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クルマ最終更新日:2020.08.13 公開日:2020.08.13

高速道路の渋滞ランキング2019。新名神開通で東名阪道は圏外へ。

国土交通省は、高速道路4社における2019年の渋滞ランキングを発表した。IC区間別の渋滞損失時間でみると、E1東名高速(上)海老名JCT~横浜町田ICが2年連続でワースト1位。同ランキングの常連だったE23東名阪道(上下)四日市IC~鈴鹿ICは、E1A新名神高速の開通により渋滞が解消されてランキング圏外となった。

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高速道路の渋滞ランキング!ワースト1位は東名高速。

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© TIMDAVIDCOLLECTION – stock.adobe.com

 国土交通省は、高速道路4社(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、JB本四高速)における2019年の渋滞ランキングを発表した。これは、全国の高速道路に設置されたトラフィックカウンターやETC機器などから交通データを収集。インターチェンジ(IC)の区間別に渋滞損失時間(※)をランキング化したものである。渋滞ランキング上位はどの区間なのだろうか。

※渋滞損失時間とは、渋滞によって遅れた時間を表現する数値。基準の通過時間と実際にかかった時間との差に交通量と平均乗車人数を乗じたもので単位は万人・時間。例えば、171.5万人・時間とは、ある区間において1時間の渋滞にはまる人が年間171.5万人存在したということである。

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高速道路IC区間別の渋滞ランキング。 出典:国土交通省の資料をもとに編集部で作成。

【高速道路の渋滞ランキング2019】
※順位(昨年順位):区間名 渋滞損失時間(万人・時間/年)の順に記載した。

1位(1):E1 東名高速(上)海老名JCT~横浜町田IC 171.5
2位(2):E20 中央道(上)調布IC~高井戸IC 167.0
3位(3):E1 東名高速(上)東名川崎IC~東京IC 116.6
4位(5):E1 東名高速(下)横浜町田IC~海老名JCT 110.6
5位(11):C3 東京外環道(内回り)外環三郷西IC~草加IC 105.6
6位(7):E1 東名高速(上)御殿場IC~大井松田IC 105.2
7位(16):E1 東名高速(下)大井松田IC~御殿場IC 86.7
8位(10):E26 近畿道(下)摂津北IC~吹田JCT ・IC 83.2
9位(12):E1 東名高速(下)厚木IC~秦野中井IC 83.2
10位(4):E1 東名高速(上)秦野中井IC~厚木IC 80.9

 上位にランクインした区間は、大都市中心とその周辺をつなぐ主要路線であることがわかる。特に1~3位までの3区間は、順位の変動こそあれ、例年ランクインしている常連である。この3区間はどのような原因で渋滞が発生しているのだろうか。

1位:E1 東名高速(上)海老名JCT~横浜町田IC

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東名高速・海老名JCT~横浜町田IC。同区間中央に位置する大和トンネルは渋滞の名所。 地図データ (c) 2020 Google

 2019年に最も渋滞損失時間が長かったのは、E1東名高速(上)海老名JCT~横浜町田ICで2年連続のワースト1位となった。

 この区間が渋滞しやすい原因のひとつに、大和トンネルが挙げられる。トンネルに入ると左右の壁からの圧迫感を感じて自然とスピードが低下しやすくなるものだが、大和トンネルではそれに加えて、海老名JCT側がゆるやかな下り坂から上り坂へと変わるサグ部となっている。この付近では、LED表示板や横断幕で注意を促しているので、速度低下に注意して運転ないと、あっという間に渋滞を発生させてしまうことになる。

2位:E20 中央道(上)調布IC~高井戸IC

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中央道・調布IC~高井戸IC。上りの三鷹バス停付近では車線減少による渋滞が起こりやすい。地図データ (c) 2020 Google

 E20 中央道(上)調布IC~高井戸ICも昨年順位をキープして2位となった。

 この区間は、三鷹バス停付近において片側3車線から2車線へと車線減少しているため車間が詰まりやすく、さらにサグ部やカーブにもなっていることが渋滞しやすい原因となっている。国交省のデータによると、平日朝および夕方に混雑が集中するため、利用時間をずらすことで混雑を回避したい。

3位:E1 東名高速(上)東名川崎IC~東京IC

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東名高速・東名川崎IC~東京IC。上りの東京IC付近は、環状八号線にぶつかるため渋滞しやすい。地図データ (c) 2020 Google

 3位となったE1 東名高速(上)東名川崎IC~東京ICも昨年順位をキープ。同区間の終着点である東京ICは、東海地方と首都圏をつなぐ東名高速の起点であるため非常に交通量が多い。国交省のデータによると、渋滞の原因の約8割が交通集中によるものだという。また、東京ICの出口は環状八号線に接続しているため、そちらの混雑の影響も受けやすい。

 4位以下でみると、昨年11位だったC3 東京外環道(内回り)外環三郷西IC~草加ICが5位に急上昇している。外環道は、2018年6月に千葉区間(三郷南IC~高谷JCT)が開通。これまでE4東北道からE51東関東道へ向かうために、首都高を経由していたクルマの約8割が外環道を利用しているという。それにより外環三郷西IC~草加ICが混雑するようになった。

 また、昨年9位だったE23東名阪道(上下)四日市IC~鈴鹿ICは、E1A新名神高速の開通効果により、渋滞が約8割解消されてランキング圏外となった。


 このように、2019年の渋滞ランキング上位3区間は昨年と変化がなかった。また、上位にランクインする高速道路は、大都市中心とその周辺をつなぐ主要路線である。国交省によると、年間の渋滞損失時間は昨年と変化しておらず、高速道路を利用した車両1台あたり約1.7分に相当するという。同省は今後も、収集したデータをもとに渋滞原因の分析、対策の検討を続け、高速道路の渋滞解消に向けて取り組むという。

 ※2019年の高速道路の渋滞ランキングTOP30までのデータは、「この記事の写真を見る」ボタンよりご覧いただけます。

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