2020年07月13日 12:10 掲載

交通安全・防災 現行車種の安全性能がわかる! JNCAP得点一覧。マツダ・スバル・スズキ編

国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が、毎年実施している新車の安全性能評価試験JNCAP(自動車アセスメント)。ここでは現行車種の試験結果を、メーカー別にして衝突安全と予防安全の2種類の得点を一覧にして掲載する。ここでは、マツダ、スバル、スズキの3メーカー計30車種を取り上げる。

神林 良輔

マツダの安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」のイメージ図。

マツダの安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」のイメージ図。

 JNCAPの2種類の安全性能評価試験のうち、衝突安全性能評価に関しては、2011年度から2017年度までは208点満点として、ほぼ同一の試験内容と得点算出方法によって評価が行われてきた。そこで今回は現行車種のうち、2011年度以降に評価試験を受けた車種を取り上げた。なお試験内容の変更はないが、2018年度からは得点の算出方法が大きく変更となり、100点満点となった。また衝突安全性能は、その得点によって得られる★の数でも評価が表される。最高評価は★が5つの「ファイブスター賞」だ。

 一方、予防安全性能評価試験は2014年度に40点満点でスタートし、毎年新たな試験項目が追加され、6年目となる2019年度は141点満点だった。予防安全性能評価は、その得点によってASV(※1)としての評価が与えられる。2014年度・2015年度は最高ASV+まで、2016年度・2017年度は最高ASV++(ダブルプラス)までの2段階、2018年度以降はASV+++(トリプルプラス)までの3段階評価となっている。

※1 ASV:Advanced Safety Vehicleの略。先進安全自動車のこと。

 このほか、2017年度までに発売された車種は、安全運転支援システムの機能向上などが行われていることが多い。そこで2020年7月現在、どのような機能を装備しているかがわかるよう、車種ごとに「安全運転支援システムのアップデート履歴」も記載した。

SUV3車種と軽自動車4車種が評価を受けたマツダ

マツダ「CX-5」の基本骨格。SKYACTIV-BODYのコンセプトで開発された基本骨格だ。

マツダ「CX-5」の基本骨格。SKYACTIV-BODYのコンセプトで開発された基本骨格だ。

 マツダの車両開発に関する先進技術は「SKYACTIV」(スカイアクティブ)と総称される。同技術は、エンジン、トランスミッション、プラットフォーム、それらの統合制御技術など多岐にわたる。その中でボディの衝突安全性能や軽量化、高剛性化などを扱うのが「SKYACTIV-BODY」(スカイアクティブ・ボディ)だ。基本骨格のストレート化と連続化、アッパーボディとアンダーボディをつなぐ4つの環状構造などにより、従来比約30%の高剛性化と、約8%の軽量化を実現したという。さらに、衝撃を骨格全体に分散させる構造を採用し、衝突安全性能を高めている。常に新型モデルでは改良が重ねられており、高張力鋼板の採用比率を増やすなどして、高性能化が進展中だ。

 そしてマツダの安全運転支援(予防安全)システムは、「i-ACTIVSENSE」(アイ・アクティブセンス)と呼ばれる。センサーはミリ波レーダーとカメラで構成され、衝突被害軽減ブレーキのほか、各種安全運転支援機能がパッケージングされた内容だ。

 このほか軽自動車に関しては、マツダはすべてスズキからOEM供給を受けている。そのため、衝突安全に関してはスズキの軽量衝撃吸収ボディ「TECT」(※2)が採用されている。安全運転支援システムも「スズキ セーフティ サポート」だ。ただし、マツダ車ではそれらの名称は使用されていない。

※2 TECT:Total Effective Control Technologyの略。直訳すると、「トータルの効果的な制御技術」。スズキでは「軽量衝撃吸収ボディ」としている。

マツダ「CX-5」の各種センサーの範囲。

マツダ「CX-5」の各種センサーの範囲。i-ACTIVSENSEはこのようなセンサー類で構成される。

【SUV】
●CX-3(初代・2015年2月発売)

衝突安全:188.2点/208点満点 ★★★★★(2015年度)
予防安全:99.8点/126点満点 ASV+++(2018年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:2018年5月に、夜間歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキをマツダ車で初採用したほか、全車速追従機能など、i-ACTIVSENSEの一部機能を全車標準装備。2020年5月に、i-ACTIVSENSEを全車標準装備。

●CX-5(2代目・2017年2月発売)

衝突安全:187.3点/208点満点 ★★★★★(2017年度)
予防安全:115.4点/126点満点 ASV+++(2018年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:2017年8月に、i-ACTIVSENSEを全車標準装備。2018年10月に、衝突被害軽減ブレーキに夜間歩行者検知機能を追加。

●CX-8(初代・2017年12月発売)

衝突安全:193.9点/208点満点 ★★★★★(2017年度)
予防安全:115.0点/126点満点 ASV+++(2018年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:i-ACTIVSENSEを全車標準装備。2018年10月に、衝突被害軽減ブレーキに夜間歩行者検知機能を追加。

【軽自動車】
●キャロル(7代目・2014年12月発売)

衝突安全:158.2点/208点満点★★★★☆(2015年度)
予防安全:9.0点/40点満点 ASV(2014年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:「キャロル」はスズキ「アルト」のOEM供給車のため、安全運転支援システムはスズキ セーフティ サポートを備える(発売時は、衝突被害軽減ブレーキを全車標準装備)。2018年12月に、衝突被害軽減ブレーキの機能向上を実施したほか、スズキ セーフティ サポートの機能を拡充。

●フレア(2代目・2017年3月発売)

衝突安全:163.0点/208点満点★★★★☆(2017年度)
予防安全:58.9点/79点満点 ASV++(2017年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:「フレア」はスズキ「ワゴンR」のOEM供給車のため、安全運転支援システムはスズキ セーフティ サポートを搭載(発売時は、メーカーオプション設定)。2020年1月に、スズキ セーフティ サポートを全車標準装備に(装備しない選択も可能)。同時に、ペダル踏み間違い時加速抑制(後退時)など、機能も拡充。

●フレアワゴン/フレアワゴン カスタムスタイル(3代目・2018年2月発売 ※3)

衝突安全:157.6点/208点満点★★★★☆(2017年度)
予防安全:56.7点/79点満点 ASV++(2017年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:「フレアワゴン/フレアワゴン カスタムスタイル」はスズキ「スペーシア/スペーシア カスタム」のOEM供給車のため、安全運転支援システムはスズキ セーフティ サポートを搭載(発売時は、衝突被害軽減ブレーキなどを全車標準装備)。

※3 フレアワゴン カスタムスタイル:「フレアワゴン」の上級モデル。

【商用車】
●スクラム(5代目・2015年2月発売)

衝突安全:148.0点/208点満点★★★☆☆(2015年度)
予防安全:7.7点/40点満点(2014年度)
安全運転支援システムのアップデート履歴:「スクラム」はスズキ「エブリイ」のOEM供給車のため、安全運転支援システムはスズキ セーフティ サポートを装備(発売時は、衝突被害軽減ブレーキなどを全車標準装備)。

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続いてスバル12車種とスズキ11車種

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