2020年12月23日 16:00 掲載

クルマ 燃料電池車は普及するのか?
入手可能な車種は? 水素ステーションはいくつある?

トヨタMIRAIの2代目が発表されたが、2020年12月時点で入手できるFCV(燃料電池自動車)は何車種あるのだろうか? また燃料である水素を供給してくれる水素ステーションは全国に何か所あるのだろうか?

くるくら編集部 小林 祐史

入手できるFCV3車種だが......

水素を補給するFCV

水素(H2)を燃料とするFCV 写真:メルセデス・ベンツ

 「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」。菅首相が10月26日に行った2050年カーボンニュートラル宣言は、日本の自動車業界にさまざまな波紋を投げかけている。そのなかでEV(電気自動車)とともに温室効果ガスの排出ゼロの車種として注目されるのが、FCV(燃料電池自動車)だ。ところで、日本市場で入手できるFCVは、何車種あるのだろうか? 2020年12月9日にフルモデルチェンジを行ったMIRAI、ホンダ クラリティFUEL CELLとメルセデス・ベンツGLC F-CELLの3車種である。ただしクラリティとGLCは販売ではなく、契約終了後は車両を返却するリース契約でしか手に入れることはできない。

2代目トヨタMIRAI

2020年12月9日に発表された2代目トヨタMIRAI 写真:トヨタ

ホンダ クラリティFUEL CELL

2016年3月に発表され、2020年6月11日から個人向けリースを開始したホンダ クラリティFUEL CELL。リース期間はユーザーの希望に合わせて設定できる 写真:ホンダ

メルセデス・ベンツGLC F-CELL

2019年10月からリースを開始したメルセデス・ベンツGLC F-CELL。リース期間は4年までとなっている 写真:メルセデス・ベンツ

ヒュンダイ ネッソ

CEV補助金対象最新車両であるヒュンダイ ネッソだが、日本への導入時期は未定(ヒュンダイ広報)とのことだ 写真ヒュンダイ

日本全国にある水素ステーションは135か所

 FCVの燃料を供給する水素ステーションの数は、全国で135か所(2020年10月現在。一般社団法人 次世代自動車振興センター調べ)。その内訳は北海道は2、東北地方に4、関東地方に52、中部地方に38、近畿地方に16、中国地方に5、四国地方に3、九州地方に13となっている。

 なお水素ステーションには、ガソリンスタンドのような「定置式」と、大型トレーラーに水素供給設備を積んで移動が可能な「移動式」の2つがある。また定置式は、ステーション内で都市ガスやLPガスなどから水素を製造する「オンサイト式」と、外部で製造された水素を備蓄する「オフサイト式」の2種がある。

都道府県の水素ステーション整備状況

都道府県の水素ステーション整備状況

出典:次世代自動車振興センター(2020年10月現在)

FCV+EVのハイブリッド

 水素ステーションが全国に135か所に対して、EV(電気自動車)の充電スポットは、1万8270か所(2020年3月末。次世代自動車振興センター調べ)。電気は送電線などの供給インフラがすでに整備されていることも、このような差となっているようだ。

 水素ステーションの設置数を踏まえてだろうか、メルセデス・ベンツGLC F-CELLは、FCVながらEV用の蓄電池も備えたハイブリッドとなっている。水素の残量が少なくなったら蓄電池からの電力でモーターを駆動させるEVへと切り替えて走行する。FCVとEVは、電気をその場で作るのか電池に貯めておくのかが違うだけで、電気でモーターを動かして駆動することは同じだからだ。もし今後も水素ステーションの数がEVの充電スポットほど設置されなかったら、FCVはEVとのハイブリッドというのが現実的な路線になるかもしれない。ハイブリッドなら、FCVの700kmにも及ぶ航続距離と、5分前後で済む燃料補給時間というメリット生かしながら、EVの航続距離や充電時間といったデメリットもカバーできるだろう。

FCV、燃料電池に関する記事