2019年06月14日 10:30 掲載

交通安全・防災 【JNCAP2018】衝突安全性能評価試験、前期4車種+後期7車種で1位だったのは? 動画ありの総合ランキング


くるくら編集部 日高 保

衝突安全性能評価試験2018年度総合ランキング

 ランキングで、過去最高得点を更新した車種には、「衝突安全性能評価大賞」が与えられる。2018年度は評価方法が100点満点方式に改められたため、最高得点を出した車種に与えられた。また「感電保護」とあるのは、ハイブリッド車やEVが受ける試験で、衝突後に車体が大きくダメージを負った状態で、乗員が高電圧部分に触れて感電しないことが確認されたものに与えられる。総合得点は以下の基準で★が与えられ、82.0点以上の車種には最高評価の「★★★★★(ファイブスター)賞」が贈られる。

【★の条件】
●82.0点以上:★★★★★
●72.5点以上82.0点未満:★★★★
●63.0点以上72.5点未満:★★★
●53.5点以上63.0点未満:★★
●53.5点未満:★

歩行者保護性能評価の頭部保護性能試験のイメージ。乗員保護性能が高いだけでは高得点は狙えない。歩行者をどれだけ保護できるかがポイントだ。スバルは、ワイパーのピボットなどがあるフロントウインドー下部のとても固い部位に対し、歩行者保護エアバッグを用意。同部位への頭部の打ちつけた際の歩行者へのダメージを軽減している。

第1位:クラウン(トヨタ)

合計:96.5点 ★★★★★ 衝突安全性能評価大賞

乗員保護:57.11点 歩行者保護:36.51点 シートベルト着用:2.92点 感電保護

試験に用いられたグレード:2.5L RS Advance(AZSH20型) ※後期に試験を受けた車種
衝突安全技術:衝突安全ボディGOA(Global Outstanding Assessment:ゴア)
エアバッグ:乗員保護用7点

トヨタ クラウン 15th|toyota crown 15th

上級セダン・15代目「クラウン」(2018年6月発売)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 乗員保護、歩行者保護、シートベルトの着用でそれぞれ異なる得点ながら、トヨタ「クラウン」とスバル「フォレスター」が総合得点で同点。両車を比較した場合、「クラウン」は歩行者保護性能が高い。それを実現している機能が、「予防連携機能付きポップアップフード」だ。

 ポップアップフードは、歩行者との接触事故においてボンネットフード後方を瞬時に持ち上げてフード下の空間を広げることで、ボンネット上に乗り上げた歩行者が頭部を打ち付けらた際に衝撃を緩和する。そして予防連携機能とは、衝突被害軽減ブレーキの作動に連携しており、ポップアップフードの作動をスタンバイさせる機能のことである。

 そのフードを初め、フェンダーやカウルなどの前面パーツも、歩行者の頭部や脚部などへの衝撃を緩和する衝撃吸収構造である点も高得点につながった。

動画再生時間:2分30秒。フルラップ前面衝突試験:12秒頃。オフセット前面衝突試験:40秒頃。側面衝突試験:1分10秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分40秒頃。歩行者頭部保護性能試験:2分頃。歩行者脚部保護性能試験:2分15秒頃。

第1位:フォレスター(スバル)

合計:96.5点 ★★★★★ 衝突安全性能評価大賞

乗員保護:58.46点 歩行者保護:34.08点 シートベルト着用:4.00点 感電保護

試験に用いられたグレード:(型) ※後期に試験を受けた車種
衝突安全技術:スバルグローバルプラットフォーム(衝突安全ボディ)
エアバッグ:乗員保護用7点+歩行者保護用1点

スバル フォレスター 5代目 Advance SKE型|subaru forester 5th advance ske

クロスオーバーSUV・5代目「フォレスター」(2018年7月発売)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「クラウン」と同点1位となり、共に衝突安全性能評価大賞を受賞したスバル「フォレスター」。「クラウン」と比較した場合、乗員保護性能が高かった。また、シートベルトの着用が4点満点で、これは11車種中2車種のみだった。

 高い乗員保護性能の根幹をなしているのが、「スバルグローバルプラットフォーム」だ。その特徴のひとつが、キャビンを強固なピラーやフレーム類で囲むように結合し、衝突によるキャビンの変形防止を目的とした「新環状力骨構造」を採用していること。これにより、衝突エネルギーの吸収効率が従来よりも大きく向上。同時に、スバル車ならではの水平対向エンジンも乗員保護性能の高さに一役買っている。同エンジンは全高が低いため、前面衝突時にフロア下に潜り込みやすい。衝突時にエンジンがキャビンに入り込んでくると、生存空間を圧迫したり、脚部を損傷するなどの危険性があるが、水平対向エンジンはそれを防ぎやすいのである。

 また歩行者保護性能については、ワイパーピボットなど、フロントウインドー支持部の硬いパーツがある部分を覆う「歩行者保護エアバッグ」が装備されている。「フォレスター」と「クラウン」のみが歩行者保護の得点が30点を超えた。

動画再生時間:2分27秒。フルラップ前面衝突試験:12秒頃。オフセット前面衝突試験:40秒頃。側面衝突試験:1分8秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分38秒頃。歩行者頭部保護性能試験:1分58秒頃。歩行者脚部保護性能試験:2分12秒頃。

第3位:エクリプス クロス(三菱)

合計:89.7点 ★★★★★

乗員保護:56.96点 歩行者保護:29.96点 シートベルト着用:2.83点

試験に用いられたグレード:G(GK1W型)
衝突安全技術:衝突安全強化ボディRISE(Reinforced Impact Safety Evolution:ライズ)
エアバッグ:乗員保護用7点

三菱 エクリプス クロス|mitsubishi eclipse cross

新型クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」(2018年3月発売)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「エクリプス クロス」は全方位での高い衝突安全性能を求めて、三菱の衝突安全強化ボディ「RISE」のコンセプトに基づいて開発された。フロント部分はオーバーハングが短いことから、スタイリングと衝突安全性能を両立させるため、エンジン下のサブフレーム、サイドメンバーなどの最適化が図られ、衝突時のエネルギー吸収効率が高められた。

 またキャビン部分では、センターピラーおよびボディ下部のシートクロスメンバー断面の拡大、サイドルーフレールへの補強などを行うことで、側面衝突でも効率よくエネルギーを吸収できるように設計し、キャビンの変形を防いでいる。

 リアもフロントと同様にオーバーハングが短いことから、スタイリングと衝突安全性能を両立させるため、サイドメンバーなどの最適化が行われた。その結果、衝突時のエネルギー吸収効率を高めることに成功している。

動画再生時間:2分30秒。フルラップ前面衝突試験:12秒頃。オフセット前面衝突試験:42秒頃。側面衝突試験:1分11秒頃。後面衝突頸部保護性能試験:1分43秒頃。歩行者頭部保護性能試験:2分3秒頃。歩行者脚部保護性能試験:2分17秒頃。

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