2018年05月09日 15:00 掲載

写真ビストロ SNAP×SNAP 【三菱のラリーカーを集めてみた!】
1970年代から2000年代まで! 「ランサー」シリーズ大集合


PCWRCなどで活躍した「ランエボIX」

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CT9A型「ランサーエボリューションIX グループN仕様(奴田原文雄選手)」(2006年PCWRCモンカルロラリー優勝車)。全長4490×全幅1770(全高資料なし)、ホイールベース2625mm。車重資料なし。エンジンは排気量1997cc、水冷直列4気筒DOHCターボ「4G63」。最高出力は260ps(191.2kW)/5500rpm、最大トルクは50kg-m(490N・m)/3500rpm。駆動方式はフルタイム4WD。約10年前のイベントのモータースポーツジャパン2007にて撮影。

 2005年で三菱のWRCへのワークス参戦は終了となったが、2006年以降も市販の「ランエボ」シリーズをベースとした競技車両で、プライベーターの多くがWRCの下位クラスのPCWRCプロダクションカー世界ラリー選手権やアジアパシフィックラリー選手権、そして全日本ラリー選手権(JRC)などの各国の選手権に参戦した。

 PCWRCとは市販車ベースの競技車両で参加できる世界選手権で、その2006年シーズンの第1戦である伝統のモンテカルロ・ラリー(WRCと併催)で優勝を飾ったのが、2018年現在も日本人トップラリーストのひとりである奴田原文雄(ぬたはら・ふみお)選手だ。

 「ランエボIX(ナイン)」(CT9A型)のグループN仕様(改造範囲の制限されており、市販車に近い仕様)で参戦し、優勝を飾った。なお、その年のPCWRCでは惜しくも選手権2位となり王者を取れなかったが、並行して参戦したJRCの総合/JN4クラスでは王者となった。

 「ランエボIX」の市販車は2005年3月に登場し、先代「ランエボVIII」からの変更点は、左右に楕円形のエアダクトが設けられたフロントバンパー、ディフューザー形状一体型のリアバンパー、中空ウィング型のカーボン製大型リアスポイラーなどが採用されたことで、スタイルが一新されたこと。

 また「ランエボ」シリーズとしては初めて、三菱オリジナルの排吸気連続可変バルブタイミング機構「MIVEC(Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system:マイベック)」が採用されたこと。そのほかエンジンに関しては、チタンアルミ合金とマグネシウム合金を利用したターボが採用され、レスポンス向上や回転数全域での高出力化が図られた。

 ちなみに、「ランエボ」は「VII」から「IX」までが第3世代に区分される。

現時点でシリーズ最終モデルの「ランエボX」

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CZ4A型「ランエボX グループN仕様」(田口勝彦選手の2008年ラリージャパン参戦車両)。全長4495×全幅1810×全高1480mm、ホイールベース2650mm。車重1530kg。エンジンは排気量1998cc、水冷直列4気筒DOHCターボ「4B11」(MIVEC搭載)。最高出力は280~310ps(206~230kW)/6500rpm、最大トルクは43.0~43.7kg-m(421.7~429N・m)/3500rpm。トランスミッションは6速MTもしくはセミATの1種である6速TC-SST。駆動方式はフルタイム4WD。なお、スペックはすべて市販車のもの。

 「ランエボX」(CZ4A型)の発売は2007年10月のこと。「ランサー EX 2000ターボ」時代から改良される形で搭載されてきた「4G63」から、同年8月に発売された三菱「ギャラン フォルティス」から搭載されるようになった新型エンジン「4B11」にスイッチしたことが大きな特徴。それに加え、プラットフォームもスタイリングもすべてを一新しており、「ランエボ」の中では唯一の第4世代として、特別な位置付けの1台となっている。

 ただし、ハイテクを武器とする「ランエボ」らしさは踏襲しており、車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」や、6速トランスミッションに2つの自動クラッチを組み合わせたセミAT「TC-SST(Twin Clutch Sport Shift Transmission)」などを備えていた(5速MTも用意されており、競技用にはそちらが選ばれることが多い)。

 画像は、三菱系の日本人ラリーストである田口勝彦選手が、2008年のWRC第14戦ラリージャパンに、"三菱ディーラーチーム"としてグループN仕様の「ランエボX」でPCWRCにスポット参戦したときのマシン。田口選手は2012年からは全日本ダートトライアル選手権に主戦場を移しているが、それまでは三菱系日本人ラリーストのトップのひとりだった。このときは、田口選手はグループN/PCWRCクラスの7位(総合16位)で、「ランエボX」に乗った日本人選手の中ではトップとなった。

 「ランエボX」はファイナルエディションが2015年に発売され、そこで長い歴史を持つシリーズは終了。ただしJRCでは、奴田原選手ら"ランエボ使い"は2018年現在も「ランエボX」で参戦しており、ライバルのスバル「WRX STI」勢と最上位クラスのJN6で激戦を展開している。

2018年5月9日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)