2022年03月03日 12:10 掲載

クルマ さよならエンジン時代のスーパーカー。それでもスーパーカーの未来が明るい訳とは?


文=西川 淳

フェラーリ 296 GTB|Ferrari 296 GTB
V6ターボ×モーターで830馬力、740Nmを発揮するフェラーリ最新のPHEVモデル

フェラーリ 296 GTB|Ferrari 296 GTB
V6ターボ×モーターで830馬力、740Nmを発揮するフェラーリ最新のPHEVモデル

電動化の是非

 ところが最近、当のスーパーカーブランドからこのピュアな信条を"裏切る"新型車が出始めた。マクラーレン アルトゥーラやフェラーリ 296GTBといったV6プラグインハイブリッドモデルだ。スタイリングは見紛うことなくスーパーカーであり、パフォーマンスも同ブランドの他車と比較しても遜色ないか上回っている。

 PHEVということで大きめのバッテリーをミドに積むため、そのためのスペースとしてマイナス2気筒と考えることもできる。つまり大きなパワーユニットをミドに積めばスーパーなスタイルになるという信条には適っている、ということだ。

 とはいえ、これらは過渡期のモデルに過ぎない。メジャーなスーパーカーブランドはすでにフルエレクトリックモデル(BEV)の準備をはじめており、近い将来、ロードカービジネスにおいてはマルチシリンダーどころかノーシリンダー主流になっていく。合成燃料など一縷の望みはあるのだが......。

ソニー ビジョンS 01|Sony VISION-S 01(写真右)
ソニー ビジョンS 02|Sony VISION-S 02(写真左)
家電メーカーのソニーが発表したBEVのコンセプトモデル

家電メーカーのソニーが発表したBEVのコンセプトモデル

 電動化、スーパーカー界でも待ったなし。もとより電動化はマイクロカー分野とスーパーカーや超高級車分野の二極から始まるというのが持論。いずれも対照的な意味でインフラ(バッテリー容量)や価格といったBEVの抱える現在の問題を超えやすいからだ。今ある姿のクルマをそのままBEVに置き換えようとするから話が難しい。自動車メーカーとしてはそうするほかないから、その間隙を縫ってアップルやソニーがやってくる。そこに国や地域の政治的かつ経済的な戦略という思惑が重なっているのでややこしい。

 とまれ、スーパーカーのいっそう電動化はやむをえない。となると筆者の掲げる信条は儚くも崩れ去ってしまう。マルチシリンダーエンジンをもっとも良い場所(車両の中心、当然、人にとっても良い場所)にレイアウトすることで生まれる突拍子もないカタチこそスーパーカーのスーパーたる所以、という原則が成立しなくなるからだ。

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