2022年11月21日 19:00 掲載

ライフスタイル 外環道・中央JCTの工事現場を取材! 圧巻のシールドマシンの掘削工程


文・写真=会田肇

1.6mの掘削でトラック40台分!?

 ところでトンネルはどうやって作られるのだろうか。工事の基本となるのは、シールドマシンを使う「シールド工法」と呼ばれるものだ。この工法は掘り進めながら同時にトンネルの壁を作っていくことができるのが最大の特徴で、後から土を被せる必要もない便利な方法として多くのトンネル工事で使われており、その高い信頼性がポイントとなる。とはいえ、外環道での工事を進めるに当たっては、陥没事故を発生した轍を踏まないためにも、そのデータに異常がないか慎重に見極めながら進められたという。

シールドマシンが搬入された穴を上から見たところ。ここからシールドマシンはスタートした

シールドマシンが搬入された穴(深さ35m)を上から見たところ。ここからシールドマシンは掘削をスタートした

 工事の手順としては、まずシールドマシンを入れるための穴を垂直に掘り、掘り終わった段階で工事現場に合わせた専用のシールドマシンが投入される。この時、シールドマシンは分割された状態で搬入され、地下で一つひとつ丁寧に組み立てられていく。完成するとシールドマシンは、そのまま横にトンネルを掘り、「セグメント」と呼ばれるリング状のコンクリートの壁を投入しながら、「土を削る」、「土を運び出す」、「前進」、「セグメント組み立て」の4つの作業を繰り返して掘削していくことになる。

シールドマシンによるトンネルの掘り進め方 画像=国土交通省

トンネル内のリングに設けられた穴は、作業工程で使われるが、供用されても埋めることはしないそうだ。数字シールはリングをナンバリングしたもの

 国道事務所の説明によれば、シールドマシンの掘削速度は2cm/分ほど。外環道で使われるセグメントは1リングあたり幅1.6mあることから、一つのセグメントを掘削するのにおよそ80分を要する計算となる。Hランプの場合はこのリングを251個組み込んで完成されており、その工期は約半年を要したという。

シールドマシンの巨躯を間近で体感

シールドマシンによって掻き出された土砂は写真中央の大型パイプを経由して外へ搬出される。左側に見えるダクトは空気の送出口

 一方、掘削によって掻き出された土砂は、そのままスクリュー式コンベアに載せられて搬出。一つのセグメントを掘って出土する土砂はトラック約40台分に相当し、専用のコンベアを通って効率よく地上へと搬出される仕組みだ。ちなみに外環道全体で生み出される土砂の量は1000万立方メートル(東京ドーム8個分)にもなるそうだ。

シールドマシンを裏側から見たところ。この反対側に地中を掘削するカッターが装備されている

シールドマシンを裏側から見たところ。この反対側に地中を掘削するカッターが装備されている

 今回の取材では、裏側からではあるが、実際に使われたシールドマシンのすぐそばにまで近づくことができた。そこにはシールドマシンが前進するために使われた複数のジャッキを見ることもできたが、それを支えにシールドマシンのカッターが地中を掘り進む様子を想像すると、そのダイナミックさに鳥肌が立つ思いだった。

トンネル内に組み立てられたフレームにジャッキ(中央に見えるシルバーメッキのアーム)が当てられ、ここをテコにシールドマシンは前進していく

 外環道の全面開通は、多くのドライバーにとって"悲願"とも言える重要な事業だ。現時点では、そのためにまずHランプの掘進作業が終了したわけだが、それに続いて反対側の中央道から外環道に至るAランプの工事も順調に行われている。さらに一時的にシールドマシンの損傷で中断していた、関越道と接続する大泉JCT側からの工事(南行)も11月1日に再開した。全面開通に至るまでの道のりはまだまだ遠いが、それでも一歩ずつ着実に進展を見せていたことは今回の取材ではっきりした。ドライバーの一人として、外環道の全面開通が早期に実現することを期待したい。

今回の見学で説明を担当した国道事務所の須釜 弘さん(左)と、清水・竹中土木特定建設工事共同企業体の松林博文さん

今回の見学で説明を担当した国道事務所の須釜 弘さん(左)と、清水・竹中土木特定建設工事共同企業体の松林博文さん

こちらがシールドマシンの正面側で、カッターヘッドが回転している様子。画像=国土交通省

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