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最終更新日:2017.05.15 公開日:2017.05.15

ドイツの高速道路についてQ&Aで答えます。欧州ドライブに行くなら必読。 速度無制限!?のアウトバーンは、 こんな高速道路だ。

 日本ではGWの帰省ラッシュがまだ記憶に新しいが、そんな中、早くも次の夏休みの旅行の予定を立てている人も多いのではないだろうか。もし、ヨーロッパを車で旅行する予定を立てているなら、ドイツのアウトバーンはとても気になる存在だろう。何しろ、夢の?速度無制限。走ったことがないと、いったいどうなってるんだろうと思いがちだが、意外と普通の高速道路でもある。そこで、よく聞くドイツのアウトバーンについての話をまとめてみた。

©dpa

アウトバーンっていつからあるの?

 アウトバーンは、1933年、ヒトラーによる自動車道路網の建設から始まった。これが世界で初めての本格的な高速道路になっていくのである。ちなみに、一部区間は、飛行機を離陸させるための滑走路としても利用できるよう設計されたという。

 長距離走行を考慮してパーキングエリアを設置するなど、アウトバーンの仕様は、戦後、世界各国の高速道路のモデルになっていく。またアウトバーンは、ドイツを世界屈指の自動車大国に成長させる礎としての役割を果たしていった。

 Autobahn(アウトバーン)の呼称は、ドイツ、スイス(のドイツ語圏)、オーストリアの高速道路に使われ、総距離は2016年の時点で12,993km、今でも延伸し続けている。ドイツ全土を網の目のように網羅し、ヨーロッパ隣国の高速道路と連結している。

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最高速度記録のテストコースだったことも

速度無制限って本当?どんな車が走っているの?

 乗用車は速度無制限。しかし近年は速度制限区間が多いので、走行中は速度制限標識に注意していただきたい。トレーラーを牽引している乗用車は100km/h、大型トラックとバスは80~100km/hに速度が制限されている。

 アウトバーンを走っているのは、ポルシェやランボルギーニのスポーツタイプから、2人乗りの小型車スマートまで様々である。日本人がイメージするスピード重視のアウトバーンに相当するものとして、1935年に初めて開通したフランクフルトからダルムシュタットまでの区間(A5)が挙げられるかもしれない。片側だけでも5~6車線ある直線道路で、かつてはメルセデス・ベンツのグランプリチームによって、最高速度記録のテストコースとしても使われていた逸話を持つ。

 一方、南ドイツ・アルペン地方の山岳部は、車線は少なくカーブと起伏の多い地帯だ。美しい山岳風景や橋からの眺めに目を奪われる。アウトバーンも区間によって様々だ。

©dpa

通行料金はいくら?

 現時点では無料。イギリス、オランダ、ベルギーなどの高速道路も同じく無料である。
 中央ヨーロッパに位置するドイツは交通の要だ。EUの統合により各国からの交通量が増加し、道路の整備維持に膨大な費用がかさんでいる。それゆえアウトバーンの有料化は絶えず議論の的となっている。

アウトバーンのメンテナンスや清掃などの費用は国民の税金から支払われている。 ©dpa

 欧州を横断してドイツから隣国に移動する場合、フランスやイタリアは走行距離に応じて通行料金を払うシステムを取っているので、日本と同じように料金所で高速料金を支払えばよい。
 注意しなければならないのが、期間に応じて支払うタイプのスイスとオーストリアである。国境を越える前のサービスエリアやガソリンスタンドで、Vignette(ヴェニエッテ)と呼ばれる通行証を買い、フロントガラスに貼っておく。これがないと罰金を取られるので留意しておきたい。

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サービスエリアは?

ドイツからスイスへ入る場合の検問所 ©dpa

 フランス、イタリア、オーストリアなどEU加盟国間での車の出入りは、国境に検問所はなくそのまま通過できる。スイスなどEU以外の国には検問所があり、国境警備員から停止を求められることがある。税関で申告すべきものがあるか、荷物の中身、運転免許証や身分証明書などをチェックされる。

アウトバーンの標識 ©dpa

 アウトバーンは無料であるため、一般道路から料金所なしに直結している。ドイツは右側通行である。日本と同じ感覚でうっかりして入口を間違え、逆走してしまうことがないよう注意が必要だ。

サービスエリアってどんななの?

 レストラン、スナック、売店、トイレ、宿泊施設、ガソリンスタンド、駐車場を備えた総合施設から、トイレと仮眠が取れる駐車場だけのもの、ガソリンスタンドだけのものなど、様々なサービスエリアが存在する。

サービスエリア内のレストラン ©dpa

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ドイツ料理にトライ!

 ドイツのガソリンスタンドの多くがセルフ型で、ドライバー自身が給油する。またトイレは有料が基本なので小銭を用意しておくと便利である。

 レストランは「イタリアほど美味しくないが悪くはない」とはドイツ人の友人の弁である。豚肉を平たく叩いて香ばしく揚げた豚カツ「シュニッツェル」や、マリネした豚肉をブラウンソースで蒸し煮した「ザウアーブラーテン」、各種ソーセージなどの定番ドイツ料理を試すのもいい。

サービスエリアの定番料理「ザウアーブラーテン」はドイツの母の味。柔らかい蒸し豚に煮込んだブラウンソースをかけ、レッドキャベツとジャガイモの団子の付け合わせでいただく。 ©dpa

 ヨーロッパならではなのが、アウトバーン・チャペルの存在だ。小さい礼拝堂(チャペル)がサービスエリアに隣接しているものから、年間300,000人が訪れる大きい教会まで、国内に8つの教会がある。旅の安全を祈願するのが由来だそうで、教会の戸は万民に開かれているので、気兼ねなく訪れることができる。

ベルリン郊外にある教会。小さいながらも厳かな雰囲気が漂う ©dpa

渋滞ってあるの?

 都市部では、朝夕の通勤ラッシュで渋滞する区間がある。
 多くのドイツ人は、車を利用して2~3週間の長期休暇に出かける。日本のGW渋滞のように、学校の夏休みが始まる時期の渋滞は慣例のことである。渋滞が集中しないように、州によって夏休みの開始をずらしているほどで、できるならピーク時は避けたいものである。

©dpa

2017年5月15日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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