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クルマ最終更新日:2018.08.10 公開日:2018.08.10

ドライブレコーダーが録画できていないケースが急増?

 独立行政法人国民生活センターは8月2日、ドライブレコーダーの使用実態とSDカードのメンテナンスに関する注意喚起を発表した。

肝心の映像が記録できていないケースが増えている?

 自動車のフロントガラスなどに取り付け、運転時の映像を録画することができるドライブレコーダー。万が一の事故の際には当事者の証言が異なることも多いのだが、ドライブレコーダーの記録があれば、どちらが正しいかが判断しやすいため、マイカーへの普及が急速に伸びている。国内出荷台数も2016年度は約140万台であったのに対し、2017年度には約260万台とほぼ倍増した(一般社団法人 ドライブレコーダー協議会調べ)。

 国民生活センターによると、出荷台数の増加に伴って、ドライブレコーダーに関する問い合わせも増えているとのこと。全国の消費生活センターに寄せられた問い合わせが管理されているPIO-NET(パイオネット)には、ドライブレコーダーに関する相談が2013年度以降444件、そのうち「映像が残っていなかった」など記録に関する相談は88件寄せられており、年々増加している傾向にある。

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あなたのドライブレコーダー、録画データがしっかり残っていますか?

 ここで、PIO-NETに実際に寄せられた具体的な事例をいくつか紹介する。

【事例1】
当て逃げ事故に遭い、警察からドライブレコーダーの映像提供を求められたが、5か月前から作動しておらず事故当時の映像が録画されていなかった。

【事例2】
ドライブレコーダーは普通に作動していると思い、運転を続けていた。交通事故に遭い事故の様子を確認しようとしたが、ドライブレコーダーには何も映っていないことがわかった。

【事例3】
10か月前にドライブレコーダーを購入した。事故時の映像を確認しようとしたら、取り付け後2週間分の映像しか残っていなかった。

 これらの事例は、映像の記録媒体であるSDカードに異常があったことも原因のひとつであるといわれており、国民生活センターにも「SDカードの異常によって映像が記録できていない」というテスト依頼が寄せられたことから、さらに調査を進めたところ「SDカードの正しい使い方が浸透していない」という問題点が見えてきたという。

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SDカードにはメンテナンスが必要?

SDカードのメンテナンス、約6割が「知らない」「していない」

 ドライブレコーダーの記録媒体として多く使われているSDカードだが、実は定期的なフォーマットや交換が必要なことをご存知だろうか。

 国民生活センターでは「SDカードの異常によって映像が記録できていない」という事例が多く寄せられていることから、今年6月にドライブレコーダーの使用実態についてアンケート調査を実施。ドライブレコーダーを使用している18歳以上の男女2,000名を対象に、SDカードのメンテナンスについて調べたところ、以下のような結果となった。

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 このアンケートによって、ドライブレコーダーを使用している約6割の人が、SDカードのフォーマットや交換をしていないことが判明した。

ドライブレコーダー用のSDカードは消耗しやすい

 ドライブレコーダーの多くは、エンジン始動からエンジン停止までの映像を自動でSDカードに記録し続けている。また、SDカードの容量がいっぱいになると古い映像から順に上書きされていくタイプが主流で、運転中の映像を常時録画し続けていることから、他のSDカード使用機器と比べても情報を書き込む回数はかなり多くなる。

 このため、ドライブレコーダーに使われているSDカードは、他の機器で使用されている場合に比べ酷使されており、こまめにフォーマットするなどのメンテナンスが必須。さらに、SDカードはデータの読み書き回数によって寿命がある「消耗品である」ということも知られていない。まずは、SDカードが消耗品であることを認識し、定期的に新しいものと交換する必要があることも覚えておきたい。なお、交換頻度に関しては、各製品の仕様や使用状況によって大きく異なるため、実際に使用している製品の説明書などを参照してほしい。

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不具合を早期発見するためにできることは?

ドライブレコーダーの映像は定期的に確認しよう

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ドライブレコーダーにどのような映像が撮られているかを確認することは、不具合の早期発見にも結びつく。

 せっかくドライブレコーダーを取り付けていたものの、映像がまったく記録されていないのでは本末転倒。こうしたトラブルを防ぐために、国民生活センターでは以下のことを推奨している。

・ドライブレコーダーで記録した映像は定期的に確認する

・SDカードは定期的にフォーマットして使用するほか、消耗品であることから定期的に新しいものと交換する

・SDカードの定期的なフォーマットが不要なドライブレコーダーや、耐久性が高いと謳ったSDカードも販売されているので、目的や使用方法に応じて商品を選択する

 また、JAFメディアワークスで販売しているドライブレコーダー「ドラドラ」シリーズの担当者に話を聞いたところ、以下のようなアドバイスも聞くことができた。

・SDカードに不具合がないかの確認のためにも、1週間から2週間に一度はSDカードのフォーマット、映像の確認をしてほしい

・「画面が映らなくなった」「音が鳴らなくなった」などのトラブルは、SDカードの不具合が要因である可能性もあるため、まずSDカードのフォーマットを。それでも改善しないようであれば、SDカードの交換を試みてほしい

 こちらもぜひ参考にしていただきたい。

  一度設置してしまうと、それだけで安心してついついそのままにしてしまいがちなドライブレコーダーだが、いざという時のためにメンテナンスを怠らないことも肝心であると言えそうだ。

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