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クルマ最終更新日:2018.03.16 公開日:2018.03.16

パナソニック、自動車用電池で攻勢。技術・生産両面で世界をリード

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 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は3月13日、中国の車載用リチウムイオン電池工場で量産出荷を開始したと発表した。

 中国ではHV、PHV、EVなどの環境対応車が相当な勢いで普及してきている。こうした動きを見越し、同社では大連市に車載用電池工場を建設。リチウムイオン電池の生産拠点としてかねてから準備を進めてきた。同工場では、需要が見込める車載用リチウムイオン電池の中でも、高出力・高容量で安全性が高いという角形リチウムイオン電池を生産する。

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 パナソニックでは、円筒形の車載用リチウムイオン電池を北米のEVメーカー「テスラモーターズ」にも供給している。2011年にテスラと電池供給契約を締結。当初は「18650」というパソコンで使われるのと同じタイプの円筒形電池を供給した。13年には高級EVセダンの「モデルS」(写真上)向けにも出荷し、セルの累計出荷1億個を達成。さらに、世界最大規模の車載用電池工場を米ネバダ州に建設し、17年から電池生産を開始している。「メガファクトリー」と呼ばれる同工場で生産するのは、新しい円筒型のリチウムイオン電池だ。ところが、テスラ側の自動車量産体制に不備があり、車の生産自体が遅延、電池の供給過剰状態になった。それでもパナソニックはテスラとパートナーを解消するつもりはないようだ。これは、供給先をテスラのみに頼っているわけではないというパナソニックの自信の表れと取ることもできる。

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 昨年11月にはパナソニックとトヨタが、車載用角形電池事業について協業の可能性を検討することに合意したと発表した(写真上)。そもそも両社の取り引き開始は1953年と古く、国内を代表する製造業者として切磋琢磨してきた間柄だ。トヨタもパナソニックが持つ電池の技術力には信頼を置いている。車載用リチウムイオン電池を事業の柱としているパナソニックでは、昨年9月兵庫県・姫路にある液晶ディスプレイ工場で新たに車載用角型リチウムイオン電池の生産を開始すると発表するなど、生産体制を拡大・強化する施策を矢継ぎ早に実施。もともと電動車の電池供給ではトップシェアだったが、冒頭の中国工場の稼動やトヨタとの協業によって車載用角形電池でも業界ナンバーワンを実現する構えだ。

2018年3月16日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)

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