【人とくるまのテクノロジー展2018】トヨタの新型2L直4NAエンジンなど
5月23日~25日に神奈川県・パシフィコ横浜で「人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜」が開催された。内外の自動車関連会社597社がブースを出展、自社の技術をアピールした。
トヨタの展示で目を引いたのは、、最新のエンジン2基とトランスミッション。ここではその3つを紹介しよう。
TNGAコンセプトに沿って新開発された2L直4NAエンジン!
新型の2.0L直列4気筒直噴ガソリンエンジン(NA)は、TNGA(Toyota New Global Architecture)コンセプトに沿って新開発された「Dynamic Force Engine(ダイナミック・フォース・エンジン)」の1基。
高速燃焼技術、可変制御システムを採用したほか、排気や冷却、さらに各種可動部のフリクション(摩擦)など、さまざまなエネルギーロスを低減させたことで、最大熱効率40%を達成した。通常のガソリンNAエンジンで40%、ハイブリッド用エンジンは41%になる。
エンジンの正式な型式名称、搭載される車種などは未発表。今後発売される新型車に実際に搭載されることだけは間違いないようだ。
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レクサス「LS500」に搭載された新型エンジン!
レクサス「LS500」搭載3.5LV6エンジン「V35A-FTS」
2017年10月19日から販売がスタートした、レクサスのフラッグシップセダンの「LS」の5代目。その1車種である「LS500」に搭載されているのが、3.5LのV型6気筒直噴ツインターボエンジン「V35A-FTS」だ。Dynamic Force Engineの1基として「V35A-FTS」も展示された。なお「V35A-FTS」はトヨタ初のV6ターボエンジンである。
「V35A-FTS」は開発において、まず基本骨格を一から考え直したという。構造・構成も従来のV6エンジンからは刷新された。高速燃焼技術を採用し、「LS500」では新型トランスミッション「Direct Shift-10AT」(開発はアイシン)が組み合わせられる。
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世界初の機構で性能大幅アップのCVT!
新型2L直4NAエンジンの相棒か?「Direct Shift-CVT」
2018年2月に新型2L直4NAエンジンなどとともに発表された、TNGAコンセプトの新型パワートレインのひとつが、このFF用「Direct Shift-CVT」だ。
トヨタはCVTの短所として、ベルトを利用していることからくる、低速域での伝達効率の低さを挙げており、「Direct Shift-CVT」では、乗用車用のCVTとしては世界初の仕組みでその効率アップを図った。その仕組みとは、発進用のギアを採用すること。発進時はギア駆動とすることで、よりダイレクトなレスポンスを実現したという。
また発進用ギアを設けたことで、ベルトとプーリー部の小型化が実現。ベルトを11度から9度への狭角化をすると同時にプーリーの小径化も行って軽量化したことで、変速速度を20%向上させている。
さらに発進用ギアによってベルトをハイ側に設定できるようにもなった。その結果、15%のワイドレンジ化も行え、2Lエンジン用としてはトップクラスの変速比幅7.5を実現した。これらの改良により、従来のCVTに対して燃費を6%向上させたという。
2018年5月29日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)