アストンマーティン「ヴァルキリー」はV12エンジン最高出力は1013ps!
アストンマーティンは12月12日、ハイパーカー「ヴァルキリー」に搭載するV12エンジンの概要を初めて公開した。
アストンマーティンがレッドブル・レーシングと共同で開発を進めるハイパーカーが「ヴァルキリー」だ。
このプロジェクトがはじめて発表されたのは、今から約2年前の2016年10月。1000psを絞り出すV12自然吸気エンジンをミッド搭載し、カーデザイナーに”空力の鬼才”、エイドリアン・ニューウェイを起用、さらには日本円換算で約3億円という販売価格に、世界中の自動車ファンが騒然となった。
2019年にヴァルキリーの出荷開始を予定するというアストンマーティン。これまでヴァルキリーの内外装ついてその情報を徐々に公開してきたが、その心臓部についてはほとんどが謎のベールに包まれたままだった。
今回明らかになったのは、エンジンのスペックとそのサウンドだ。6.5リッターV12自然吸気エンジンの開発を担当したのは、これまで数々のF1エンジンを手掛けてきた名門コスワース。
最高出力は驚愕の1013ps/10500rpm。リッターあたり154psを叩き出し、最大トルクは75.5kgm/7000rpm、最高回転数は11100rpmにまで達する。
だが驚くべきはパワーだけではない、とコスワースの技術者は胸を張る。エンジンブロック、シリンダーヘッド、カムカバーなどには鋳造部品を採用し、チタン製ピストンなどエンジン内部は、F1エンジン同様に工作機械による削り出しのパーツを使うことで、エンジン単体の重量はわずか206kgという軽量化を実現した。
例えば、重量97kgのコスワース製3リッターV10・F1エンジンを、6.5リッターにスケールアップした場合、その重さは210kgになるという。比べると、ヴァルキリーのV12エンジンがいかに軽いかお分かりいただけるのではないだろうか。
ヴァルキリーのV12エンジンについてアストンマーティンのCEO、アンディー・パーマーは「血液中にガソリンが入っているようなクルマ好きの人にとって、自然吸気のV12エンジンは絶対的な孤高の存在だ。感情や興奮を揺さぶるこれ以上のエンジンはないだろう」とコメント。天高く舞い上がるハイトーンのエキゾーストノートは、公開された40秒の動画に収録されている。
アストンマーティンは、ヴァルキリーのエンジンにハイブリッド・パワートレインを追加し、さらなる強化を図っていく。車両重量1000kg以下、パワーウエイトレシオ1.0kg/psという、まさにハイパーなクルマに仕立てる考えだ。