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クルマ最終更新日:2019.11.01 公開日:2019.11.01

【東京モーターショー2019】色鮮やかなナンバープレート展。新たな地方版図柄入りナンバープレートにも注目。

ご当地ものは、いつだって我々の地元愛を掻き立ててくれる。マイカーユーザーにとっての「ご当地もの」とは、もちろんナンバープレート。東京モーターショー2019で見つけた「ナンバープレート展」が、思いのほかおもしろかった。

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東京モーターショー2019:ナンバープレート展

ナンバープレートって何だろう。

ナンバープレート展:過去のナンバープレートなどの現物を見ることができる。

ナンバープレートの歴史:ビンテージ感たっぷりのプレートの数々。道路運送車両法施行前(昭和26年以前)や、皇室様式、琉球政府時代などのナンバープレートの実物を見ることができる。

 ナンバープレートはマイカーユーザーにとって身近なアイテムといえるが、その役割を具体的に考えたことはあるだろうか。実は筆者自身も、あまり考えたことがなかった。
 ナンバープレートについて考えながらブースを訪れると、入口付近には過去のナンバープレートが一覧になって展示されて、歴史や役割の紹介をパネルでわかりやすく解説してあった。特に分かりやすかったのが、過去のナンバープレートの展示だ。道路運送車両法施行前のプレートもあり、少なくとも1951年以前から存在したのだということを知ることができた。実に70年近く前からあったのか。思いのほか長い歴史に驚いた。
 そして、地名とひらがな、数字の組み合わせが当たり前だと思っていた筆者にとっては、数字のみのナンバープレートは異国風にも感じられた。漢字とひらがなが無いからだろうか、なんとも不思議な感覚であった。
 さらに現在のデザインになったのが、昭和36年であることも知ることができた。確か父が生まれたのは昭和30年代(実はちゃんと覚えていないので、こっそり逆算してみた)。そのころには既に現在のデザインであったということか。家にある古いアルバムに写っている車を見ても、違和感を覚えなかった理由までわかってしまった。
 他にも、数字とアルファベットのみのデザインで、まるで海外のナンバープレートのようだった琉球政府時代の沖縄県プレートや、戦後の外国軍人用プレートなど。日本の歴史までも感じさせられるデザインの数々は、現在ではなかなか直に現物を見ることができないので、一見の価値ありである。

ナンバープレート展:地方版図柄入りナンバープレート

地方版図柄入りナンバープレート:成田は「成田空港」、恐竜の化石が多数発掘された福井は「恐竜の化石」富士山はもちろん「富士山」! わかりやすい図柄もあれば、柏や世田谷のように地元民ではないと分からないものもある。

 また、201810月から交付がスタートした、全国41地域の地方版図柄入りナンバープレートも展示されていた。
 いの一番に筆者が探したのは、地元の図柄…だったのだが、残念ながら既存の図柄ナンバープレートにはなかった。しかし、旅行などで訪れた地域の図柄を眺めていると、思い出にもある名勝地や名産品などが描かれていて楽しい。
 武将をモチーフにしているところは、全国でも仙台だけであったということは意外だった。「下関とか、壇ノ浦の戦い絡みで源義経なのでは…!」と見てみたけれど、実際には関門橋やまるで竜宮城のような造りが特徴的な赤間神宮が描かれていて予想は外れてしまった。
 とはいえ、各地域のご当地愛をたっぷり感じられる図柄を眺めるだけでも楽しいコーナーだった。

新たに全国17地域の地方版図柄入りナンバープレートが登場!

ナンバープレート展:17地域が新たに交付予定の図柄入りナンバープレート。

 2020年に交付が予定されている、新たなご当地ナンバープレートにも注目だ。「一般の方向けに実物が展示されるのは、今回が初めてになるんですよ」と語ってくださったのは全国自動車標板協議会の亀田企画課長だ。
 「図柄は自治体ごとに、公募したりデザイナーに依頼して投票したりして決められました」(亀田企画課長)という、新しい17地域の図柄を見学してみた。
 嬉しかったのは、この17地域の中に地元の図柄が含まれていたこと。地元民なら知っている、そうじゃなければ一見しては分からない建築物も描かれていて「さすがご当地ナンバープレート!」という喜びと楽しさを感じた。
 他にも、ぐっと地域に深く入り込んだナンバープレートが並んでいた。
 例えば、知床(北海道斜里郡)は、雄大な自然の中に知床で出会える動物が描かれて見るからに清々しい。白河(福島県白河市)は日本100名城のひとつである天守閣 白河小峰城のと白河だるま。苫小牧(北海道苫小牧市)は、聖地とも称される競技・アイスホッケーとウトナイ湖。板橋(東京都板橋区)は、何やら織物のちりめんのような絵柄。鳥や花がカラフルに描かれていたが会場では何を意味するのか分からず、編集部に戻ってから調べてみた。
 絵柄は、「躍動感溢れるカラフルな区のオフィシャルシンボル(木・花・鳥)と外枠にチェッカーフラッグ」であるらしい。
 板橋区って江戸小紋が伝統工芸なのだから、ちりめん調と表現してほしかったな。でも、きっとこれにも地元民ならわかる深い愛がこめられているのだろう。

