ホンダ初の量産型電気自動車は中国で発売!
ここ数年、世界の自動車トレンドはその軸足をEVに移しつつあるが、中国ではその傾向がより強い。何故かと言うと、2019年から販売台数の10%を新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)にしなければならないという、NEV規制がスタートするからだ。1割売らないと翌年の販売台数が減らされる。でも、総販売台数3000万台に迫る巨大中国マーケットで、その数を落とす訳にはいかない。そのため各社は、ピュアEVからPHV、FCVまで、猛烈に新車を発表しているという訳だ。
そんななかホンダは11月16日、現在、中国・広州で開催中の2018年広州モーターショーにおいて「理念 VE-1」を発表した。中国専用の電気自動車だ。
理念とは広汽ホンダが展開する自主ブランド。VE-1は同社にとって初の量産EVである。コンパクトSUV「ヴェゼル」のプラットフォームをベースに、大容量バッテリーを床下に配置したことで、低重心化だけでなくクラストップレベルの室内空間を実現したという。
53.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力120kW、最大トルク280Nmを発生。3つの走行モードを備え、満充電時で340km(NEDCモード)の航続を可能としている。
ホンダはこのVE-1を、自身が出資する中国のカーシェアリング会社「Reachstar(リーチスター)」社でも採用する予定で、2019年のサービス開始を見込んでいる。さらに今後2025年までに、20車種の電動化モデルを投入することも発表した。
調査会社マークラインズ社の報告によると、中国における2018年上半期の新エネルギー車の販売台数は、EVが31.3万台(前年同期比約95.6%増)、PHVが9.9万台(同182.9%増)で合計41.2万台。年間で80万台を達成する見込みだ。
来年以降は、前述した通りNEV規制がスタートするため単純計算でも全社300万台(総販売台数3000万台の10%)の新エネルギー車が投入されることになる。ざっと今年の3.5倍強である。中国の国策とは言え、この数字には唖然とするばかりだ。
中国の、そして世界の自動車トレンドは今後どこに向かって舵を切っていくのか。今後ますます目が離せない展開となってきた。