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クルマ最終更新日:2018.09.14 公開日:2018.09.14

「MINIATURE LIFE 展 田中達也 見立ての世界」レポート

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プレス内覧会のギャラリートークの最中に、その場でイラストとサインを壁にしたためた田中達也さん。田中さんのトレードマーク的な存在としてファンに認知されているブロッコリーを描いていた。田中さん曰く、「ブロッコリーは作品として使うのは好きですが、食べるのは嫌いなんですよね(笑)」。

 9月12日から日本橋高島屋でスタートした、ミニチュア写真家・見立て作家である田中達也さんの個展「MINIATURE LIFE 展 田中達也 見立ての世界」(内容に関しての詳細はこちら)。同日、開館前にプレス内覧会が実施され、来場した田中さんが自身の作品を案内するギャラリートークを実施した。

 田中さんの個展では、来場者は展示作品の撮影が可能で、SNSへのアップを推奨している。しかも、1年前に新宿高島屋で初の個展が開催された時は撮影不可の作品もあったが、今回はすべてが可能だ。

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巨大ブロッコリーの側に立つ田中さん…ではなく、これもまたミニチュア作品だ。

インターネット上の毎日の公開はライブ・個展はアルバム

 今回の個展に対し、田中さんは公式サイトの「MINIATURE CALENDAR」で日々アップしている画像がライブなら、個展はテーマに沿って作品を分類した「アルバムのようなイメージ」である。

 テーマは、「Workers」から「New Season」までの10種類を用意し、これまでの作品を分類して展示した。その中で「New Season」だけは少々特別。これまでの個展では撮影不可だった大型ミニチュア作品が並べられている。そしてこれら10のテーマの作品とは別に、初公開のミニチュア作品3点がある。

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ふたつ目のコーナーの「Sports」から3つ目の「Adventure」の方を見たところ。奥に見える巨大キノコは撮影スポットのひとつ。壁を挟んだ向こうに背中合わせでもうひとつの撮影スポットの「竹」がある。

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展示されている作品をいくつかピックアップ!

「Sports」コーナーの「チャーフィン」をよく見てみると…!

 従来作品のうち、ダイナミックさで目を引いたのが、「Sports」コーナーの「チャーフィン」。田中さんは作品制作で食品サンプルもよく利用するが、中華鍋から勢いよく宙に舞ったチャーハンを波に見立てたのがこの作品だ。

 つい、ダイナミックなチャーハンに目が奪われがちだが、その波に乗っているサーファーも見落としてはいけない。入口側からはこのサーファーは見えないので、しっかりと回り込んで確認するのがポイントだ。

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チャーハンでサーフィンするから「チャーフィン」。ひとつ前の画像の左下にも「チャーフィン」が写っているが、ご覧の通り手前からだとサーファーが見えないので、見落とさないように注意しよう。

撮影スポットの「竹」での撮影のコツ!

 今回の撮影スポットに用意されているのは、巨大キノコと竹。田中さんは竹の方がお気に入りで、こちらでの撮影のコツを披露した。「単に竹をすべて収まるように縦長で撮影したのではパッとしませんので、上下をうまくトリミングしてください。アングルも工夫すると、まるで竹林の中にいるように見えます」という。不必要な部分をどう削るかがポイントなのである。

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「MINIATURE CALENDAR」で、2015年7月7日を飾った「Bamboo forest」の竹を巨大化。ストローを竹に見立てたものだ。アングルとトリミングの仕方を工夫して、竹林の中にいるように撮影してみよう。

コーナー「New Season」では、撮影解禁の作品が複数!

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「帰り道」のアップ。2畳ほどの畳を利用し、畳縁(たたみべり)を道に見立て、畳表を収穫期の水田に見立てている。

 「New Season」のコーナーで展示されていたのが、「帰り道」と「ハッとして青ザメる出来事」といった大型のミニチュア作品たちだ。これらは、これまでの個展では撮影できなかったのだが、今回は撮影解禁となった。そうした中でオススメなのが、見る角度で表情が変わる「ひよっこの街」。

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この画像の右側には、ローアングルからハイアングルまで、3つののぞき穴が用意されたついたてが立っている。街並みがまったく違って見えるので、ぜひのぞき込んでみよう。

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新作最大の作品にフォーカス!

新作は3作品! 最も制作が大変だったのはこれだ!

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新作3作品のうちのひとつで最大サイズの「日本橋はケーキがいい」。リニューアルして大型ショッピングセンターに生まれ変わる予定の日本橋高島屋S.C.をモチーフにしたミニチュア作品だ。ケーキが日本橋高島屋S.C.にしか見えない。

 今回の新作は、日本橋高島屋のリニューアルを題材としており、大型ショッピングセンター「日本橋高島屋S.C.」に生まれ変わるのだが、それを題材としたのが「日本橋はケーキがいい」だ。何でも、これまでの全作品の中で、制作に最も労力を費やしたという。日本橋高島屋S.C.をケーキで見立て、周囲のシャンパンなども手伝ってゴージャスさが演出されている。

 残りの2作品は、東京メトロ・銀座線の日本橋駅の朝の通勤時間をイメージした「スヌーズに運行しています」と日本橋高島屋本館6Fの宝飾品コーナーをイメージした「6階宝飾品売場でございます」。「スヌーズに運行しています」は朝の時間帯を象徴する、目覚まし時計やタオル、歯ブラシなどが駅の構造物に使われているのが特徴。「6階宝飾品売場でございます」は宝石箱で宝飾品売場を表した内容となっている。

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「日本橋はケーキがいい」をローアングルから。日本橋高島屋S.C.のすぐ近くに立っているような錯覚を覚えてしまう出来映え。田中さんは2011年からミニチュア作品作りを続けているが、この作品はその中でも「最も大変でした」という、最大の力作だ。

自分でも家にあるもので見立ててみてほしい

 田中さんは、ギャラリートークの最後で、来場者へのコメント。「写真をたくさん撮ってもらって、それをお土産として持って帰っていただいて、ご自宅でも身の回りのものを使って見立ててみてほしい」ということだった。田中さん自身、驚かされるような見立て作品がSNSにアップされることを期待しているという。田中さんの作品にインスパイアを得て、自宅で挑戦してみるのも楽しいだろう。

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