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最終更新日:2017.10.30 公開日:2017.10.30

スーパーカーの秘蔵写真、大発掘?される!77年のショーで小学生が撮影か。

70年代スーパーカーブームで人気があった1台、ランチア「ストラトス」のラリーカー。見事なまでにくさび形で車高の低い先鋭的なスタイリングは、ベルトーネの天才マルチェロ・ガンディーニが手がけたと聞けば納得できる。

 世間では東京モーターショーで盛り上がっているが、ここであえて40年前にタイムスリップし、1977年7月に東京は中央区晴海の東京国際見本市会場で開催された「ラ・カロッツェリア・イタリアーナ’77」というモーターショーで撮影したスーパーカーたちをお届けする。その頃の東京のコンベンションセンターは晴海にあり、当時の東京モーターショーもここで開催されていた。

 「ラ・カロッツェリア・イタリアーナ’77」は、記者が小学校2年生のときに父親に連れて行ってもらったもの。そのときに撮影したスーパーカーたちの写真がたまたま実家から出てきた。実家に蔵なんてないが、気分はお蔵出しである。

 カロッツェリアとはデザイン工房のことで、欧州では高級車やスーパーカーなど、デザインに関しては外部の専門家に頼むことが一般的だ。そして、日本でもよく知られている高名なカロッツェリアというと、イタリアに多い。このモーターショーもそうしたイタリアのカロッツェリアにスポットを当て、メーカー別ではなく、カロッツェリア別に展示していたようである。

ランチア「ストラトス」の市販モデル。基本、WRカーは市販モデルがベースなので、外見はカラーリングが異なるだけで、ほぼ同じ。

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ガンディーニ・デザインのクルマたち!

ベルトーネ(ガンディーニ)・デザインのクルマたち!

 ベルトーネのチーフデザイナーというと、クルマのデザインだけに留まらず、インダストリアルデザイナーとして高名なジョルジェット・ジウジアーロが有名だ。そして、他社に移籍したジウジアーロのあとを受けてチーフデザイナーに就任したのが若きマルチェロ・ガンディーニ。「カウンタック」の先代モデルであるランボルギーニ「ミウラ」をデザインしたのはまだ20代の頃だった。

 小学生時代の記者は、ご多分に漏れずランボルギーニ「カウンタック」が大好きで、どうやらガンディーニ・デザインが最もスーパーカーらしく感じていた模様。ほかにも、カロッツェリアのザガートやミケロッティなどの車も展示されていたようだが、ベルトーネ・デザインのスーパーカーを最も多く撮影したようだ。

名車・ランボルギーニ「ミウラ」をベースに製作された実験車「イオタ」。同車は幻の名車といわれたスーパーカーだが、レプリカ車も多かったことから、これがオリジナルかどうかは不明。「ミウラ」をデザインしたのが、ベルトーネのチーフデザイナーに着任したばかりの若き日のガンディーニだった。

続いてもランボルギーニで、こちらはコンセプトカーの「ブラーボ」。こちらもベルトーネ(ガンディーニ)のデザインだ。なお、フロントが見切れているのは、小学生の撮影によるものなのでご容赦いただきたい。

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さらに、ベルトーネ・デザインを続けて紹介!

まだまだベルトーネ(ガンディーニ)デザインは続く!

イタリアのスーパーカーメーカーのデ・トマソがボディを製作し、フォードのエンジンを搭載した米伊合作の「パンテーラ」。発表は60年代後半。70年代スーパーカーブームで取り上げられた1台で、その名前のリズムのよさから、当時の日本の男の子たちにとってインパクトがあり、よく知られた1台。これもベルトーネ(ガンディーニ)デザイン。

ランボルギーニ風の鋭角的なデザインだが、アルファロメオのコンセプトカー「ナバホ」。フロントスポイラー部分に記されているように、これまたベルトーネ(ガンディーニ)が手がけており、レトロ・フューチャーなデザインが秀逸。そして、右奥に写っているのはまるでそうは見えないが、フェラーリ! コンセプトカーの「308GTレインボー」で、ベルトーネ(ガンディーニ)のデザイン。

フィアット「X1/9」。フィアットといったら、ヨーロッパを代表する大衆車メーカーだが、70年代スーパーカーブーム時代には、スーパーカーの1台としてカウントされていた(ような気がする)「X1/9」も製造していた。これもまたベルトーネ(ガンディーニ)・デザイン。

シトロエン「GSカマルグ」。ベルトーネ(ガンディーニ)デザイン。この時期のシトロエンらしく、どこか懐かしい未来派”レトロ・フューチャー”なデザインをしている。

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ザガートのクルマたち

イタル・デザイン&ザガートのクルマたち

 発掘できた写真は、多くがベルトーネでデザインされたクルマたちなのだが、ほかのカロッツェリアのクルマたちも展示されていたようだ。

 続いては、ベルトーネでガンディーニの前任チーフデザイナーだったジウジアーロが設立したイタルデザイン・ジウジアーロと、ザガートのクルマたちを紹介。

マセラティ「メディチII」。イタルデザイン・ジウジアーロによるデザイン。同車は、3代目「クアトロポルテ」のベースとなった。

ザガートの「ヤング・スター」。ザガートが独自に開発した1台。

ザガート「ゼレ・バン」。これまたザガートが独自に開発したバン。この色違いで、EVモデルも同時に展示されていたらしい。

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最後はミケロッティ+α!

ジョヴァンニ・ミケロッティがデザインした2台

 ジョヴァンニ・ミケロッティは、メーカーから独立した形でクルマのデザインを請け負った最初のカーデザイナーといわれる。

 それと、オマケで一緒に発掘された、スーパーカーカードも掲載してみた。

「レーザー」。ミケロッティがデザインした。かつて存在したフランスの自動車メーカーのマトラが1970年代に発売していた「シムカ・パゲーラ」の試作車。

フィアット「126」をベースにした「シティ」(ホンダの往年の名車「シティ」とは関係ない)。これもミケロッティのデザイン。ちなみに、フィアット「126」自体は、ミケロッティのデザインではない。

これが当時いくつもあったであろう、スーパーカーカードの1枚。神州一味噌の付録「世界の名車コレクション」シリーズの1枚で、アルピーヌ「A310」を紹介している。アルピーヌは、一時ルノーの子会社だった、モータースポーツ系のフランスの自動車会社。「A310」は、ルノー「30」のV型6気筒、排気量2664ccのエンジンを搭載。最高出力は150ps/6000rpmとある。最高時速は推定で220kmを出せたという。

神州一味噌 即席 田舎造り高級みそ汁の付録だった模様。当時、みそ汁の付録にすら、子どもが親にねだって買いたがるようなスーパーカーのカードが付録としてあるというところに、ブームの凄さを感じられる。今の時代、付録のあるみそ汁などないのではないだろうか?

2017年10月30日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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