ナンバープレート展:朱雀が描かれた「飛鳥」のナンバープレート。

 そして、図柄発表時に「かっこいい!」と話題になった「出雲」や「飛鳥」も見ることができた。出雲は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)、飛鳥は朱雀。どちらも伝説上の神獣が描かれたナンバープレート、なんだか守護力が高そうである。

つけて応援!ラグビーワールドカップ、東京の国際的スポーツ大会の特別仕様ナンバープレート。

ナンバープレート展:東京2020特別仕様のナンバープレート。

 「ラグビーワールドカップ2019」、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」特別仕様のナンバープレートにも注目だ。会場でも、多くの人が足を止めて興味深そうに眺めていた。
 大会のエンブレムが付いたナンバープレートは、それぞれ以下の期間で申し込み・交付される。

【ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート】
申し込み期間:~2019年11月29日
交付期間:~2020年1月31日
※上記の申し込み期間に申し込みが完了している必要あり。

【東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート】
申し込み期間:2017年9月4日~未定
交付期間:2017年10月10日~未定

 それぞれ大会支援の寄付をすることで、特別仕様のナンバープレートが交付されるとのこと。特にラグビーワールドカップのプレートは申し込み締め切りまで残りわずかなので、気になる方はお早めに。

人気急上昇の希望番号「エンジェルナンバー」って?

 1122(いい夫婦)、2525(にこにこ)など語呂合わせ、特別感がある1桁番号、末広がりで縁起がよい8888。これらは、全国、または地域限定で抽選対象になっている人気の希望番号だ。
 全国自動車標板協議会では、希望番号の申請スタート時からの累計で人気ランキングを作成している。

【全国希望番号人気ランキング(政令指定都市別)】(2019年7月時点)

全国希望番号人気ランキング(登録車5ナンバー)全国希望番号人気ランキング(登録車3ナンバー)

全国希望番号人気ランキング(軽自動車5ナンバー)

出典:一般社団法人 全国自動車標板協議会

 そんな希望番号の中でも、筆者が事前にWEBで見かけて気になっていたのは、「エンジェルナンバー」というもの。エンジェルは天使…となると何やら幸せなナンバーということだろうか。尋ねてみると、亀田企画課長は「あー、ありますね!」と楽しそうにうなずいた。
 「358がそれぞれ風水では、「3」は金運、「5」は帝王、「8」は発展・成功と運気アップの数字だそうです。そこで幸運を呼び込む番号ということで『エンジェルナンバー』と呼ばれるようになったのだと思います」(亀田企画課長)
 ランキングでも、ここ近年で急激にランクインしてきている番号なのだとか。
 「他にも語呂合わせで3(沙悟浄)5(悟空)8(猪八戒)なんて、西遊記をイメージして選ぶ人もいるそうですよ」(亀田企画課長)と、続けて教えてくださった。そして、語呂合わせとなれば地域性も出てくるようで、山形の郷土料理「三五八漬け」から選ぶ人もいるそうだ。
 ランキングを見てみると、登録車より軽自動車に「358」ナンバーが多い。この差は何なのだろうか、とちょっと考えてみた。ふと思ったのは、軽自動車の所有者の男女比。WEBで調べてみると軽自動車を運転する割合は、女性の方が高い。そして、女性は占い系ワードに弱いもの。
 風水絡みの番号が軽自動車に多くランクインしているのは、ひょっとしたらこれが要因のひとつだったりするのではないだろうか。
 このエンジェルナンバー、さらに西の地域により多くラインクインしている。全国の神社仏閣の分布を調べてみると、西に多い傾向にある。ということは、「信心深さ」などが関係しているのかな…なんて、少し大げさに予想しすぎただろうか。
 とにかく、全国で人気が急上昇しているエンジェルナンバー・358。ランキングを見ても、確かにこの数字の存在感は大きいものだ。

こんな語呂合わせあり!? 変わり種希望ナンバーの数々。

 さて、希望番号には変わった語呂合わせもあるようだ。
 以下は一例であるが、地域性や趣味などがうかがえる番号ばかりで見ているだけでも面白い。

【希望ナンバー 変わり種語呂合わせ(一例)】

ナンバープレート展:全国変わり種語呂合わせナンバー。

出典:一般社団法人 全国自動車標板協議会

 好きなチームやアーティストの語呂合わせには愛を感じられるし、地域の名勝もセンスを感じる。一見してわかりやすいものから、ちょっとひねられたものまである。「実はこのナンバーさ…」なんて、話題にすることも楽しそうだ。
 眺めていると、自分でも希望ナンバーを付けてみたくなってしまう。筆者だったら、好きなアーティストに絡んだ番号にしてみたいな、なんて。こだわりのナンバーを付けた車でのドライブは、今までよりも特別なものにも感じられそうで素敵だ。

 マイカーユーザーにとってナンバープレートは当たり前の存在。しかし身近だから、その役割などを改めて考えてきたことはなかった。ナンバープレート展では、そうした基本的な知識を改めて学べるコーナーから、ご当地愛を感じられる図柄入りナンバープレートの一覧までを楽しむことができた。
 あって当たり前なものという印象は一変し、さまざまな想いが込められているのだということを知れる良い機会となった。

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