2019年06月14日 10:30 掲載

交通安全・防災 【JNCAP2018】衝突安全性能評価試験、前期4車種+後期7車種で1位だったのは? 動画ありの総合ランキング


くるくら編集部 日高 保

第8位:オデッセイ(ホンダ)

合計:83.9点 ★★★★★

乗員保護:55.30点 歩行者保護:26.61点 シートベルト着用:2.00点 感電保護

試験に用いられたグレード:HYBRID ABSOLUTE EX Honda SENSING(RC4型)
衝突安全ボディ:新・衝突安全設計ボディG-CON エアバッグ:乗員保護用6点

ホンダ オデッセイ 5代目|honda odyssey 5代目

ミニバン・5代目「オデッセイ」(2013年11月発売)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 今回衝突安全性能評価試験を受けた11車種のうち、発売時期が最も古いのが5代目「オデッセイ」だ。他車が2017~2018年の発売に対し、同車のみ2013年である。つまり基本設計は2013年のままなのだが、それにもかかわらず2018年度の試験でファイブスター賞を獲得した。その原動力となったのが、ホンダの衝突安全の根幹をなす技術「G-CON」だ。同技術が発表されたのは1998年であり、それだけ時間をかけて進化してきている。

 また、「歩行者傷害軽減ボディ」もホンダでは1998年に初搭載され、「オデッセイ」も当然のごとくその考え方に基づいて開発されている。例えば、どうしても構造上硬くなりがちなフェンダー。それを取り付ける金具をつぶれやすくすることで、歩行者が衝突した際の衝撃を吸収するようにしてある。同様にワイパーピボットも加害性の高い部品。衝撃が加わるとワイパーの付け根にあるシャフトが動いて衝撃を吸収する構造だ。

 そのほか、ヘッドランプのクリアーパーツもどうしても硬くなってしまうが、装置下部に空間を持たせて変形しやすくしたり、フロントウインドー支持部は下側に空間を持たせてくぼみやすくしたり、ボンネットヒンジ部は折れ曲がりやすくしたりすることで歩行者が衝突したときの衝撃を逃がすようにしているのである。

動画再生時間:2分27秒。フルラップ前面衝突試験:12秒頃。オフセット前面衝突試験:41秒頃。側面衝突試験:1分11秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分41秒頃。歩行者頭部保護性能試験:2分頃。歩行者脚部保護性能試験:2分14秒頃。

第9位:ミラ トコット(ダイハツ)

合計:81.5点 ★★★★

乗員保護:50.34点 歩行者保護:28.24点 シートベルト着用:3.00点

試験に用いられたグレード:G "SAIII"(LA550S型) 軽自動車 ※後期に試験を受けた車種
衝突安全ボディ:衝突安全ボディTAF(Total Advanced Function:タフ)
エアバッグ:乗員保護用6点

ダイハツ ミラ トコット 初代|daihatsu mira tocot 1st

軽自動車・初代「ミラ トコット」(2018年6月発売)。「モータースポーツジャパン2019」にて撮影。

 軽自動車で初となる乗員保護用エアバッグ6点(運転席・助手席、運転席・助手席用サイドエアバッグ、前後席用カーテンシールドエアバッグ左右)を標準装備したのが「ミラ トコット」だ。また前席のシートベルト締め忘れを警告する機能を搭載しており、シートベルトの着用警報装置の得点だけで見た場合、3.00点は全11車中の第3位となっている。

 また衝突安全ボディ「TAF(タフ)」の基本性能が高い。TAFは「Total Advanced Function body」の略であり、"総合的に衝突安全機能が進化したボディ"という意味の造語だ。ご存じの通り軽自動車は日本独自の規格だが、ダイハツではJNCAPだけでなく、欧州の衝突安全基準も余裕を持ってクリアできるよう開発。厳しい衝突実験でも、高い衝撃吸収性能と強固なキャビンにより十分な生存空間が確保されている。

 歩行者への安全性も考慮されており、歩行者保護だけで見た場合は全11車中5位。万が一の歩行者との衝突事故に対し、ワイパーピボット、ボンネットヒンジ、フェンダー、カウルトップ(ボンネットフード後端)など、どうしても構造上ある程度の硬さを必要とする部分でも衝撃緩和構造や衝撃吸収スペースなどを設け、歩行者保護性能が高められている。軽自動車は規格上の問題などもあって普通車と同等の機能を搭載しにくく、得点が低くなりがちだが、健闘しているといえよう。

