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道路・交通最終更新日:2021.01.25 公開日:2021.01.25

【AD】雪に弱い?首都圏の道路交通網、ドライバーとしてできることを考えた。

首都圏の道路交通網は、しばしば積雪に弱いといわれる。首都圏では道路に雪が積もるほどの降雪は多くないため、ドライバーが雪を甘く見がちなことも原因の一つといわれる。また、立ち往生などで道路交通に支障を与えると、交通量が多いだけにその影響が大きく広がりやすい。首都圏ドライバーとして身につけておきたい、雪に対する心構えを考えてみた。

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首都圏でも積雪の可能性はあるので、それに備えておこう。画像提供:国土交通省

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 首都圏では、年間で合計しておおよそ1週間から2週間程度の日数、雪が降っている。しかし、たいていは積もるほどではないため、あまり印象に残らない。そのため、首都圏ではあまり雪が降らないというイメージが定着している。

 しかし希に積雪することもあり、そうなると各種交通機関は大きな影響を受け、社会も大きく混乱してしまう。鉄道のダイヤは乱れ、航空便も欠航。船舶に影響が出る場合もある。こうして、大雪が降る度に大きな混乱が生じるため、「首都圏は雪に弱い」とよくいわれる。

 道路交通も同様だ。鉄道などの公共交通網がマヒすると、悪天候下でも移動の大変さが少ないことから、クルマを利用する人が増える。ところが、雪道は首都圏のドライバーにとってあまり経験のない滑りやすい路面。そのため、スリップ事故などが各所で多発し、道路交通網もマヒしてしまう。結果、必要な生活物資の輸送や、救急車などの緊急車両の通行にも影響が波及することになる。

 積雪の際、マイカーを使用するのなら、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を装備していること、もしくはタイヤチェーンを装着していることが必要だ。これまで多くのドライバーが首都圏の積雪を甘く見て備えのないまま道路に出て、事故を起こしたり、立ち往生してしまったりしてきた。「自分だけは大丈夫」と楽観的に考えず、雪道を走るのならきちんとした装備をするよう肝に銘じよう。

2014年2月に起きた、国道246号玉川高架橋での雪によるスリップ状況。画像提供:国土交通省

2014年2月に起きた、国道246号玉川高架橋での雪によるスリップ状況。画像提供:国土交通省

雪道を走るのなら冬用タイヤへの交換かタイヤチェーンの装着を

 たとえ薄い積雪だったとしても、雪道をノーマルタイヤで走るのはやめよう。簡単にタイヤが滑ってしまうのはもちろん、慎重に運転しても制動距離が通常よりも伸びるため、ドライ時と同じ車間距離で走っていると追突する危険性が高くなる。首都圏でも1シーズンに1回は積雪があるという想定のもと、スリップや追突などの事故を招かないために、あらかじめ冬用タイヤに交換しておきたい。あるいは、タイヤチェーンをクルマに常備し、少しでも雪が積もったら装着することを忘れないようにしたい。

 もしも、冬用タイヤもタイヤチェーンも準備がなければ、積雪がある状況や積雪のありそうな予報が出ている状況では、クルマの運転を控えること。「降ったとしても積もらないだろう」「近場だしこの程度の雪なら余裕で走れるだろう」などと楽観的な判断を下さず、クルマでの出発を控えることが重要だ。

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雪道で走行する際のポイントを紹介

雪道を安全に走るための6つのポイント

 冬用タイヤへの交換、もしくはタイヤチェーンを装備したとしても、雪道では丁寧な運転を心がけることが大切だ。ここでは、雪道で安全運転をするための6つのポイントを紹介する。

積雪のある路面では、ブレーキの制動力が落ちるほか、突然スリップが発生することがある。いつも以上に十二分に車間距離を取って走ることが重要。画像提供:国土交通省

雪道では、ブレーキの制動力が落ちるほか、突然スリップが発生することがある。いつも以上に十二分に車間距離を取って走ることが重要。画像提供:国土交通省

●車間距離をいつも以上に取る
雪道ではタイヤのグリップ力が極端に下がるので、スリップしてしまう危険性がある。同時に制動力も下がることから、ドライ時よりも確実に制動距離が伸びる。いつもよりも車間距離を広く取るなど、安全を心がけて走行しよう。

