レクサスの高級クルーザーが「なんか凄い」
レクサスは9月8日、ラグジュアリーヨット「LY650」(写真上)を発表した。実際の製品初披露は2019年後半としているが、発売日や価格は未定だという。
レクサスを運営するトヨタでは、1997年よりプレジャーボートの開発・生産、販売を行っている。2017年時点で、国内では900隻を販売してきた。そんな中、レクサスブランドでも「海に進出する」と表明したのが17年の米マイアミでのイベントだった。
当時「LEXUS Sport Yacht Concept」(写真上)として発表された。あくまでコンセプトモデルではあったが、レクサスのスポーツカーに搭載されている5LのV8エンジンを2基搭載し、まるで水上のF1と呼ばれる”パワーボート”のような形状をしていた。
今回新たに発表された「LY650」(写真上)は一転、高級クルーザーとしての登場となった。レクサスではクルマで表現してきたデザインフィロソフィーを全長65フィート(約20m)クラスの船という新しい形で具現化できたと胸を張る。そのデザインは、船首から船尾に至るまで立体的なフォルムと優美な曲線の美しさや、クーペのようなルーフライン、リアの豊かなボリュームで躍動感のあるスタイリングに表れているという。庶民感覚からすると、高級船の評し方自体を知らないので、どのあたりがどう具現化できているのか(?)だが、あんまり見たことがない色や形、(船に対して褒め言葉なのかは不明ながら)妙に重厚感があるところから「なんか凄い感じ」は伝わってくる。高級車にありがちな”どけどけオーラ”が船にも必要なのか、実際目の当たりにしたら、そんなオーラを醸し出していると感じそうだ。
船のエンジンとして世界的に定評のあるボルボのディーゼルエンジン「Penta IPS 1350/1200」を搭載し、燃料タンク容量は3800Lとなる予定。
船体のサイズは全長19.96m、全幅5.72m、最大定員15人とし、プレミアム感満点の船室は(写真上)、客室数3部屋(ベッド6名対応)としている。周囲を囲む窓から陽光が取り入れられたキャビンはとても開放的で、そこにはゆったりしたソファーが並ぶ。見て欲しい、そのリビングテーブルに、優雅に飾られた2脚のワイングラスとシャンパングラスを。白い器には、見たこともない創作料理の数々が盛られるのだろう。そして、海に向かってちーんと乾杯するのである。このような洋上のプライベート空間は、石原裕次郎かギャング映画でしか見たことがない。
冒頭の通り価格は未定としているが、他メーカーの同サイズのプレミアムクルーザーは1億円以上することから、レクサスブランドを掲げるこの船はその価格帯を軽く超えてくるのではないかと予想する。
レクサスではこのクルーザーを通して、「夢のような時間」を提供することで顧客のライフスタイルを広げていきたい。車だけにとどまらない「驚きと感動の提供」に向けて挑戦すると表明した。