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最終更新日:2018.12.10 公開日:2018.12.10

都営バスの歴代車両がわかる大図鑑「都営バス 全形式アルバム」

都バスの車両の歴史を、貴重な写真とともに辿る大図鑑が登場。黎明期の1920年代から、2017年度の最新車両まで、豊富な写真とマニアックなディテール解説が網羅された1冊がおもしろい。マニアならずとも思わず欲しくなる、その中味とは?

 電車では網羅しきれないエリアや、暮らしの中での足として活躍する路線バス。中でも、保有するバスの種類・台数ともに圧倒的な規模を誇るのが都営バス。幼少時から馴染みがある東京都内在住の人だけでなく、遠足や小旅行で見かけたことがあるという人も多いことだろう。

 そんな都バスの車両の歴史を、貴重な写真とともに辿る大図鑑「都営バス 全形式アルバム」が11月28日に発売された。黎明期の1920年代から、2017年度の最新車両まで、豊富な写真とこだわりのディテール解説がたっぷり網羅された1冊となっている。

都営バス半世紀の車両データが1冊に!「永久保存版 都営バス全形式アルバム」

約50年分の貴重な写真を大公開!

 本書ではこれまでの都営バスの全形式を網羅。約50年分の貴重な写真とともに収録されている。その一部を紹介していこう。

【巻頭グラフィック】
 巻頭グラフィックでは「昭和~ 平成を駆け抜けたバスたち」と称して、都営バスの走る風景を今と昔で比較して楽しむことができる。バスの形状は大きく変わっていても、景色は意外と変わっていないエリアがピックアップされており、懐かしいだけではない不思議なタイムスリップ感が味わえる。

まずは浅草雷門前の様子。右上のモノクロ写真2点は1980年代のものだ。

写真上は東京駅丸の内南口。右下が新宿駅西口、左下が新宿歌舞伎町の様子。他にも勝鬨橋や浅草橋といった、変わらぬ風情が味わえる下町の光景が楽しめる。

【特集】都営バス最新車両徹底解剖
 ATが標準仕様となり、燃料電池バスも導入された昨今。そんな最新の車両に関しても細部に至るまで写真と共に丁寧に解説。首都圏を走るバスと郊外を走るバスでは、後部座席のレイアウトが異なるのだが、解説を読むと「なるほど」と思わず納得。細かいところまで興味を惹かれて読み込んでしまう。

同じ2015年度のA代のバスだが、ディテールにはいくつもの違いがある。最も大きな違いは後部座席の数なのだが、乗客の平均乗車時間などが考慮されたものとなっていて、郊外を走るバスの方が多く座席数を確保している。

左が2017年度、右が2016年度の新型車。2017年度の新型車は、側面がまるで1枚ガラスのように見える斬新なデザインに変わっている。それ以上に比較しておもしろいのが細かな仕様の違い。「次停留所表示器」を中扉付近にも装備していたり、混雑時には折り畳める自動格納機能付きの横向きシートなどが備わっている。このように利便性や快適性を追求し、常に新たな改善を試みていることが伝わってきて興味深い。

【永久保存版】 都営バス歴代カタログ
 ページを開くだけで気分はタイムスリップ。貴重なアーカイブを惜しげもなく見せてくれるのが「歴代カタログ」のページだ。黎明期のバスを改めて見ると、歴史の教科書や図鑑でしか見たことがないような車両が数々登場する。また、初期の都バスは米国フォード製のものが中心だったり、進駐軍トラックを改造したものも多くあったという、意外なエピソードも知ることができる。

1940年代の車両(左)と1920~30年代の車両紹介ページ。

1973年度の車両紹介ページ。このあたりになると、なじみのある人も多いのではないだろうか。

2004年度の車両紹介ページ。左ページでは、都営バス90周年記念で旧塗装を復刻した貴重なバスの写真も楽しめる。

 他にも、1990~2017年度の新車車両一覧や、今では廃止された路線を振り返る巻末グラフィックといった記事が楽しめる。都バス創業時の貴重な資料から最新の車両のスペックまで網羅。バスの歴史からは、時代背景なども垣間見え、マニアならずとも一気に読んでしまいそうな興味深い1冊となっている。

発売されてからおよそ2週間。販売元に問い合わせたところ、貴重な資料が満載ということもあり売上げも好調だという。


『永久保存版 都営バス 全形式アルバム』 商品概要
定価:本体2000円(税別)
発売日:2018年11月28日
判型/ページ:A4 判/ 128ページ
ISBN:978-4-06-513798-7
発行:講談社ビーシー/講談社

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