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クルマ最終更新日:2017.12.12 公開日:2017.12.12

伝説の天才ドライバーの名を冠したスーパーカー! マクラーレンから登場!!

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ベースデザインはティアドロップ型だが、「猛々しく容赦ない」スタイルを採用したマクラーレンの新車「セナ」。

 マクラーレンは12月11日、”究極のサーキット指向型ロードカー”の「アルティメット」シリーズの新モデルとして、同社史上最高性能と、最も純粋なドライバーとクルマとの一体感を実現したというスーパーカーを発表した。その名は、マクラーレン「セナ」! 500台限定生産で、すでにオーナーは決定済みだという。

 セナとは、もちろんF1で80年代後半から90年代前半にかけて、マクラーレン・ホンダでF1世界王者にもなった故アイルトン・セナにちなんだ名称。

 マクラーレンのこれまでのスーパーカーは、日常でも多様な使い方ができることを前提に開発されてきたが、今回は大きく方向転換。「法的には公道走行も可能」だが、レース専用車に近いサーキットでの走行を突き詰めたモデルとなっている。

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マクラーレンのコックピット。3本スポークのステアリングには、スイッチ類は搭載されていない。マニュアルシフトはステアリング奥のパドルトで行う。操作はステアリング右側のインフォテイメント・スクリーンや、折りたたみ式ドライバー用ディスプレイを用いる。

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マクラーレン史上最強のエンジンを搭載!

エンジンは同社史上最高の588kW&800N・m!

 4L・V8ツインターボエンジンはコードネーム「M840TR」と呼ばれ、ミッドシップでレイアウトされる。同社史上最高の出力である588kWを叩き出し、最大トルクも800N・mを達成した。電子制御式ウェイストゲートを採用し、そのほか各種エンジン内部のパーツの軽量化も行い、スロットルの反応を高めることに成功したという。

 なお、セナはデュアルクラッチのシームレスシフト7速の後輪駆動。パワートレインにはモータースポーツからの技術がフィードバックされたシステムが採用されている。

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ルーフのエアインテーク。エアインテークにも、エンジンサウンドがドライバーに間近から聞こえているような工夫が施されている。

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サイドのエアインテーク。「セナ」は空力的な面だけでなく、冷却効果も考え抜かれたデザインとなっている。

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シャシーもボディもすべてカーボンファイバー製で軽量化!

カーボンファイバー製で徹底的な軽量化!

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「セナ」を正面から。同車はリアウィングが可動式など、アクティブ・エアロダイナミクスを採用し、ブレーキング中、コーナー中間のスロットル調整のタイミング、そしてコーナー脱出時の全開加速でもすべてダウンフォースとエアロダイナミクスのバランスが最適化されるように設計されている。

 シャシーとボディについては、部品ひとつひとつから徹底的に軽量化が行われた。素材としてシャシーもボディ・パネルもカーボンファイバーが採用され、1198kgという車重を達成。これにより、同社のマシンとしては「F1」以来の最軽量のロードカーとなった。パワーウェイトレシオは、2.03kg/kW(1.5kg/ps)だ。

 なお、カーボンファイバー製のシャシー「Monocage III」は、同社の「720S」用のシャシーをさらに発展させたもの。同社のロードカー用のモノコックとしてはこれまでで最も強固だという。

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シザース・ドアに似た、上へ跳ね上がる”ディヘドラル・ドア”をオープンしたところ。このドアは、マクラーレンのF1マシンにインスパイされたのだという。

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機能的であればフォルムは美しい

「フォルムは機能に従う」外見

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サイドビュー。ドアもカーボンファイバー製だ。ドアは上下2つのガラス製のウィンドーが設けられており、上のガラスは固定。下部に開口部がある。

 また外見についてはベースはティアドロップ型ではあるが、「猛々しく容赦ない」というデザインが採用された。「フォルムは機能に従う(form follows function)」という、マクラーレンのデザイン哲学を最も純粋な形で表現した1台である。

 そして、ボディの各パーツは空力性能を最適化するため、キャビンに”クリップ留め”するような方式を採用。走行時にマシンがどのような状態であってもダウンフォースと空力制御が高次元でバランスされるようアクティブ・エアロを採用。さらに、フロントのスプリッターからリアのダブル・ディフューザーまで、あらゆる要素を磨き上げたという。

 リアウィングもカーボンファイバー製で、油圧で作動する機構を備える。停車時は最大1219mmの高さにあるが、速度域に応じて高さを変化させる。ハードブレーキングの際にはエアブレーキとしても作動する仕組みだ。

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リアビュー。巨大なリアウィングは可動式で、速度によって高さが変化する。

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油圧サス「RCC II」を搭載

油圧サス「RCC II」システム搭載

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フロントタイヤ周辺。サスは油圧機構が組み込まれたダブルウィッシュボーン。タイヤは新開発のピレリ、「P Zero Trofeo R」で、ブレーキはカーボン・セラミック製。ホイールは超軽量合金製だ。

 サスペンションは前後共ダブルウィッシュボーン方式だが、「レースアクティブ・シャシー・コントロールII(RCC II)」と呼ばれる油圧機構が組み込まれている。RCC IIは、油圧で左右前後が相互接続されたアクティブ・ダンパーと、従来の機械式アンチロール・バーに取って代わる油圧装置で構成される。

 同システムは「720S」に初めて導入されたシステムだが、今回は「レース・モード」が追加され、より低い最低地上高、より低い重心、さらに”Kダンパー”とも呼ばれるキネティック・コントロール・システムにより剛性を増加させたサスペンションによってレース走行がよりしやすくなるという。

 さらにブレーキシステムは、同社最先端となる、カーボン・セラミック製のディスクと、モータースポーツからフィードバックされた技術を採用。タイヤは同社の技術パートナーであるピレリによって開発された、「P Zero Trofeo R」タイヤを履く。なおホイールは、超軽量合金製だ。

 500台の限定生産で、英国サリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクション・センターにおいて、2018年第3四半期より手作業での組み立てを開始するとしている。価格は67万5000ポンド(1ポンド150円計算で1億125万円)。また一般への公開は、2018年3月開催予定の第88回ジュネーブ国際モーターショーに行われる予定だ。

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コックピット内。レーシングスーツを着てヘルメットを装着したままでも乗り降りがしやすいよう配慮しているという。

オフィシャル動画。

2017年12月12日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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