2022年06月07日 16:47 掲載

クルマ ルノーが日本のハイブリッド車に挑戦状!? 新型SUV「アルカナ」が搭載する「E-TECH」がオモシロイ!


文=小川フミオ 写真=ルノー・ジャポン

ルノー・ハイブリッドの魅力とは?

ルノー・アルカナ|Renault Arkana

10.2インチのデジタルディスプレイが装備され、スポーティーな印象のインテリア。ACCはもちろん、360度カメラ、イージーパーキング・アシストなど、多くの先進運転支援システムを搭載する。

「日本のハイブリッド車の多くは、市街地走行をメインに作られているため、高速領域でエンジンがうるさいとか速度の伸びがいまいちとか、欧州で使うにはネガがある、と私たちは考えて、独自の『E-TECHハイブリッド』を開発しました」(ルノージャポンの技術担当者)

 どこが独自かというと、ひとつは比較的排気量の大きな1.6リッターエンジンを使うこと。高速ではこのエンジンのパワーに頼る。もうひとつは、変速機だ。プリウスやシビックのシステムでは、"変速機構"はあるものの、変速機そのものは持たない。ギアとエンジンとモーターが常に繋がっているからだ。(メーカーのカタログには「電気式無段変速機」と記載されているが、実際に変速機が搭載されているわけではない)

「従来のハイブリッド車は、走行中、急な加速が欲しいときにかったるい思いをすることもあるし、アクセルペダルを踏み込みすぎて燃費を悪化させたりすることもありました。ルノーはそれをネガと捉えて、同社のE-TECHハイブリッドでは"変速機"を採用しています」(同上)

 でもって、このルノー独自の変速機が大変興味深いのだ。通常のマニュアルやオートマチックの変速機のようにクラッチやシンクロナイザーを使わない。これらは、エンジン側のギアと変速機のギアをショックなくつなげるために、いってみれば滑らせるための装置だ。

 アルカナのギアボックスは、そんなものを使わない。エンジンの出力軸側のギアと変速機のギアをダイレクトに噛み合わせる。ドグトランスミッションといって、レースやラリーでは当たり前のシステムだ。一般車では極少ない。

 だからといって、ギアが噛み合うたびにガツンッガツンッとショックがきては、乗員はたまらない。アルカナでは、両方のギアの回転を合わせてポンっとつなげるために電子制御されたモーターを使う。

ルノー・アルカナ|Renault Arkana

ルノー独自の「E-TECHハイブリッド」は、メインモーターであるEモーター(36kW/205Nm)、HSG:ハイボルテージスターター&ジェネレーター(15kW/50Nm)の2つのモーターと、1.6リッター4気筒自然吸気エンジン、そしてこれらを繋ぐ変速機の電子制御ドグクラッチATで構成される。

 はたして、ルノーの目論見通りなんだろう。じつにキモチがよい。どんなエンジン回転域からでも、一瞬で力強い加速が得られる。エンジンとモーターがうまく協調しているのでトルクがたっぷりあるうえ、それを変速機がしっかり活かしてくれる。燃費がリッターあたり22.8km(WLTC)というのも、欧州車としては驚くほどいい数字だ。原油高の時代にありがたいではないか。

 もちろん、トヨタにしても日産にしてもホンダにしても、それぞれいいところはたくさんあるし、最近だと、たとえば、ルノーとアライアンスを組んでいる日産のシリーズハイブリッド車、オーラなどは、力強く、扱いやすく、充電する必要もないため、日本によく合っている。

 ハイブリッドと一言でいっても、このように多様性があって、自分の使い勝手で選ぶのがもっともいい。ハイブリッドはまだまだ過去のものになっていない。優れた生活のパートナーといっていいんじゃないかと私は思っている。

ルノー・アルカナ|Renault Arkana

ルノー・アルカナのボディサイズは全長4570mm×全幅1820mm×全高1580mm。燃費はリッターあたり22.8km(WLTC)だ。

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