2021年12月06日 09:20 掲載

クルマ 2021年はランキング7位!
勝田貴元WRCフル参戦レビュー

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの育成ドライバーとして、日本初のFIA世界ラリー選手権にフル参戦した勝田貴元の2021年シーズンを、モータースポーツライターの入江大輔が紹介。27年ぶりの日本人WRC表彰台や、SSで上位を記録するなど世界に通用する速さを見せつけた。

文・入江大輔(モータースポーツライター)

最終戦は7位入賞。年間ランキングは7

ラリー・モンツァでの勝田貴元

ラリー・モンツァでの勝田貴元のヤリスWRC 写真=トヨタ

 11月19日から21日にかけて、2021年シーズンの世界ラリー選手権(WRC)を締めくくる第12戦ラリー・モンツァが開催。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの育成ドライバーとしてトヨタ ヤリスWRCで参戦する勝田貴元が、7位入賞を果たした。

 当初、最終戦として予定されていたラリージャパンは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染状況が予断を許さないことや、海外からの入国者の規制などを理由に2年連続でキャンセル。昨年に続き、イタリアのモンツァ・サーキットを中心に代替イベントとして、モンツァ・ラリーが開催されている。勝田は最終日まで6番手につけていたものの、SS15でコンクリートブロックにヒットし、サスペンションを破損。7番手に順位を落としてしまう。

 それでも、ボーナスポイントが与えられる最終のパワーステージで2番手タイムを記録し、7位でラリーを走り切った。「最終日にポジションを上げようとしたところで、ミスがありました。それでもパワーステージではとてもいい走りができました。最終的には良い形でシーズンを終えることができました」と、勝田はフィニッシュ後に手応えを語っている。

フルシーズン初年度は後半戦のコ・ドライバー交代が痛手に

ラリー・モンツァでの勝田貴元(左)とアーロン・ジョンストン(右)

ラリー・モンツァでの勝田貴元(左)とアーロン・ジョンストン(右) 写真=トヨタ

 2019年末にトップカテゴリーのWRカーにステップアップし、初めてフルシーズンを戦った勝田。開幕戦モンテカルロから3戦連続で6位入賞し、続くポルトガルとサルディニアでは4位を獲得する。さらに、19年ぶりにWRC復活を果たしたサファリでは、自身初となるラリーリーダーにも立ち、自己最高位の2位表彰台を手にした。

 このまま大きな流れに乗れるかと思われたが、潮目が変わったのは第7戦エストニア。現在拠点とするフィンランドからも近く、よく似たステージ構成を持つエストニアは「自分としても期待を持っているラリーのひとつ。プッシュして、表彰台を狙っていきます」と勝田は語っていた。しかし、3番手を走行していたSS4、ビッグジャンプの着地でコ・ドライバーのダン・バリットが首を負傷。ステージフィニッシュ後に勝田はリタイアを余儀なくされている。

 トヨタのワークスドライバーのエルフィン・エバンスとも組み、豊富なラリー経験を持つバリットと、抜群のコンビネーションを築いていた勝田にとって、彼の離脱は結果的に痛手となってしまった。その後、ベルギーは若手のキートン・ウィリアムズと参戦するも、ウィリアムズの家庭の事情からコンビ継続を断念。フィンランドからは、それまでオリバー・ソルベルグと参戦していたアーロン・ジョンストンをコ・ドライバーに迎えている。

 バリットとは2016年に初めて組み、一度離れたものの、2019年以降3シーズンをかけて、着実にコンビネーションを深めてきた。勝田自身の成長に加えて、その成果がシーズン序盤の好成績に表れたといえるだろう。新コ・ドイラバーのジョンストンと参戦したフィンランド、スペインは連続してデイリタイア(翌日以降再出走)に終わったが、最終戦モンツァでは安定したスピードを披露し、大きな問題もなく7位を得た。勝田が振り返ったように、悪い流れを断ち切って、いいフィーフィングを持って新たなシーズンを迎えることができそうだ。

イーブル・ラリー・ベルギーでの勝田貴元(右)とキートン・ウィリアムズ(左)

イーブル・ラリー・ベルギーでの勝田貴元(右)とキートン・ウィリアムズ(左) 写真=トヨタ

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