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クルマ最終更新日:2018.03.31 公開日:2018.03.31

グッドイヤー、”光合成するタイヤ”を発表。

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 タイヤメーカーのグッドイヤーは、3月8日~18日(現地時間)までスイス・ジュネーブで開催された国際自動車ショーで、コンセプトタイヤ「Oxygene(オキシジェン)」を発表した。

 このタイヤ、サイドウォール内に苔を生息させ、その光合成によって空気を浄化させるというのがコンセプト。網目状になったタイヤの設置面から、路面の水分を吸収して苔に循環さるのだという。

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 世界保健機関(WHO)によると、現在都市部に住む80%の人が、WHOの基準を超える汚染された空気の中で生活しているという。グッドイヤーEMEA(欧州、中東、アフリカ地域)社長のクリス・デラニーは「2050年までに世界の人口の3分の2以上が都市地域に住むことが予想されているため、都市環境における交通ネットワークの需要は大幅に増加するでしょう。よりスマートでより環境に優しいインフラと交通手段は、都市型モビリティと都市開発の最重要課題に取り組む上で極めて重要です」と語る。仮にこのタイヤが、パリのような250万台規模の都市の車に装着された場合、年間でおよそ3000トンの酸素を生成し、4000トン以上の二酸化炭素を吸収する計算になると試算している。

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 このタイヤは、リサイクルタイヤのゴムパウダーを3D印刷することで作られる。空気圧でタイヤを支えるわけではないのでパンクする心配も無い。設置面から水分を吸収するので、ウェット状態の路面でもグリップ力が確保されるというメリットもあるという。

 それだけではない。光合成で発生するエネルギーを取り込んで自家発電し、オンボードセンサーなどの電子機器に電力を供給するというのだ。さらに、可視光通信システムを使用することで、高速・大容量なモバイル接続が可能。車両間や車両とインフラ間のデータ交換ができるようになるとしている。

 エコ、自然エネルギー活用、通信と自動車関連業界で流行のキーワードてんこ盛りといった感じだが、実現されればとても魅力的なタイヤになることは間違いない。

2018年3月31日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)

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