2022年01月12日 20:10 掲載

次世代技術 ソニーは本気でEVメーカーを目指すのか? 試作車第2弾「VISION-S 02」に込められた真の目的とは


文・会田 肇 写真=SONY

リスクが大きい中、EV市場にソニーはどう関わるのか

「VISION-S 02」の車高は、「VISION-S 01」よりも高めになっている(写真提供=SONY)SUV車型の「VISION-S 02」はセダンである「VISION-S 01」と共通のプラットフォームで開発されている(写真提供=SONY)

 それでも、自動車を家電メーカーが手掛けるにはリスクが大きい。掃除機で知られるダイソンもEV事業計画からの撤退を決めたし、韓国ヒョンデ自動車と手を結ぶとの噂も立ったアップルでさえ、その後の計画は今もなお明確ではない。また、雨後の竹の子のようにEVメーカーが相次ぐ中国でも、高級EVとして参入したバイトンは経営が行き詰まって破産手続きが始まっている。一方で低価格のEVメーカーが中国の地方部を中心に販売を伸ばしているが、ソニーがこの分野に参入するとは思えない。

 こうした市場の状況は当然ソニーも熟知しているだろうし、今ここで一足飛びに第2、第3のテスラとなるとも考えていないはずだ。確実なのは、ソニー自身がEVの生産ラインを持つことはないということ。仮にソニーがEVを販売するにしても、現在、プロトタイプの試作を依頼しているマグナ・シュタイヤーなどの会社との協業は避けて通れない。となれば、ソニーモビリティがまず手掛けるのは、これから急拡大していくEV市場の中で、ソニーならではの独自性を出せるソリューションの提供になるのだと思う。仮にソニーがEVを量産化するにしても、こうしたステップを踏んでからのことになるのではないだろうか。

セダンタイプ「VISION-S 01」のように、「VISION-S 02」でもガラスルーフを備えている(写真提供=SONY)セダンタイプ「VISION-S 01」のように、「VISION-S 02」でもガラスルーフを備えている(写真提供=SONY)

ダッシュボード正面にディスプレイを横一列に配置し、包まれる感を演出。センターのディスプレイでは手元で各種設定が操作できる(写真提供=SONY)ダッシュボード正面にディスプレイを横一列に配置し、包まれる感を演出。センターのディスプレイでは手元で各種設定が操作できる(写真提供=SONY)

セカンドシートはセパレート型。7人乗りということだが、サードシートはエマージェンシー的なものと推定(写真提供=SONY)セカンドシートはセパレート型。7人乗りということだが、サードシートはエマージェンシー的なものと推定(写真提供=SONY)

 しかも、電動で走るEVはアップデートによって機能改善を行いやすい。加減速だけでなく乗り心地や走行安全性に関わる電子制御サスペンションの設定など、ソフトウエア上で制御できる部分は継続的に改善ができるようになる。これらの対応は当然パーソナライズ化にも応用できる。たとえば、スマホを車内に持ち込めば、自分好みに最適化された状態で発進できるといった具合だ。そこはソニーがもっとも得意とする分野。そんなことをソニーはEVで実現しようとしているのではないか。

 果たして近い将来、ソニー製EVが市場に登場するのか、あるいは新たなソリューションを介してソニーがEVで活躍する場が増えてくるのか。いずれにしろ、ソニーがEV市場に本格的に関わることで、EVに対する新たな指標が示されるようになるのは間違いないだろう。

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