アウディが開発、 人間工学に基づいた 「椅子のない椅子」がすごい!
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(c) Audi AG
独・自動車メーカーの中でも、人間工学分野の技術開発をリードするアウディが「椅子のない椅子(チェアレス・チェア)」を発表した。
人間工学に基づいた作業用サポーター
「椅子のない椅子」は、車両の組み立て作業において長時間、中腰の姿勢をする作業員の腰の負担を軽減することで、肉体的理由による欠勤を減らし、生産性の高さを保とうという画期的なサポーターである。
独アウディ社によると、仕組みはカーボンファイバー製の「外骨格補充装置」を両脚の後ろに装備する。「椅子のない椅子」には、お尻と太ももを支える腰掛が付属しており、腰、膝、くるぶしの3か所をベルトで固定すれば稼動する。
膝の関節部は油圧により自由に折り曲げができ、全ての身長に合うよう設計されており、中腰などどんなポジションでもあたかも椅子に座っているように負担なく作業を行うことができるというものだ。
また「椅子のない椅子」は2.4Kgと軽量で、動作の邪魔にならないため、場所を移動して作業する組み立て作業などに最適であり、アウディの自社工場でテストを行った結果、非常に好評であったとのことだ。
(c) Audi AG
工場をスマートな環境に
この製品の開発はアウディがスイスの”スタートアップ”企業「noomee」と共同で進めており、今後シリーズ製品化し、A4とA6の運転席の組み立て作業での導入を計画している。
「椅子のない椅子」のような人間工学器具の開発をアウディは、「スマート・ファクトリー」という最新技術を導入した工場のスマート化計画の一環として行っている。このプロジェクトでは、職場環境の改善、作業の負担の軽減、高年齢者や身体に障害がある人をはじめとする従業員のサポートなどを目標として掲げている。
2017年12月11日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)