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クルマ最終更新日:2018.04.20 公開日:2018.04.20

【自動車カメラマンの、旅のしおり】長崎の夜景とロープウェイが素敵すぎる

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 九州屈指の観光地、長崎。長崎の魅力の一端を担っているのが「1000万ドルの夜景」とも言われるほどの美しい夜景です。長崎港を囲むようなすり鉢状の地形ゆえ、さまざまな場所から楽しめるのも特徴と言われていますが、最も代表的なスポットとして知られているのが、稲佐山の展望台です。東京タワーと同じ標高333mにあるこの展望台へはロープウェイを利用するのですが、今回はそんな夜景とロープウェイのお話です。

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 前述のとおり、夜景の有名な都市として長い歴史を持つ長崎ですが、稲佐山展望台に向かう長崎ロープウェイは、2011年に世界的工業デザイナー・奥山清行氏率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」の手による新しいデザインのゴンドラにリニューアルされています。

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奥山清行氏ってどんな人?

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 奥山清行氏はアメリカ、ゼネラルモーターズのチーフデザイナーやポルシェのシニアデザイナーなどを歴任してきました。クルマ好きの間ではカーデザイナーとして大変有名です。中でもイタリアのカロッツェリア、ピニンファリーナ在籍中にフェラーリ(エンツォフェラーリ)のデザインを担当したことで知られています。クルマだけではなく、実は鉄道車両や船舶などの乗り物から家具や腕時計など、いろいろな工業製品のデザインも手がけているんです。そんな多くの作品のひとつが、ここで紹介する長崎ロープウェイです。

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 シルバー×ブラック2トーンの外観と、木の床を持つゴンドラ内のデザインは非常にモダンです。360度、足元まで広がるクリアな視界が特徴的ですが、よく見るとゴンドラの前後でデザインが大きく異なります。山側はこれから向かう山頂を見上げられるようルーフまで大きく回り込んだ窓、そして市街地側の窓は長崎の街並みを見渡せるよう水平方向に回り込むようなカーブを描いています。コレ、言われなければ案外気づかないような、でも気づくと納得のデザインになっています。

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JAF優待も使えますよ

005si.jpg 休日ともなれば大勢の観光客でゴンドラは満員状態のことも多く、僕自身も帰りのゴンドラでは家族ともども右前方の角に追いやられてしまいました。ですが、実はアールを描いた角は下りの一等地。徐々に高度が下がり近づいてくる長崎の夜景をゴンドラの中から楽しめました。なにかちょっと得した気分でした。

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 この日は、天候に恵まれ観光日和でしたが、メインイベントたる長崎の夜景はなんだかボヤッとしていました。「湿度が高いのかな?」なんて考えていたのですが、地元のタクシードライバーさんいわく、いわゆるPM2.5の非常に多い日だったとのことでした。1000万ドルの夜景も700万ドル級になってしまったような感もありましたが、それでもその美しさは素晴らしいものでした。

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 KEN OKUYAMA DESIGNによるロープウェイの乗車料金は、往復で1230円(大人料金、2018年4月現在)。日本が誇る世界的工業デザイナーの手によるゴンドラでの空中散歩を、夜景とセットで楽しめます。ちなみにJAF会員なら割引優待が使えますのでさらにお得です。

(JAFご当地情報 九州・沖縄エリアはコチラ→http://jafevent.jp/area/kyushu/

2018年4月20日(自動車カメラマン・高橋学)

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高橋学(たかはしまなぶ):フォトグラファー。1966年北海道生まれ。スタジオに引きこもって創作活動にいそしむべくこの世界に入るが、なぜか今ではニューモデル、クラシックカー、レーシングカーなど自動車の撮影を中心に活動中。日本レース写真家協会(JRPA)会員。

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