●”急”のつく運転は禁物
雪道や凍結路面では、急発進、急加速、急停止、急減速、急ハンドルなど、”急”のつく運転は厳禁だ。これらはスリップ、最悪の場合はスピンを誘発し、事故や立ち往生につながる。

●橋の上は雪が降り積もりやすく凍結も起きやすい
橋の上は、川を渡ってくる風が吹き抜けるので雪が積もりやすく、路面温度も下がることから凍結も起きやすい。しかも、平坦ではなく坂道になっている橋も多く、下りの路面が積雪や凍結で滑りやすくなっている可能性も念頭に置いて走る必要がある。

●トンネルの出入口も注意が必要
トンネルの出入口も気をつけるべきポイントのひとつ。トンネル外の雪道とトンネル内の積雪のない路面とではタイヤのグリップ力が大きく変化することもある。

●雪道で立ち往生して道をふさいでいるクルマがあったら「#9910」に通報
雪道で立ち往生して道をふさいでいるクルマや、通行に支障が生じている雪だまりなどを発見したときは、道路緊急ダイヤルの「#9910」に通報しよう。ただし、激しい積雪の場合は、電話をかけようとして停車したら、それがきっかけで自分のクルマも立ち往生してしまうことも起こり得る。立ち往生しそうな危険性を感じたら、無理をしてまで通報はしなくてもよい。

●事前の情報収集も重要
気象情報や積雪による交通状況を把握しておけば、それに備えたルートを選ぶといったことも可能だ。また、雪道の経験がないというドライバーのため、国土交通省関連のページでは走り方のコツなどをまとめたページも用意されている。積雪のあるときは、以下のサイトやスマートフォンアプリを活用しよう(リンクはすべて、くるくら以外のサイトへ移動します)。

【交通情報】
JARTIC(日本道路交通情報センター)
全国の高速道路や一般道路の交通情報が5分ごとに更新されており、都道府県別に見ることが可能だ。首都圏の状況を確認したいときは、トップページに表示される地域のうちの「関東・甲信」をクリックし、目的の都県を選べば一般道の交通情報が表示される。また首都高速やNEXCOの高速道路も選択することが可能だ。iOSおよびAndroid用のスマートフォンアプリとして、「JARTIC渋滞情報」も用意されている。基本的には渋滞情報を扱うが、降雪による通行止め区間なども表示される内容だ。

ドラとら(ドライブトラフィック)
NEXCO3社が管理する全国の都市間高速道路の交通情報を確認することができる。表示内容を選択でき、渋滞や通行止めのほか、チェーン規制や冬用タイヤ装着なども用意されている。またほぼ同等のサイトとして、NEXCO3社による「iHighway ハイウェイ交通情報」も運用されている。なお、こちらはiOSとAndroid用のスマートフォンアプリも用意されている。

【気象情報】
tenki.jp(日本気象協会)
日本気象協会が運営する無料の気象情報サイト「tenki.jp」には複数のサービスが用意されており、そのうちで全国の高速道路の情報を扱っているのが新サービス「道路の気象影響予測」だ。首都高やNEXCOの都市間高速のルート沿いもしくは都道府県別にそこを通る高速道路について、どのような気象による影響を受けるリスクがあるのか、最大48時間先まで区間ごとに確認することが可能だ。こちらもスマートフォン用アプリが用意されている。

【雪道での走行のコツ】
雪道の安全走行のために(国土交通省 関東地方整備局)
国土交通省 関東地方整備局によってまとめられた雪道での安全走行について、画像つきで解説したページ。

冬道の備え(国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所)
東京国道事務所の「防災」メニュー内のコンテンツのひとつ。各種情報のリンク集や、雪道を走る際の携行品チェックリストなどが用意されている。


 雪道をクルマで走るのなら、きちんと装備を調える必要がある。装備がないのなら、走ってはならない。無理をして走ると、自分だけではなく、他のクルマや周囲の歩行者、さらには道路交通網を利用する社会の多くの人に迷惑をかける恐れがある。その点を理解し、無理な雪道での走行を控えるようにしたい。

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