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クルマ最終更新日:2018.02.21 公開日:2018.02.21

事故らないガードレール「トンドルイ」や霧でも見やすい標識を紹介【ハイウェイテクノフェア】

 毎年11月に「ハイウェイテクノフェア」なるイベントが開催されているのをご存じだろうか? 主催は(公財)高速道路調査会という団体で、NEXCO三社(東日本、中日本、西日本)も共催している。実は筆者も取材に出掛けたのは昨年が初めてだったのだが、訪れてみてびっくり! 様々に工夫を凝らした道路標識や見たこともない働くクルマ、最新の印刷技術を駆使した反射材シールなどが所狭しと展示されており、多くの来場者で賑わっていた。出展社数は282、発表された新技術はなんと1333もあるとのこと。気になったものをいくつか紹介してみたい。

ガードレールを回してみた

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 まず紹介したいのがこちら「トンドルイ」。衝突エネルギーを回転エネルギーに変換して2次事故や車両離脱を防止する画期的なガードレール兼衝撃吸収設備である。車が黄色い部分にぶつかるとそこが回転して衝撃を分散したり受け流したりする。また、黄色い部分は柔らかい素材でできているため、車両の損傷もかなり抑えられる。ちなみに、ETIという韓国の会社が出展していたのだが、この装置を導入した場所では衝突事故での死傷者数が大幅に減ったという実績もあるそうだ。

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見えにくいを見やすく

地味だけど、これあったらホント助かる!

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 お次は 日本パーカライジングが出展していた霧の中でも見やすいLED標識。濃霧が発生すると、高速道路の案内板の中には見えづらくなってしまうものもある。この標識は、LEDを使用した案内標識で、文字部に高輝度LEDを埋め込み、表面に広角プリズムレンズシートを使用することによって大幅に視認性をアップしている。

 LED埋め込み部分はユニット構造なので交換することで表示内容が変更できる。霧発生時には、センサーによりLEDが点灯し、標識板をはっきりと視認させることができる。

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逆走防止に救世主現る?

逆走防止に一役買うか?

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 現在、高速道路上での逆走が問題になっているが、それと同じくらい実は、歩行者が誤って高速道路に立ち入るトラブルも多い。認知症で徘徊しているうちに入ってしまったり、良い景色が見たいという理由で外国人観光客が誤進入したり…… ウェイベックスが出品したこちらの装置は、車はもちろん、人が誤進入した場合も、強烈な光とアナウンスで「間違い」を知らせる。会場で実演していたがその強烈な光によって前に進む意欲をなくすのが目的とか。まだ開発段階ではあるが、実用化間近の完成度の高いものだった。

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ガードレールのメンテナンスって大変!

ガードレールの大変なメンテナンスを一気に解決?

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 西日本高速道路エンジニアリング中国が出品したこの装置は、ゆっくりと走行しながら錆びたり汚れたりしたガードレールを研磨しつつ、その場で塗装!までを行う。専用車両不要で塗装装置を一般的な8トン車などに搭載して使用できる。標準施工能力は1日あたり約 600mで、すでに100km以上の施工実績があるそう。塗装の質にもよるが、再施工して10年前後の耐久性を誇る、抜群の仕上がりになるという。

 ハイウェイテクノフェアへの出展は近年、海外からも増えているそうだ。入場に関しても制限がなく、東京ビッグサイトで開催されている他の展示会に来た人が、ふらっと立ち寄るのも大歓迎とか。入場無料。今年は11月28・29日に開催が予定されている。

2018年2月21日(加藤久美子・雨輝)

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