動画再生時間:2分23秒。フルラップ前面衝突試験:11秒頃。オフセット前面衝突試験:38秒頃。側面衝突試験:1分5秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分32秒頃。歩行者頭部保護性能試験:1分53秒頃。歩行者脚部保護性能試験:2分9秒頃。

第10位:ジムニー(スズキ)

合計:81.4点 ★★★★

乗員保護:53.71点 歩行者保護:23.70点 シートベルト着用:4点満点

試験に用いられたグレード:XC(JB64W型) 軽自動車 ※後期に試験を受けた車種
衝突安全ボディ:軽量衝撃吸収ボディTECT エアバッグ:乗員保護用6点

スズキ ジムニー 3代目|suzuki jimny 3rd

軽クロスカントリー車・3代目「ジムニー」(2018年7月発売)。「人とくるまのテクノロジー展2019」にて撮影。

 軽自動車でありながら本格的な4WDクロスカントリー車である「ジムニー」は、スズキの軽量衝撃吸収ボディ「TECT」を採用している。衝突時の衝撃を効率よく吸収分散するため、高張力鋼板を採用し、またはコンピューターによる構造解析も駆使して、安全性と軽量化の両立が図られた。一方で、4WDクロスカントリー車としての頑丈さが必要なことから、伝統のラダーフレームをこの3代目も採用しているため、スズキの衝突安全性能を高めたプラットフォーム「HEARTECT」は採用されていない。シートベルトの着用は4点満点。満点は全11車種中2台のみである。

 フロント部分は歩行者保護構造。フロントバンパーは衝撃を吸収することで、万が一の接触事故でも脚部の傷害を軽減する。また、接触事故で歩行者がボンネット上に乗り上げてしまった場合に頭部の傷害を軽減するため、ワイパーピボット、ボンネットヒンジ、フードパネル、フェンダー、カウルトップ(ボンネットフード後端)などに衝撃吸収構造が持たせられている。

動画再生時間:2分34秒。フルラップ前面衝突試験:11秒頃。オフセット前面衝突試験:42秒頃。側面衝突試験:1分10秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分43秒頃。歩行者頭部保護性能試験:2分4秒頃。歩行者脚部保護性能試験:2分19秒頃。

第11位:N-VAN(ホンダ)

合計:78.5点 ★★★★★

乗員保護:50.38点 歩行者保護:26.16点 シートベルト着用:2.00点

試験に用いられたグレード:L Honda SENSING(JJ1型) 軽自動車 ※後期に試験を受けた車種
衝突安全ボディ:新・衝突安全設計ボディG-CON エアバッグ:乗員保護用2点

ホンダ N-VAN 初代|honda n-van 1st

軽バン「N-VAN」(2018年7月発売)。商用モデルだけでなく、乗用モデルの「+STYLE FUN」や「+STYLE COOL」などもラインナップされている。JNCAP2018前期発表会にて撮影。

 2代目「N-BOX」をベースに開発された「N-VAN」の基本骨格にも、ホンダの安全技術「G-CON」が導入されている。

 ただし「N-VAN」は、「N-BOX」にはあった衝突安全性能上重要なパーツがひとつ外されている。同車は助手席側の開口部を大きくするため、助手席側のセンターピラー(Bピラー)がない「センターピラーレス構造」を採用しているのだ。衝突安全性能やボディ剛性はその分低下しているが、それに対する解決策がもちろん盛り込まれている。助手席側の前部ドアおよび後部スライドドアには閉じたときにセンターピラーの機能を果たす「ドアインピラー構造」が採用されているのだ。これにより、走行時はセンターピラーがあるのと同等の衝突安全性能が確保されているのである。

動画再生時間:2分31秒。フルラップ前面衝突試験:11秒頃。オフセット前面衝突試験:40秒頃。側面衝突試験:1分8秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分37秒頃。歩行者頭部保護性能試験:2分2秒頃。歩行者脚部保護性能試験:2分17秒頃。

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