.8%、「利用方法や仕組みがよくわからないから」が18.3%。「免許がないから」が14.5%、「事故を起こしそう・事故に遭いそうだから」が12.3%と続く。利用のメリットや利用方法が十分に伝わっていないという認知課題のほか、利用できる場所がない、免許がないなど利用対象者でない人が一定層存在しているようだ。
LUUP、ドコモ・バイクシェアの認知について
■シェアモビリティサービスの認知・アプリインストール経験・利用状況は?
シェアモビリティサービスの代表的サービスに「LUUP」と「ドコモ・バイクシェア」がある。認知・利用状況の比較では「ドコモ・バイクシェアは認知」が19.3%、「アプリインストール経験あり」が7.1%、「サービス利用経験あり」が6.6%、「最も利用している」が5.6%。「LUUPは認知」が18.8%、「アプリインストール経験あり」が6.2%、「サービス利用経験あり」が5.8%、「最も利用している」が4.7%。都心では見かけることの多くなった両サービスでだが、認知はともに約2割、ダウンロード経験、サービス利用経験、最利用割合はともにまだ1割未満であった。
これからどうなるのか
■電動キックボードに乗りたい人はどのくらい?法改正の影響は?
電動キックボード利用の規制緩和により、電動キックボードに乗りたいと考える人はどれくらいいるのだろうか。「とても乗ってみたい」が8.0%、「やや乗ってみたい」が17.6%、「どちらでもない」が21.4%、「あまり乗ってみたいと思わない」が22.0%、「全く乗ってみたいと思わない」が30.9%という結果に。法改正に伴い、約3割の人が電動キックボードに乗ってみたいと考えているようだ。
■マイクロモビリティの普及予測
マイクロモビリティやパーソナルモビリティのような移動手段が今後普及すると思うかについて質問すると、「とても思う」が10.7%、「まあまあ思う」が35.1% 、「どちらでもない」が35.1% 、「あまり思わない」が12.1% 、「全く思わない」が15.8%という結果となった。半数近い人が、今後マイクロモビリティが普及していくと考えていることがわかった。
今回は電動キックボード等のマイクロモビリティに着目し、一都三県の利用状況や法改正に伴う意識変化があるかの調査であった。調査結果からは、マイクロモビリティを利用したことのある人はまだ少ないが、7月の規制緩和によって電動キックボードに乗りたいと考える人は約3割いることがわかった。さらに、約半数の人がこれからマイクロモビリティが普及すると考えていた。
他にはドライブ、中距離移動、代替交通手段など、様々なニーズが出てきたことも興味深い。ヘルメットの着用義務が努力義務化された点は未だに疑問ではあるが、どのように人々の移動に変化をもたらすのか、しっかりと見届けたい。
■マイクロモビリティに関する意識調査
調査方法:一都三県 16歳~69歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:2023年5月9日(火)~5月11日(木)
有効回答数:2400名