2019年11月22日 17:30 掲載

クルマ レクサス、中国で市販EV第1弾「UX300e」を世界初公開。今後のトヨタEV戦略をまとめてみた


神林 良輔

中国以外の地域でのEVの発売計画

 中国以外の地域におけるEVの展開としては、2020年以降、トヨタ・レクサスの両ブランドで世界的に拡充していくとしている。その中にはもちろん日本も含まれており、インド、米国、欧州でも投入されていく予定だ。合計で10車種以上のEVをラインナップする予定としている。

 そしてその10車種以上のEVを現在、大別して以下の6つのバリエーションに分けて企画しているという(画像8)。

【6つのバリエーション】
●ミディアムセダン
●コンパクトカー
●ミディアムミニバン
●ミディアムクロスオーバー
●ミディアムSUV
●ラージSUV

 これらのうち、ミディアムSUVについてはスバルと共同で企画・開発中で、コンパクトカーはスズキおよびダイハツと共同で進められている。具体的にどのような車種が日本国内で発売されるかについては、現時点では未発表だ。

トヨタのEVのイメージ。

画像8。トヨタのEVのバリエーションのイメージCG。

世界に先駆けて日本では「超小型EV」を発売

 日本国内では、上述したEVのほかに「超小型EV」(画像9)が2020年冬頃に発売予定とアナウンスされている。この「超小型EV」は日本市場への投入が世界で最初となる。免許取り立ての初心者や高齢者などが、買い物や日常の近距離移動での利用を想定したシティーコミューターで、最高速度は時速60km、一充電距離は約100km、2人乗りというスペックが発表されており、車名になるかどうかは分からないが、ナンバープレートには「BEV」とある。

 同車は軽自動車よりもコンパクトな全長約2500×全幅約1300×全高約1500mmというサイズで、カテゴリー的には政府等が進めている「超小型モビリティ」となる予定だ。

東京モーターショー2019(FUTURE EXPO)で披露された、2020年冬頃発売予定の「超小型EV」。

画像9。東京モーターショー2019の「FUTURE EXPO」に出展された「超小型EV」。

 「超小型EV」が企画された理由は、トヨタが独自にEVへのニーズを調査した結果、以下のような声が集まったからだという。新たなビジネスチャンスがあるとして、「超小型EV」は企画されたのである。

【EVに対するニーズ】
●毎日長い距離は乗らない、買い物・病院など近所の用事を不自由なく
●普通のクルマは乗りこなせるか不安
●乗るときは自分ひとりかふたり
●乗りたいときに乗れたら十分、家に持っていなくてもよい
●何年乗っても新車の時と同じぐらいの航続距離を
●訪問先でも駐車場に困らない大きさであれば便利
●「誰もが安心して自由に移動」を都市部でも山間部でも

 「超小型EV」のライバルとなるシティコミュータータイプの小型EVは現在、複数の国内メーカーが発売しているし、海外からの正規輸入車も複数種類がある。しかし少量生産のために価格は思ったほど安価ではないし、販売網などの関係で容易に入手できない点もネックで、街中ではまだあまり見かけない。もし低価格で、かつ購入しやすい「超小型EV」が販売されれば、一気に普及する可能性もあるだろう。

「歩行領域EV」は2020~2021年にかけて発売の予定

 さらに国内では、パーソナルモビリティの「歩行領域EV」3種類の発売が予定されている(画像10)。大型施設や工場などでの巡回/警備といった主に業務用途向けとする立ち乗りタイプは2020年に発売予定。大型施設などで手荷物などが多いときや歩行に支障がある人などの利用向けの座り乗りタイプ、手動車いす用の車いす連結タイプは2021年に発売を予定している。立ち乗りタイプは、大型施設や工場などでの主に業務用途が考えられており、現状では一般道での利用は考えられていないとしている。

 一方、座り乗りタイプと車いす連結タイプは、現行のシニアカーと同じで歩行者扱いとなり、一般道での走行も可能だ(免許不要)。「歩行領域EV」の1充電航続距離は約10~20km。充電時間は2~2.5時間(バッテリーの交換は可能)となっている。

トヨタの歩行領域EVの3車種。左から立ち乗りタイプ、座り乗りタイプ、車いす連結タイプ。

画像10。歩行領域EVの3車種。左から立ち乗りタイプ、座り乗りタイプ、車いす連結タイプ。

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